2009年11月22日

篤志家(とくしか)

篤志のある人。
特に、社会奉仕・慈善事業などを熱心に実行・支援する人。

「篤志」とは、
志のあついこと。
特に、社会事業や公共の福祉などに熱心に協力すること。

「篤農家」は、
熱心で、研究心に富んだ農業家。

「篤」は“あつい”“あつくする”という意味です。
“あつい”も「厚い」「暑い」「熱い」とありますが、
「厚い」に置き換えられます。
「薄い」の対義語の「厚い」=「篤」なのが意外でした。

「厚」は“かたい岩”の意で、
“てあつい”などの意味も含んでいます。
一方、
「篤」は“馬の歩みののろい”が原意で、
“気持ちが深い”“病気が重い”という意味です。
“馬がのろい”から“病気が重い”は連想できますが、“気持ちが深い”はどういう道筋で生まれたんでしょうね。
その辺の解説は見つかりませんでした。

「篤」の付く熟語は、「危篤」「重篤」がすぐ思い出せます。
他には、
「篤信」(とくしん)
信仰があついこと。

「篤学」(とくがく)
学問に熱心なこと。また、広く学識があること。

「篤志解剖」(とくしかいぼう)
献体による解剖のこと。

「献体」(けんたい)とは、
死後、自分の身体を大学などの解剖実習用に提供すること。

財団法人 日本篤志献体協会というものの存在を知りました。




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2009年11月15日

多とする(たとする)

この表現も知りませんでした。
最初、私は辞書を見ても意味がよくつかめなかったので、3つの辞書の説明と例文を並べてみました。

●ほめる。ありがたく感謝する
●価値の高いものと認める。ありがたく思う。
●労力や好意が普通以上である。ねぎらいや感謝の気持ちで使う。

使用例を見たほうがわかりやすいかもしれません
・永年の好意を多とする
・関係諸氏の労苦を多とするものである
・チームの努力を多としたい
・委員会の協力を多としたい
・鳩山演説の志を多としたい
・小沢代表の姿勢を多としたい。

「多」の対義語は「少」「寡」
「多少」(たしょう)
名詞>数量の多いことと少ないこと。
副詞>いくらか。すこし。

「多寡」(たか)
多いことと少ないこと。多いか少ないか。

以前「多寡」は取り上げましたが、
「寡」は “分かれて住むひとり者”の意で、
対義語は「多」「衆」
「衆寡」(しゅうか)という熟語があります。
「衆多」は「多数」と同じ意味です。

「多少」と「多寡」の使い分けが気になりましたが、明快な説明が見つかりませんでした。

最後に「多」のつく四文字熟語を2つ。

「多事多端」(たじたたん)
1、仕事が多く、多忙なこと。
2、出来事が多く、安らかでないこと。

「多岐亡羊」(たきぼうよう)
枝道が多いため逃げた羊を見失うという意。
学問の道が多方面になりすぎて、容易に真理を得がたいこと。
また、道がたくさんあってどれを選んだらよいのか思案にあまること。
岐路亡羊。



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趨勢(すうせい)

ある方向へと動く勢い。社会などの、全体の流れ。
類義語は「動向」「傾向」

「時代の趨勢」などとよく聞く言葉ですが、
「趨」の意味を調べたことはありませんでした。

「趨」
スウ・シュ
1、はしる(走)
2、おもむく(赴)
3、なりゆき

「趨向」(すうこう)
物事がある方向へ向かっていること。なりゆき。

旁の「芻」のつく漢字は4つありました。
趨・皺・雛・■(表示不可)
「皺」は“しわ”
「雛」は“ひな・ひよこ”
■は中国の国名。

「芻」による共通項を何も見出せませんでした。
それでは、「芻」自体の意味は何かと思いました。
「芻」
ス・スウ・シュウ・まぐさ
思わぬ“まぐさ”が出てきました。

手を広げて草(艸)を集め取る様子から草刈り。
転じて、まぐさ。
「まぐさ」とは“牛や馬の飼料にする草。かいば”
「秣/馬草」(まぐさ)=飼い葉(かいば)=芻=芻草(すうそう)

「芻」の付く熟語に、「反芻」がありますが、今頃なるほどと納得しました。
「反芻」(はんすう)
1、一度飲み下した食物を口の中に戻し、噛み直して再びのみこむこと。
2、ことばや思考などを繰り返し考え、よく噛み締めて味わうこと。

さて「趨勢」に戻りますと、
古川元久内閣府副大臣の最近の発言に、
「長期金利が趨勢的に上がらないよう注意しなければならない」というのがありました。
私には「趨勢的」という表現が目新しかったのですが、
・趨勢的傾向
・趨勢的側面
・趨勢的な動き
・趨勢的増加
けっこう使われている表現なんですね。

また「趨勢法」という言葉もありました。
「趨勢法」(指数法)
ある年度の財務データを100として、その後の年度の同項目の財務データを百分比で示すこと。
複数年度の数値の推移を見て、経営成績や財政状態の変化をつかむ財務分析法の一つ。







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2009年11月08日

「任せる」と「委ねる」

「任せる」と「委ねる」の違いはなんだろうと思いました。
辞書を見ると、

「任せる/委せる」(まかせる)
1、仕事などを他にゆだね、その自由にさせる。
・子どもの自主性に任せる
2、相手の好きなようにさせる。
・運を天に任せる
3、そのままにしておく。ほうっておく。
・成り行きに任せる
4、自然の勢いのままにする。
・足に任せて歩く
5、従う。

「委ねる」(ゆだねる)
1、処置などを人にまかせる。また、すべてをまかせる。
・全権を委ねる
2、すべてをささげる。
・政治に身を委ねる

それぞれが持つ意味の広がりに違いはありますが、
「まかせる」はそもそも「任」「委」どちらの字も当てられていますし、1の意味においてはどちらも“ゆだねる”“まかせる”と言葉が重なっています。
違いを発見したかったのですが、ほぼ同じ意味のようです。
個人的には、比べると「任せる」の方にやや重圧を感じます。

この二つの漢字が合体したのが、
「委任」(いにん)
ある物事の処理を他の人にまかせること。
似た意味に、
「委託」(いたく)があります。
自分の代わりを人に頼みゆだねること。

この意味の説明から「委任」と「委託」の違いは認められませんが、法律用語としての使い方には区別があります。
他人にものを頼むことが「委託」で、
法律行為を頼めば「委任」になります。
そして、委託契約には「委任契約」と「請負契約」があります。
「委任契約」は、行為(作業や事務)に対して報酬を支払い、
「請負契約」は、行為の成果に対して報酬を支払います。
「委任」の場合は、業務の遂行責任を負うというもので、必ずしも結果が目的ではありません。
「請負」の場合は、いくら労務を提供しても仕事が完成しなければ報酬は得られません。




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2009年11月07日

早急(さっきゅう/そうきゅう)

非常に急ぐこと。至急。

先週、政治家の発言で「さっきゅうに」という言葉が耳に入ってきました。
そういえば「さっきゅう」という言い方があったことを思い出しました。
「早急」
でも、普段「そうきゅう」と使っているような・・・。
・早急な対応を望む
いったいどちらの言い方が正しいのだろうという疑問が湧いてきました。
これもまた移行期にある言葉なのか。

Webで調べてみると、
「早急」の読み方に関しては、いろいろな説があることがわかりました。
1>
もともと「さうきふ」からきた言葉で「そうきゅう」が正しく、
「早速」などの影響から「さっきゅう」が後で生まれたという説。
2>
もともとは「さっきゅう」で、「早朝」などの影響から「そうきゅう」が後で生まれたという説。
どちらの説も決定的ではないようです。
放送局によっても読み方は異なっていて、
民放各社が<1>の見解をとって「そうきゅう」を使い、
NHKが<2>の見解をとって「さっきゅう」としているそうです。

「早」の読みは、
ソウ・サッ・はや-い
難しい読みには、
早乙女(さおとめ)、早苗(さなえ)、早生(わせ)、早稲(わせ)

「早」には“夜明け”“朝”という意味があります。
対義語は「晩」
ちょっとおもいつきませんでした。
早---晩
速---遅

「早晩」(そうばん)
名詞)早いことと遅いこと。また、朝と夕。
副詞)おそかれはやかれ。いずれ。




posted by 空凛 at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする