2019年01月13日

どう違う?

◆「のける」と「どける」
「のける」(退ける/除ける)
ある範囲に入れないようにすること。
のけ者 = 仲間はずれ。

「どける」(退ける)
物理的に場所を移動させること。


◆「さける」と「よける」
「さける」(避ける)
望まないことを事前に知って接触しないようにすること。

「よける」(避ける/除ける)
物理的に対象物との接触を持たないようにすること。


◆「へとへと」と「くたくた」
「へとへと」
肉体的+精神的な疲労。

「くたくた」
元はピンと張りがあったものが張りがなくなった様。
物についても使えます。


◆「じとじと」と「じめじめ」
「じとじと」は空気に限らず、不快なほど湿気を含んでいる様子。
物について言います。
「じっとり」「じとっ」には、重さの感覚もあり、粘っこさも感じます。

「じめじめ」
物だけでなく、性格にも用います。


◆「あっさり」と「さっぱり」
「あっさり」
味付けが濃くない。

「さっぱり」
淡泊な中にも味の個性あり。
食べ物についてだけでなく、性格にも使えます。


◆「物足りない」と「物足らない」
どちらの言い方が正しの?
という質問がWebにありました。

「足りない」は「足りる」の否定、
「足らない」は「足る」の否定で、
「物足りない」が現代的表現、
「物足らない」は古典的表現と言えます。
「足りる」が使われるようになったのは江戸時代以降。
肯定の「足る」は話し言葉としてはあまり使われませんが、
・信頼するに足る
・足るを知る
などの表現で残っています。
否定形の「足らない」は話し言葉として今に使われています。









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2019年01月06日

「物臭」と「億劫」

物臭 > 横着 > 「億劫」へと繋がりました。
怠慢・怠惰・不精/無精・遊惰・
物臭・なまくら・ぐうたら・ずぼら・・
関連語を見ていたら、
「便々だらり」 という語がありました。
「のんべんだらり」と同じ意味です。

「便々だらり」 〔副詞〕
だらだらといたずらに時間を過ごすさま。

「のらりくらり」と言いますが、
「ぬらりくらい」「のんべんくらり」という語もありました。

さて、
“面倒くさい” 意に「おっくう」があります。
・雨が降っていて、外出するのがおっくうだわ
・このところ、何をするのもおっくうで・・
漢字を見て、
えっ! こんな字だったのと思いました。

「億劫」(おっくう)
物事に手をつけるのに気が進まず、めんどうくさいこと。

億劫の読みは「おくこう」でしたが、
促音化して「おっこう」になり、
転じて「おっくう」となりました。
元々は仏教語で “永遠” という意味です。
「億劫」「未来永劫」の「劫」は、
仏語で “きわめて長い時間” のこと。
古代インドにおける時間の単位のうち、最長のもの。
具体的な長さは諸説ありますが、
例えば 「1劫」とは、
100年に一度、天女が岩山の上へ舞い降りて
羽衣でその表面をなでて、
ついにその岩がすりへって消滅するまでの時間。
「億劫」はその「劫」の億倍ですから、ほぼ永遠ですね。

時間が長くかかるため、やりきれない。
時間がかかることは面倒くさい。
→ 面倒くさい

途方も無い時間に思いをはせた語の行きついた先が、
「面倒くさい」とは、落差がありすぎ。
「物臭」と「億劫」、同じ意味とは思えない漢字の並びですね。

落語の「寿限無」に「五劫」が出てきます。
和尚さんに縁起のいい名前を幾つか教えてもらいますが、
どれか一つを選べなくて全部付けてしまい、
名前が長くなったというお話し。

* *
寿限無、寿限無 (じゅげむ、じゅげむ)
五劫の擦り切れ (ごこうのすりきれ)
海砂利水魚の (かいじゃりすいぎょの)
水行末 雲来末 風来末
(すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ)
食う寝る処に住む処(くうねるところにすむところ)
藪ら柑子の藪柑子(やぶらこうじのぶらこうじ)
・・・・・
* *

「五劫の擦り切れ」
法蔵菩薩(阿弥陀仏が仏になる前の姿)が
全ての人が救われるためにどうすればいいんだ
と五劫の間 考え続けて修行したことを言っています。

「海砂利水魚」
海砂利は海の砂、水魚は海の魚。
捕っても捕っても捕りつくせないというところが、
果てしが無くておめでたい。

「水行末」「雲来末」「風来末」
水の行く末、雲の行く末、風の行く末。
どこまで追っかけても果てしがないところがおめでたい。

「藪柑子」(やぶこうじ)
春 若葉を生じ、夏 花が咲き、秋に赤い実を付けて、
冬に霜をしのぐ、まことにおめでたい木。


おめでたいと思う視点が日本的ですね。










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2019年01月01日

謹賀新年

2019あけおめWeb.jpg
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2018年12月30日

横着(おうちゃく)

<名詞>
すべきことを怠けてしないこと。
できるだけ楽をしてすまそうとすること。
・横着を決め込む
・横着な態度

<形容動詞>
1、すべきことを怠けてしないさま。
2、ずうずうしいこと。ずるいこと。

「横着」も “横に着る” で、
どうしてこんな意味になるの?って思いました。

以前にも「横」を取り上げましたが、
「横」には “よこ” という意味の他に、
“よこしま” “ほしいまま”“ わがまま”というネガティブな意味があります。

横柄・横暴・横領・横行・横奪・
横流し・横取り・横しま・
横を言う・横紙破り・
横槍を入れる・横車を押す・

おもしろいことに、
「横」「縦」ともに、
“ほしいまま” という意味を持ちます。
ただ、ニュアンスは違います。
「横」は “強引な” “乱暴な” “無理矢理な”
といった意味合いが含まれますが、
「縦」は “ゆるい” “だらしない” “ほったらかし”
といったニュアンスです。

「着」は、
“身につける” “到着する” という意味の他に、
“くっつく” “くっついて離れない”という意味もあります。
接着・密着・着色
心の状態を表す場合は、
“とらわれる” という意味になります。
執着・愛着

「横着」を字義通りに解釈すると
“身勝手な心にとらわれている状態”という解説があり、なるほどと思いました。

私は今回初めて「横着」に “ずうずうしい” や “ずるい” という意味があることを知りました。

「横」
1、よこ。よこにする。よこになる。
2、ほしいまま。かって気まま。
3、普通でない。
横死
4、あふれ出る。
横溢。横流

「縦」
1、たて
2、思う存分にする。ほしいまま。

「横流」(おうりゅう)は横に流れるではなく、
あふれ流れること。勝手な方向に流れ出ること。

「横しま」の語源は「横さま」が転じたものとされています。
「横さま」は、横になっているさま(様子)。

「邪/横しま」(よこしま)
正しくないこと。道に外れていること。

「よこしま」は「邪」とも書きます。
「邪」は、元々 “正しくない” という意味を表す漢字で、
これが日本語の「よこしま」と結びついて、
1字で「よこしま」と訓読みするようになりました。










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2018年12月23日

物臭い(ものぐさい)

[形容詞]
古くは「ものくさい」
1、おっくうで気が進まない。めんどうである。
・物臭いようすで机に向かう
2、気分がすぐれない。からだのぐあいが悪い。
3、なんとなく怪しい。

「ものぐさい」という形容詞があったんですね。
「ものぐさ」は馴染みの語です。

「物臭」(ものぐさ)[名詞・形容動詞]
古くは「ものくさ」
めんどうがること。無精。
・物臭をする
・物臭な態度

物臭(ものぐさ)は「物臭し」が縮まったもののようです。

「物」には “モノ” という意味のほかに、
接頭語としての「物」があります。
“なんとなく・・” といった様子を表し、
明確な理由がないときに使います。
もの悲しい、もの寂しい、もの憂い、もの静か、
もの珍しい、もの思い、もの怖じ、
もの心、もの知り、もの好き、もの凄い

「臭」は 「自」+「大」に分解できますが、
「自」は人の鼻を描いた象形文字で、“鼻” の意。
「自分は」という時、自分の鼻を指すことから、
「自」が “自分” を表すようになりました。
「大」は「犬」の略。
「鼻」+「犬」→ よく鼻でニオイを嗅ぐ犬。
「臭」は 元は “ニオイをかぐ” 意でしたが、
“ニオイ” という名詞として使われたため、
「嗅」が “かぐ” という動詞の漢字として使い分けられるようになりました。

「臭い」(くさい)は、
動詞「腐る」「朽ちる」の形容詞化した語。
元々は腐敗臭のことでした。
悪臭が転じて、“怪しい” “変だ” “疑わしい”
というような意味でも使われるようになりました。

「物」と「臭」から “めんどうがること” になることが解せませんでしたが、以下のような流れでしょうか。
いやな臭いがして気分が悪い

何となくいやな気分がする

気分が乗らない

面倒くさい


「臭い」(くさい)[形容詞]
1、嫌なニオイがある。
2、疑わしい様子である。怪しい。
3、せりふの言い方や動作が大げさすぎてわざとらしい。

他にも、接尾語としての「〇〇くさい」があります。
“・・のような様子である”
“・・めいている”

どん(鈍)くさい、のろくさい、
ケチくさい、貧乏くさい、
分別くさい、インテリくさい、
青くさい、乳くさい、
古くさい、年寄りくさい、
水くさい、照れくさい、
面倒くさい、じゃまくさい
辛気くさい、陰気くさい、
胡散くさい、嘘くさい

「物」(もの)は接頭語、
「臭」(くさい)は接尾語として言葉を作っていました。








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