2020年01月26日

「ひらがな」と「カタカナ」

ひらがなとカタカナはほぼ同時期に、万葉仮名から生まれました。
万葉仮名は漢字を使って日本語の音を表したもの。
漢字の意味とは関係なく、音だけを借りる “当て字” でした。
「万葉集」で使われたことから「万葉仮名」。
同じく8世紀に成立した「古事記」「日本書紀」でも万葉仮名が使われています。
万葉仮名は1つの音にいくつもの漢字を当てたため種類が多く、書くのが難しい複雑な形の字もありました。
そこで生まれたのがひらがなです。

〔ひらがなは漢字の草書体を簡略化したもの〕
〔カタカナは漢字の一部を抜き出したもの〕
「片仮名」という呼び名は、
漢字の一部を取って作ったため、
片方だけの仮名(仮の文字or借りた文字)からきているとされています。

安−あ、以−い、宇−う、衣−え、於−お
阿−ア、伊−イ、宇−ウ、江−エ、於−オ

仮名を調べていて、
「なぜ2種類の仮名があるのか?!」
という疑問を見つけました。
便利に使い分けているので、そんな疑問を持ったこともありませんでした。
でも確かに、1つで用は足りますね。

平安時代の文字の世界は2つに分けることができます。
<漢字の世界> と <それ以外の世界>
カタカナは漢文を和読するための訓点として作られ、漢字と一緒に使用されました。
公文書や学問的な堅い文章に用いられ、男性が学び使うものでした。
女性は漢字を学ぶことを禁じらていたため、女性の文字としてひらがなが平安時代に作られ発展しました。
ひらがなを使って物語や日記、和歌、手紙が書かれました。
女流文学が開花して、枕草子や源氏物語も生まれます。
漢字は「男手」(おとこで)、
ひらがなは「女手」(おんなで)と呼ばれました。
2つの世界があったため、それぞれの世界の文字−ひらがなとカタカナ−2種類の文字が生み出されたというものです。

漢字は中国語を表記する文字だったわけですから、これを日本語化する作業も大変だったと思います。
漢字には「音読み」と「訓読み」があります。
「音読み」
昔の中国の発音をもとにした読み。
日本語は漢語に比べて音がとても少ないため、発音できない音もあり、日本人なりの発音になっています。

「訓読み」
1つ1つの漢字に大和言葉の訳をつけたもの。
・送り仮名がつく読み方
・単独で意味がわかる読み方
日本語の語義と1つ1つが一致しないため、1字に複数の訓ができますが、しだいに一義一訓の形に訓が限定されていきます。
訓読みは、長い時間をかけてできあがりました。

第二次世界大戦前までは、ひらかなよりカタカナが重んじられ、公文書も漢字とカタカナで記載されていました。
現在の私たちはとても読みにくいと感じますが、当時の人たちは違和感なく読んでいたんでしょうね。
先人の知恵と工夫のおかげで、漢字とひらがな・カタカナ−3つの文字を使って、多彩な表現が可能になっていると思います。








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2020年01月19日

鉗子(かんし)

物をつかんだり牽引したりするのに使用するはさみに似た形の医療器具。

医療ドラマで出てくるので名前は知っていましたが、今回初めて「鉗」の意味を知りました。

「鉗」ケン・カン
1、くびかせ。罪人の首にはめる鉄の輪。
2、はさむ。また、はさむ道具。
3、口をつぐむ。ふさぐ。とじる。

「剪刀」(せんとう)
はさみ。主に外科手術で用いる洋式のはさみ。

「剪刀」は正式名称で、
通常、先の形や大きさによって、
「クーパー」(先がまるい)
「メイヨー」(先がとがっている)
などと呼ばれています。

「創傷」(そうしょう)
皮膚などに生じたきず。
切創・刺創・割創など、きず口の開いているきず。

現在は、「創意工夫」「創造力」「創作」など、クリエイティブな意味で思い浮かべる「創」ですが、
「創」という漢字は、りっとうが刃物を表し、
それで材木を切って「倉」を建てる様子を表しています。
→ 倉を立てる=つくる
→ 新たに何かを “始める” の意味も生まれました。

「創」
1、刃物による傷。
2、初めて作り出す。はじめる。

「創痍」(そうい)
1、刃物などでからだに受けた傷。創傷。また、精神的痛手。
2、手ひどく受けた損害。

「痍」イ
きず。きずつく。

外的なケガは「傷」、内的な病気は「症」
軽傷・重傷・外傷・凍傷
軽症・重症・炎症・不眠症


「頓服薬」(とんぷくやく)
恥ずかしながらずっと、薬の種類だと思っていました。
「頓服薬」は飲み方を指す用語です。

「頓服」(とんぷく)
症状が出たときに薬を飲むこと。

「頓」=にわかに。急に。

「頓に」(とみに)
急に。にわかに。
・最近、とみに視力が落ちてきた。
・塾に通うようになって、とみに実力がついてきた。
とんに → とにに → とみに
と変化したようです。

「頓服薬」は発作時や症状が悪化した際に用いる薬です。
必要時に使用するタイプの薬としては、
<鎮痛薬>
<睡眠剤>
<制吐剤> 吐き気止め
<緩下剤> 便秘の時にだけ使用する便秘薬
<解熱剤>
<不整脈薬>
などがあります。
座薬、貼り薬、注射薬など、
飲み薬以外の投与方法の場合は、
「頓用」(とんよう)という言葉が一般的に使われます。









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2020年01月12日

「早い」と「速い」

いきなりですが、
以下の「はやい」はどっちの漢字でしょう?
・月日が経つのははやい
・メールより電話の方がはやい
・話しがはやい
・仕事がはやい
・進行がはやい
・回復がはやい
・乾きがはやい


「早い」と「速い」の違いを見ていきます。

「早い」
ある基準より時間・時期が前。
・起きるのが早い
・梅雨入りが早い
・早く終わらせる
・気が早い

「速い」
要する時間が短い。
一定時間に動く距離・働く量が大きい。
・川の流れが速い
・歩くのが速い
・決断が速い
・のみ込みが速い

「早」は時間的経過、
「速」はスピードの観点からで使い分けますが、
この原則にあてはまらない使用例も多くみられます。
・時が経つのは早い
・仕事が早い
・進行が早い
・手っ取り早い

「早」が使われているのは、
時間の経過の方に意識があるためと思われます。
「早い」は、物事を急いで行う場合にも用いられます。
早口・早わざ・早変わり・早合点・早撃ち・手早い・素早い

明らかに速度を表す場合を除き、
慣用として、多くは「早い」が使われています。
ただし、同じ「はやい」でも漢字で意味が変わる場合があります。
電車が速い---速度が速い
電車が早い---到着時刻がいつもより前

仕事が速い---仕事をするスピードが速い
仕事が早い
1、仕事の開始した時刻が早い
2、終わるのが期限よりも早い
多くは、“仕事ができる” 意で「早い」が使われています。

「速い」「早い」どちらも対義語は「遅い」です。
速い(fast) ⇔ 遅い(slow)
早い(early)⇔ 遅い/晩い(late)
最速−最遅(速度)
最早−最遅(時刻、時期)
早婚−晩婚、早春−晩秋


「最遅結合点時刻」「最早結合点時刻」という専門用語があります。
「最遅」(さいち)、「最早」(さいそう)と読みます。

「最遅結合点時刻」
工程管理の手法として用いられ、各結合点においてプロジェクトが計画通りに終了するための、最も遅く作業を開始できる日数のこと。


副詞「最早」(もはや)
・もはやこれまで









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2020年01月05日

甘い

「甘」という漢字は、
口の中に横線を引いて、
口に「もの」を含んでいる様子を表しています。

「甘い」の由来
甘い味は “美味” の意味で多く用いられたことや、
果実の甘い味を「うまし」と表していたことから、
「うまし」が転じて「あまし」になったと考えられます。

「うまい」(旨い/甘い)の由来
果実などが程よく熟れると甘美な味になるところから、
動詞「うむ(熟)」から派生したとされています。
東北北部の方言では砂糖の味を「うまい」と言う地域もあるそうです。

「おいしい」の語源はご承知のように、
“よい、好ましい、立派” の意の古語「いし(美し)」から。
「いし」の口語形「いしい」が室町時代に女房詞として
“味がよい” の意味で用いられるようになり、
その後、接頭語「お(御)」がついて一語化し、
近世になって広く使用されるようになりました。

「甘い」は、味覚以外にも様々な表現に使われています。
< 味覚以外の感覚 >
・バラの甘い香り
・甘い言葉で誘う
・甘いマスクの男

< 不十分 >
・ナイフの切れ味が少し甘い
・ねじが甘くなっている
・ピントが甘い
・撚りの甘い糸

< 手ぬるい >
・子供に甘い親
・甘い見通し
・脇が甘い

英語「sweet」
イタリア語「dolce」
中国語「甜」
甘いにマイナスの意味があるのは日本だけとのこと。
「甘んずる」「甘ったるい」という言葉もあります。

「甘んずる」
与えられたものをそのまま受け入れる。
しかたがないと思ってがまんする。

「甘える」
1、かわいがってもらおうとして、まとわりついたり物をねだったりする。
2、相手の好意によりかかる。

マイナスの意味が生まれたのは、希少だった甘さが、そうでもない時代になってきて、甘過ぎるのも良くないという意識が強くなってきたからでしょうか。


最近読んだ本に、
「足が強い」は “粘り気がある” 意。とありました。
そんな意味あった?

「足が強い」
1、船の速力が速い。
2、船が揺れにくい。
3、飲食物が長い日数腐らない。
4、餠にねばりけがある。

餅の粘りにも使うんですね。
食物が腐りやすいことを「足が早い」と言いますが、対義語が「足が強い」なんですね。


トッピング Toppingを日本語にすると「上置き」というのも新鮮でした。

「上置き」(うわおき)
1、タンスなどの上に置く、小さな戸棚や箱。
2、飯、雑煮の餅、うどん・そばなど、
主食となるものの上にのせる肉・魚・野菜など。
3、旅芝居などで、客寄せのために人気のある役者を一座に参加させること。
転じて、
有名人の名を借りて著作や組織の体裁をつくろうことにもいう。


「脂肪味」(しぼうみ)は耳慣れない言葉ですが、それもそのはず、最近の研究で明らかになった「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」に次ぐ “第6の味覚” です。











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2020年01月01日

2020年


新年 おめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。


2020ネズミweb版.jpg


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