2018年01月20日

狷介(けんかい)

頑固で自分の信じるところを固く守り、
他人に心を開こうとしないこと。片意地。

「狷」ケン・せまい
心が狭い、許容力・包容力の無いこと。

「狷介」の類語をみると、
依怙地・頑固・偏屈・強情・頑強・頑迷・頑冥・
一徹・片意地・頑な・意地っ張り・固陋
ガンコ親父のイメージが立ち上ります。

「固陋」(ころう)
古い習慣や考えに固執して、新しいものを好まないこと。

「陋」ロウ
1、場所が狭苦しい。
2、心が狭く卑しい。

「狷介固陋」 (けんかいころう)・「頑迷固陋」(がんめいころう)
という四文字熟語もありました。

「頑冥不霊」(がんめいふれい)は「冥」と「霊」に怪しさを感じましたが、意味は “頑固で無知なこと”

「頑冥」---頑固で道理に暗いこと。「迷」とも書く。
「不霊」---頭の働きが鈍いこと。

「霊」の辞書を読んでましたら最後のほうに発見がありました。

「ち」
自然の事物などの名詞の下に付いて、
それが神秘的な力をもつ意を表す。
・いかずち/いかづち---雷
・おろち---大蛇
・みずち---水霊

「かみなり」は中世以降に使われるようになった言葉で、
由来は「神鳴り」から。
それ以前は「なるかみ」や「いかづち」と呼ばれました。
「いかづち」は「厳つ霊」(いかつ-ち)から来ています。
“たけだけしい” “荒々しい” などを意味する形容詞「厳し」から。
「いかづち」は鬼・蛇・恐ろしい神などを表す語でしたが、
神との関わりが深いと考えられていた「雷」を意味するようになりました。
「おろち」は “長い尾の神” から来ているようです。






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2018年01月19日

着服(ちゃくふく)

1、衣服を着ること。
2、金品などをひそかに盗んで自分のものにすること。

“服を着る” からどうして “盗む” になったのでしょう。
故事か語源ありかと期待しましたが、
何もおもしろい話しは出てきませんでした。
服の中に隠す。あるいは着ぶくれ → 懐暖かい。
という連想でしょうか。

似た意味に横領・窃盗・泥棒 などがありますが、
「横領罪」の定義は、
<<自己が占有する他人の物を不法に領得すること>>
となっています。
なんとわかりずらい説明。

「領得」とは、
自己または第三者のものとする目的で、
他人の財物を不法に取得すること。

もう少し一般向けの説明では、
「横領罪」
委託などにより占有(管理)している他人の物、
自分の物でも公務所から保管を命じられた物、
遺失物・漂流物などをその権利がないのに自分の物のように利用・処分することにより成立する罪。

過去に「よこしまな横」で取り上げましたが、
「横」には “よこ” という意味の他に、
“よこしま” “ほしいまま” “わがまま”
というネガティブな意味があります。
横奪・横流し・横取り・横着・横柄・専横・
横行・横死・横槍を入れる・横車を押す・

今回、さらに「横」に関する発見がありました。
中国では 意味の違いで声調(トーン)が違うんです。
“よこ” という意味 --- 平声
“悪い” という意味 --- 去声

中国音韻学で、漢字音の声調を4種類に分類したものを
「四声」(ししょう/しせい)といいます。
・平声(ひょうしょう/へいせい)---- なだらかな声調
・上声(じょうしょう/じょうせい)-- 尻上がりのアクセント
・去声(きょしょう/きょせい)------ 尻下がりのアクセント
・入声(にっしょう/にっせい)------ つまる音

上声・去声・入声を一括して「仄声」(そくせい)といいます。
平声+仄声=平仄(ひようそく)
漢詩のリズムは平声と仄声の組み合わせにあり、
平仄によって心地よい響きある詩となります。
ここから「平仄を整える」「平仄が合わない」
という表現が生まれています。

「平仄」(ひょうそく)
1、平声と仄声。また 平字と仄字。
2、平字と仄字の配列法。

「平仄が合わない」
話の筋道が立たない。つじつまが合わない。





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2018年01月18日

草臥れる(くたびれる)

1、体力を消耗してそれ以上動くのがいやになる。
疲れる。疲労する。
2、使い古してみすぼらしい感じになる。
人についていうこともある。

古い形は「くたびる」
「くた」は朽ちる(くつ)・腐す(くたす)と同源。
「くたばる」の「くた」も同じ語幹。
「びる」は悪びれるの古形「悪びる」(わるびる)の
「びる」などと同じくある状態を言い表す語。
「草臥れる」は当て字で、
「詩経」にある「草臥」(疲れて草に臥すの意)を慣用したもの。

語源は諸説あるようですが、2つ紹介します。
* 疲れ果てて家あるいは宿までたどり付く気力がなくなり、草の上に臥してしまう様から。
* 草が生気を失うとヘタってしまうことから。

体の疲労をいう場合には共に用いられますが、
“旅に疲れる” “人生に疲れる” のような抽象表現には、
くだけたいい方である「くたびれる」はあまり用いません。

似た表現に「へばる」「へたばる」がありますが、
いずれも俗語的表現。
「へたる」に漢字表記はありません。
1、尻をつけてべったり座る。また、尻餅をつく。
2、へたばる。元気がなくなる。また、疲労で倒れる。
3、そのものの機能や性能が衰える。

「くたびれる」は方言かと思っていましたが、標準語なんですね。
方言の「疲れた」を見ると、
・えらい(愛知)
・かんだるい(静岡)
・きける(和歌山)
・きつい(福井)
・こえー(福島)
・だりやま(三重)
・きゃーなえる(長崎)

「臥」も確認しておきます。
ガ・ふ-す・ふせ-る
横になって寝る。

「臥す」(ふす)
1、体を横にして寝る。また、床につく。
2、病気で床につく。

「横臥」(おうが)
横になって寝ること。

「仰臥」(ぎょうが)
仰向けに寝ること。

「伏臥」(ふくが)
うつ伏せに寝ること。






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2018年01月17日

蒲柳の質(ほりゅうのしつ)

からだが弱く病気にかかりやすい体質。

知らない表現でした。
由来は中国の故事。
簡文帝(かんぶんてい)が顧悦(こえつ)に
なぜ髪が若い時から白いのかと質問したときに、顧悦が答えた言葉。
やなぎのようにほっそりとし、弱々しい体質の人。

「蒲柳」(ほりゅう)
1、カワヤナギの別名。
2、カワヤナギの葉が秋になるとすぐに落ちるところから、
体質がひ弱なこと。
「カワヤナギ」は川辺に生える柳。普通ネコヤナギをいう。

柳といえば、
「柳に受ける」(やなぎにうける)
というちょっと粋な表現がありました。
“逆らわないで、されるがままになる”

同じような表現に、
・柳に風と受け流す
・柳に風。
・柳に風折れなし
・柳に雪折れなし
・柳風にしなう

「撓う」(しなう)
「しなやか」の「しな」と同源。
弾力があってしなやかに曲がる。たわむ。

「しなやか」
1、柔軟で弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。
2、たおやかで優美なさま。

「たおやか」
「たお」は「たわ」(撓)の音変化
1、姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま。
2、態度や性質がしとやかで上品なさま。

辞書には漢字表記はありませんが、
「たおやか」には「嫋」「靭」「撓」の漢字が当てられます。
「嫋やか」(女性のしなやかなさま)
「靭やか」(強靭さ)
「撓やか」(たわむ弾力の強さ)
常用漢字ではないので、普通は平仮名になっています。

「蒲」に目を戻すと、
ホ(漢)・ブ(呉)・フ(唐)・がま
1、草の名。ガマ。
2、木の名。カワヤナギ。

「蒲団」(ふとん)に「蒲」がつているのは、
昔、ガマの綿毛を寝具に入れたことから。

「蒲鉾」(かまぼこ)
昔、かまぼこは細い竹にすり身を付けて焼いたものでした。
現在の竹輪のようなもので、それが蒲の穂に似ていたことから。

「蒲焼」(かばやき)
うなぎを筒状に切って焼いていた形がガマの花穂に似ていたことから。
「がま焼き」から転じて「かばやき」に。





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2018年01月16日

寛解/緩解(かんかい)

症状が落ち着いて安定した状態。
白血病・ガン・精神疾患など再発の危険性のある難治の病気治療で、「治癒」や「完治」と区別して使われる語。

寛解の医学的な説明のところに、
病気が悪化することを「増悪」とありました。
もともと悪かった状態がさらに悪くなることを指しています。
読みは「ぞうお」ではなく「ぞうあく」

「増悪」(ぞうあく)
病状が悪化すること。

病気がなおることを表す語には、
回復・快復・恢復・快癒・治癒・平癒・快気・
全治・全快・完治・根治・本復・床上げ・

それぞれに印象が違いますね。
「平癒」(へいゆ)と「快癒」(かいゆ)では、
「平」より「快」により良い感じを受けますが、同じ意味なんです。

「回復」と「快復」の違いは、
「回復」は人だけでなく病気以外でも “もとの状態に戻ること”
「快復」は人や動物の病気がいえること。

回復=恢復
「恢」は
1、広い。大きい。
2、かえる。もどる。

「本復」は時代劇で耳にする語ですが、
1、病気がすっかりよくなること。全快。
2、以前の身分や財産を取り戻すこと。
3、配流の地から故国に帰されること。

「快気祝い」は、
当人やその家族が見舞いのお返しとして品物を贈ること。
またその品物のこと。

「余病」(よびょう)
一つの病気に伴って起こる別の病気。

「宿痾」(しゅくあ)
前々からかかっていて治らない病気。
持病。痼疾(こしつ)。宿病。

「痾」ア
やまい。こじれた病気。

「持病」より「宿痾」のほうが深刻なイメージです。

ところで、
「加速度病」ってご存知ですか?
乗り物酔いのことです。
学問的には「動揺病」や「加速度病」と呼ばれます。
乗り物酔いは、
乗り物の揺れや加速・減速などの加速度によって
三半規管が刺激されることで起こる、
自律神経の失調状態なのでした。





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