2009年11月30日

がましい

「がましい」って?!
接尾語です。
これだけ切り取ると何だか古代生物の名前みたいですね。
前回に続いて、接尾語を取り上げてみました。

「〜がましい」
名詞・副詞や動詞の連用形などに付いて形容詞をつくり、
“---のきらいがある”“---の傾向がある”という意味を表します。

さて、どんな「がましい」が思い浮かびますか?
・おこがましい
・差し出がましい
・未練がましい
・恩着せがましい
・言い訳がましい
・押付けがましい
・恨みがましい
・催促がましい
・勝手がましい
・自由がましい
・晴れがましい

最後の「晴れがましい」以外、非難するものばかりですね。

「おこがましい」に関しては、2通りの使い方があります。
1、“生意気、出しゃばりすぎ”という非難
・自分のことは棚にあげて、そんなことを言うとはおこがましい
2、“思い上がっているようで気恥ずかしい”という謙虚な気持ち
・先輩を差し置いて、大変おこがましいのですが・・

「おこがましい」は、
1、身の程をわきまえない。差し出がましい。なまいきだ。
2、いかにもばかばかしい。ばかげている。
原義は2の“ばかげている”という意味でした。
中国から入ってきた“愚かな事”を意味する「おこ」という言葉に、接尾語「がましい」が組み合わさって出来た言葉です。

辞書に「痴がる」(おこがる)という動詞がありました。
ばからしいと思う。愚かだと思う。
「おこがましい」も漢字にすると「痴がましい」です。




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2009年11月29日

徹宵(てっしょう)

夜どおし起きていること。徹夜。
夜どおし。一晩中。

「徹夜」はよく聞かれますが、「徹宵」は耳にしたことがありませんでした。
Webで検索してみると、
徹宵座禅、徹宵念仏、徹宵警戒、徹宵交渉、節分徹宵星祭、
などの語が出てきましたが、日常での使用はあまりないようです。

“夜通し・一晩中”という意味では、
他にもいろんな言葉があることを知りました。
「通宵」(つうしょう)
「夜一夜」(よひとよ)
「終夜」(しゅうや)
「小夜すがら」(さよすがら)
「夜すがら」(よすがら)
「夜もすがら」(よもすがら)

この「すがら」は 接尾語で、
“始めから終わりまで”“・・の間ずっと”という意味を表します。
他にも、「道」「身」に付く表現があります。

「道すがら」
道を行きながら。道の途中で

「身すがら」
1、所持品らしいものを何も持たないこと。身一つ。
2、独身で係累のないこと。

ところで、
「終始」と「始終」の意味の違いは何でしょう。
共通の意味は、
“物事の始めと終わり”
“始めから終わりまで全部”

違いは、

「終始」(しゅうし)
1、同じ態度・状態・内容などが、始めから終わりまで続くこと。
・自己弁護に終始する答弁
・終始一貫して反対し続ける

「始終」(しじゅう)
名詞>
1、始めから終わりまで態度・状態などを変えないで通すこと。
また、変わらないで同一になること。
2、最後。結末
副詞>
1、絶えず。いつも。しょっちゅう。
・始終監視されている
2、終わりには。結局は。

副詞的用法「始終」の“絶えず”という意味に大きな違いを見ますが、他は似ていますね。

「一部始終」という慣用句がありますが、
この「一部」は、“一部分”いうことではなくて、
“書物や新聞などのひとまとまり。書物の一冊”
という意味です。





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2009年11月23日

身につまされる

「つまされる」ってどういう漢字が当てられているんだろうと思って、goo辞書を見てみました。
すると、
「つまされる」で、
漢字表記はありませんでした。
意味は、
1、情にひかれて、心が感動する。
・親子の愛情につまされて、許す気になる
2、自分の身の上にくらべて、しみじみ哀れに感じられる。
・身につまされる

ここで、2の意味に「ん??」
そういう意味だったの。私、勘違いしてた?・・・。

他の辞書をあたってみると、
デジタル大辞泉では、
「身につまされる」
他人の不幸などが、自分の境遇・立場と思い合わさって切実に感じられる。

広辞苑
人ごとでなく感じられて、哀れに思われる。

私はこちらの意味だと思っていました。

ただ、goo辞書も、
「身」で引くと、
・身が入る
・身が持たない
・身から出た錆
・身に余る
・身に覚えがある
などの並びにある、
「身につまされる」は、
他人の不幸などが我が事のように思われる。
とあります。

Webで検索してみると、辞書によって「身につまされる」の解釈が分かれていることを取り上げた記述がありました。
辞書でさえも意味が分かれているのはやっかいですね。
どちらの意味が優勢か調査してもらいところです。
私としては、
「身につまされる」は“人の不幸、苦しみなどを、自分の身の上に起こったことのように悲しく感じる”と言う意味でよいかと思っています。





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2009年11月22日

篤志家(とくしか)

篤志のある人。
特に、社会奉仕・慈善事業などを熱心に実行・支援する人。

「篤志」とは、
志のあついこと。
特に、社会事業や公共の福祉などに熱心に協力すること。

「篤農家」は、
熱心で、研究心に富んだ農業家。

「篤」は“あつい”“あつくする”という意味です。
“あつい”も「厚い」「暑い」「熱い」とありますが、
「厚い」に置き換えられます。
「薄い」の対義語の「厚い」=「篤」なのが意外でした。

「厚」は“かたい岩”の意で、
“てあつい”などの意味も含んでいます。
一方、
「篤」は“馬の歩みののろい”が原意で、
“気持ちが深い”“病気が重い”という意味です。
“馬がのろい”から“病気が重い”は連想できますが、“気持ちが深い”はどういう道筋で生まれたんでしょうね。
その辺の解説は見つかりませんでした。

「篤」の付く熟語は、「危篤」「重篤」がすぐ思い出せます。
他には、
「篤信」(とくしん)
信仰があついこと。

「篤学」(とくがく)
学問に熱心なこと。また、広く学識があること。

「篤志解剖」(とくしかいぼう)
献体による解剖のこと。

「献体」(けんたい)とは、
死後、自分の身体を大学などの解剖実習用に提供すること。

財団法人 日本篤志献体協会というものの存在を知りました。




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2009年11月15日

多とする(たとする)

この表現も知りませんでした。
最初、私は辞書を見ても意味がよくつかめなかったので、3つの辞書の説明と例文を並べてみました。

●ほめる。ありがたく感謝する
●価値の高いものと認める。ありがたく思う。
●労力や好意が普通以上である。ねぎらいや感謝の気持ちで使う。

使用例を見たほうがわかりやすいかもしれません
・永年の好意を多とする
・関係諸氏の労苦を多とするものである
・チームの努力を多としたい
・委員会の協力を多としたい
・鳩山演説の志を多としたい
・小沢代表の姿勢を多としたい。

「多」の対義語は「少」「寡」
「多少」(たしょう)
名詞>数量の多いことと少ないこと。
副詞>いくらか。すこし。

「多寡」(たか)
多いことと少ないこと。多いか少ないか。

以前「多寡」は取り上げましたが、
「寡」は “分かれて住むひとり者”の意で、
対義語は「多」「衆」
「衆寡」(しゅうか)という熟語があります。
「衆多」は「多数」と同じ意味です。

「多少」と「多寡」の使い分けが気になりましたが、明快な説明が見つかりませんでした。

最後に「多」のつく四文字熟語を2つ。

「多事多端」(たじたたん)
1、仕事が多く、多忙なこと。
2、出来事が多く、安らかでないこと。

「多岐亡羊」(たきぼうよう)
枝道が多いため逃げた羊を見失うという意。
学問の道が多方面になりすぎて、容易に真理を得がたいこと。
また、道がたくさんあってどれを選んだらよいのか思案にあまること。
岐路亡羊。



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趨勢(すうせい)

ある方向へと動く勢い。社会などの、全体の流れ。
類義語は「動向」「傾向」

「時代の趨勢」などとよく聞く言葉ですが、
「趨」の意味を調べたことはありませんでした。

「趨」
スウ・シュ
1、はしる(走)
2、おもむく(赴)
3、なりゆき

「趨向」(すうこう)
物事がある方向へ向かっていること。なりゆき。

旁の「芻」のつく漢字は4つありました。
趨・皺・雛・■(表示不可)
「皺」は“しわ”
「雛」は“ひな・ひよこ”
■は中国の国名。

「芻」による共通項を何も見出せませんでした。
それでは、「芻」自体の意味は何かと思いました。
「芻」
ス・スウ・シュウ・まぐさ
思わぬ“まぐさ”が出てきました。

手を広げて草(艸)を集め取る様子から草刈り。
転じて、まぐさ。
「まぐさ」とは“牛や馬の飼料にする草。かいば”
「秣/馬草」(まぐさ)=飼い葉(かいば)=芻=芻草(すうそう)

「芻」の付く熟語に、「反芻」がありますが、今頃なるほどと納得しました。
「反芻」(はんすう)
1、一度飲み下した食物を口の中に戻し、噛み直して再びのみこむこと。
2、ことばや思考などを繰り返し考え、よく噛み締めて味わうこと。

さて「趨勢」に戻りますと、
古川元久内閣府副大臣の最近の発言に、
「長期金利が趨勢的に上がらないよう注意しなければならない」というのがありました。
私には「趨勢的」という表現が目新しかったのですが、
・趨勢的傾向
・趨勢的側面
・趨勢的な動き
・趨勢的増加
けっこう使われている表現なんですね。

また「趨勢法」という言葉もありました。
「趨勢法」(指数法)
ある年度の財務データを100として、その後の年度の同項目の財務データを百分比で示すこと。
複数年度の数値の推移を見て、経営成績や財政状態の変化をつかむ財務分析法の一つ。







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2009年11月08日

「任せる」と「委ねる」

「任せる」と「委ねる」の違いはなんだろうと思いました。
辞書を見ると、

「任せる/委せる」(まかせる)
1、仕事などを他にゆだね、その自由にさせる。
・子どもの自主性に任せる
2、相手の好きなようにさせる。
・運を天に任せる
3、そのままにしておく。ほうっておく。
・成り行きに任せる
4、自然の勢いのままにする。
・足に任せて歩く
5、従う。

「委ねる」(ゆだねる)
1、処置などを人にまかせる。また、すべてをまかせる。
・全権を委ねる
2、すべてをささげる。
・政治に身を委ねる

それぞれが持つ意味の広がりに違いはありますが、
「まかせる」はそもそも「任」「委」どちらの字も当てられていますし、1の意味においてはどちらも“ゆだねる”“まかせる”と言葉が重なっています。
違いを発見したかったのですが、ほぼ同じ意味のようです。
個人的には、比べると「任せる」の方にやや重圧を感じます。

この二つの漢字が合体したのが、
「委任」(いにん)
ある物事の処理を他の人にまかせること。
似た意味に、
「委託」(いたく)があります。
自分の代わりを人に頼みゆだねること。

この意味の説明から「委任」と「委託」の違いは認められませんが、法律用語としての使い方には区別があります。
他人にものを頼むことが「委託」で、
法律行為を頼めば「委任」になります。
そして、委託契約には「委任契約」と「請負契約」があります。
「委任契約」は、行為(作業や事務)に対して報酬を支払い、
「請負契約」は、行為の成果に対して報酬を支払います。
「委任」の場合は、業務の遂行責任を負うというもので、必ずしも結果が目的ではありません。
「請負」の場合は、いくら労務を提供しても仕事が完成しなければ報酬は得られません。




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2009年11月07日

早急(さっきゅう/そうきゅう)

非常に急ぐこと。至急。

先週、政治家の発言で「さっきゅうに」という言葉が耳に入ってきました。
そういえば「さっきゅう」という言い方があったことを思い出しました。
「早急」
でも、普段「そうきゅう」と使っているような・・・。
・早急な対応を望む
いったいどちらの言い方が正しいのだろうという疑問が湧いてきました。
これもまた移行期にある言葉なのか。

Webで調べてみると、
「早急」の読み方に関しては、いろいろな説があることがわかりました。
1>
もともと「さうきふ」からきた言葉で「そうきゅう」が正しく、
「早速」などの影響から「さっきゅう」が後で生まれたという説。
2>
もともとは「さっきゅう」で、「早朝」などの影響から「そうきゅう」が後で生まれたという説。
どちらの説も決定的ではないようです。
放送局によっても読み方は異なっていて、
民放各社が<1>の見解をとって「そうきゅう」を使い、
NHKが<2>の見解をとって「さっきゅう」としているそうです。

「早」の読みは、
ソウ・サッ・はや-い
難しい読みには、
早乙女(さおとめ)、早苗(さなえ)、早生(わせ)、早稲(わせ)

「早」には“夜明け”“朝”という意味があります。
対義語は「晩」
ちょっとおもいつきませんでした。
早---晩
速---遅

「早晩」(そうばん)
名詞)早いことと遅いこと。また、朝と夕。
副詞)おそかれはやかれ。いずれ。




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2009年11月01日

あり得る(ありうる)

起こる可能性がある。当然考えられる。

・あり○るよね
・あり○る気がする
・あり○るんじゃない
私はよく「う」と「え」の間で舌が迷うことがあり、
常々「ありうる」って言い回しずらいなーと思っていたんです。
今回調べてみると、苦手な文法の話しが全面に出てきて理解に苦しみましたが、そのあたりの事情がわかりました。

元々、古語に「あり得」(ありう)という語がありました。
意味は“生きていることができる”
それが「ありうる」に変化し、口語として定着したものです。
一方、単体で使う「得る」は、
元々古語の「得」(う)という言葉で、
それが「うる」と「える」の二つに変化しました。
今では「える」の方が一般的になっています。

「ありうる」は文語の「うる」の活用が残ったものです。

以下に活用を並べてみます。
■文語「うる」(下二段活用)
ありえ(ず)---ありえ(たり)---ありう---ありうる(こと)---ありうれ(ども---ありえよ
■口語「える」(下一段活用)
ありえ(ない)---ありえ(ます)---ありえる---ありえる(こと)---ありえれ(ば)---ありえよ

●現状の「ある得る」の活用
ありえ(ない)---ありえ(ます)---ありうる---ありうる(こと)---ありえれ(ば)---ありえろ

否定形が「ありえない」なので、「ありえる」と誤読する人も多く、「ありえる」派の勢力は増しているようす。
語の自然な活用からも、そのうち「ありえる」に移っていくような気がします。
NHKでも単体で「得る」を使う時は「える」と言うようになっているそうです。
・職を得る(える)
・知識を得る(える)




posted by 空凛 at 19:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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