2009年12月28日

寿ぐ/言祝ぐ(ことほぐ)

喜びや祝いの言葉を述べる。言葉で祝福する。
・新年を寿ぐ
・春の訪れを寿ぐ
・初春を寿ぐ
・古希を寿ぐ

「寿ぐ」−「ことほぐ」読めませんでした。
とても雅な言葉ですね。
「ことほぐ」と口にできる人は、きっと品格もある人でしょう。

年賀状に使われる語には、
賀正・迎春・賀春・慶春・吉春・寿春・頌春・
謹賀新年・恭賀新年・・
他にもあるでしょうか。
「吉春」「寿春」「頌春」は知りませんでした。

「吉春」は「きっしゅん」と読みます。
「寿春」(じゅしゅん)が“春をことほぐ”です。
「賀正」の「正」は正月のこと。
「賀」は、喜ぶ。祝う。
賀宴・賀詞・賀状・慶賀・参賀・祝賀・年賀
「頌春」(しょうしゅん)の「頌」は、人の徳や功績などをほめたたえる意。
頌歌・頌辞・頌詞・頌徳・頌寿・賀頌
「頌」の熟語はほとんど変換もできず、目にすることもありませんね。

ところで、
「寿」「福」「賀正」「迎春」「賀春」「頌春」など、
1文字や2文字の賀詞は敬意の表現が省略されたものなので、目上の方や改まった相手には避けるたほうがいいってこと、ご存知でした?

目上の方や会社の上司・社用の年賀状には
・謹んで年頭のご祝詞を申し上げます
・謹んで年始のご挨拶を申し述べます
・謹んで新春のご祝詞を申し上げます
・新春のお喜びを申し上げます
・「謹賀新年」「恭賀新年」など4文字賀詞

私はこの年までそんな年賀状のマナー知りませんでした。
たぶんそんなマナーを気にしている人は多くはいないと思いますけど。



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2009年12月27日

参詣(さんけい)

お正月は普段、無宗教な日々を送っている人も、
神仏にお参りしたり、日本の伝統を思い出したりする時ですね。
そこで日頃あまり省みない神仏まわりの言葉を集めてみました。

「参詣」(さんけい)
神社やお寺にお参りすること。

「大師」(だいし)
1、仏・菩薩(ぼさつ)の尊称。
2、朝廷から高僧に対して贈られる称号。
3、高徳の僧の敬称。
4、仏・菩薩や高僧をまつってあるところ。大師様。
また、弘法大師(空海)のこと。

「本尊」(ほんぞん)
寺院などで、礼拝の対象として安置される最も主要な仏・菩薩像。

「方丈」(ほうじょう)
インドの維摩居士の居室が一丈(約3m)四方であったという故事から、
寺の住職の居室。また住職の俗称。

「道祖神」(どうそじん/どうそしん)
外来の悪霊をさえぎる路傍の神。
辻・村境・峠などに主に石碑や石像の形態で祀られ、
村の守り神、子孫繁栄、近世では旅や交通安全の神として信仰される。
道陸神(どうろくじん),さえ(塞・幸)の神とも。

「お賽銭」(おさいせん)
供物としての意味と個人の罪穢(ざいえ)を祓(はら)い清める意味とをもつ。
鶴岡八幡宮に賽銭箱が置かれたのは天文年間(1532年―1555年)ということで、お賽銭の風習は16世紀半ばごろからのものと考えられるようです。

年末年始は改まった挨拶をすることも多いと思います。
かしこまった表現にも慣れたいものです。

お心添え・お骨折り・ご好意・ご厚意・ご厚誼・ご厚志・
ご厚情・ご斟酌・ご親切・ご芳志・ご芳情・お気遣い・
お心配り・ご高配・ご考慮・ご配慮




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2009年12月23日

「一品」と「逸品」

「いっぴん」には、「一品」と「逸品」があります。

「一品」
1、一つの品。ひとしな。
2、最もすぐれたもの。絶品。逸品。

「逸品」
この上もなくすぐれた品物や作品。絶品。一品。

「一品」にも「逸品」の意味があったことを確認しました。
そういえば「天下一品」という言葉もありました。
他に比べるものがないほどすぐれていること。

「品」は、
物をあらわす口を3つ並べて、物の区別・多くのものの意で、
“しなもの”“性質”という意味を持ちます。

すぐれた物という意味を表す言葉を探してみると、、
一品・逸品・絶品・名品・良品・佳品・別品・極上品---
「別品」にもそういう意味があったんです。

「別品」(べっぴん)
1、特別によい品。
2、別嬪に同じ。

「別品」は、本来は品物をさす言葉でしたが、優れた人物も意味するようになり、やがて女性の容姿をさす言葉に。
それとともに高貴な女性を意味する「賓」が当てられ「別嬪」と書かれるようになりました。
言葉の始まりは、
江戸時代、吉田の宿の鰻屋が看板に「頗る(すこぶる)別品」と書いて出したところから美味の意味で使われるようになったということです。
吉田の宿は今の愛知県豊橋市。

最近では、すぐれた物としての「別品」はほとんど見聞きしませんし、「別嬪だねー」なんて言うおやじさんも見かけなくなり「別嬪」も消えかけているように思います。




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2009年12月20日

鑑みる(かんがみる)

先例に照らして考える。他とくらべあわせて考える。

「かんがみる」 は「かがみる」が転じたもの。
「かがみる」は 「鏡」(かがみ)が動詞化した語。
「鑑」は「鏡」という意味を持っていました。

「鑑」
カン・かがみ・かんが-みる
1、かがみ
2、かんがみる。手本とする。
3、見る。めききする。

鑑みるの使用例を検索していて、
鑑みるの使い方に疑問を投げかけているページを目にしました。
以下の3通りの使い方をどう思われますか?
A、わが国が成し遂げた進歩を鑑みるに---
B、重要性を鑑み---
C、紛争が絶えない現状に鑑みると---

「鑑みる」は“何かに照らして考える”意なので、
C の「〜に鑑みる」という言い方が正しく、A・B は違うのではないか。
「 〜に鑑みる」「〜を鑑みる」?
結論としましては、
「かんがみる」と読むのなら「鑑みる」と書き、「〜に鑑みる」と使う。
「かがみる」と読むのなら「鑑る」と書き、「〜を鑑る」と使う。

私は「に」でも「を」でも違和感を感じなかったので、無自覚に使っていたんですね。

最後に、
「鑑」と同じく鏡の意味をもつ「監」についても見てみましょう。

「監」
カン・ケン・かんが-みる
水を入れたタライと大きな目を合わせて、人が水鏡を見る意。
1、みる。みはる。
2、とりしまる
3、ろうや
4、かんがみる
5、かがみ。てほん。
6、おさ。かしら。

「鑑」「監」それぞれの熟語を並べてみると、
鑑識・鑑別・鑑定・印鑑・図鑑・鑑賞
監禁・監獄・監視・観察・監査・監修・監督

「監」は取り締まる関係の熟語が多いですね。



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2009年12月13日

心頭(しんとう)

心。心の中。

「怒り心頭に発する」(いかりしんとうにはっする)
激怒すること。

これを多くの人が「達する」と誤用しているということで、あちこちで取り上げられていましたね。
その後は、だいぶ認識度があがったのではないでしょうか。
今回は「発する」ではなく、「心頭」に注目したいと思います。

私は、「心頭」をそのまま“心と頭”と思っていました。
誤用が多いのも私のように「頭」が残って「頭に来た」というイメージを持ってしまうからではないでしょうか。
正しくは、心に怒りが発生したのでした。

「頭」には、
“その付近”“ほとり”という意味があり、
心頭・駅頭・街頭・店頭・路頭・枕頭(ちんとう)などがそうです。

確かに「あたま」では意味が通じませんね。
「ほとり」は「辺/畔」と書きます。
“きわ・ふち・端・境界”を意味します。
尚、
路頭=路傍(ろぼう)=道端(みちばた)=路辺(ろへん)=道のほとり


「心頭を滅却すれば火も亦涼し」という表現もありますね。
(しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし)
無念無想の境地にあれば、どんな苦痛も苦痛と感じない。

“心の中”という意味に、
「胸臆」(きょうおく)・胸襟(きょうきん)があります。
・胸臆を開く
・胸襟を開く
・胸臆に納める

納めるところは胸や腹がありまして、
・胸に納める
・腹に納める
・胸に畳む
・胸三寸(むねさんずん)に納める
・胸三寸に畳む

なかなか心中を打ち明けることのできる環境も少ないかとお察しします。



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2009年12月12日

閑却(かんきゃく)

いいかげんにしておくこと。

日常ではあまり使われない熟語ですが、それぞれの漢字は頻出のものです。
でも知っている漢字の意味から熟語の意味を導き出せません。
またまた知らない漢字の意味が出てきそうです。

「閑」
カン・ひま・しずか
1、用事がないとき。ひま。
閑暇・寸閑・繁閑・有閑
2、実用的でない。むだ。
閑事業・閑文字
3、のんびりと落ち着く。ひっそりと静か。
閑居・閑散・閑寂・閑静・閑談・安閑・森閑・清閑
4、どうでもよい。いいかげん。
閑却・等閑

「却」
キャク・しりぞ-く
1、しりぞく。
退却
2、差し出したものを引っこませる。しりぞける。
却下・棄却
3、除き去る。
消却・焼却・脱却・売却・返却
4、返す。
返却・償却
5、すっかり----してしまう。
閑却・困却・忘却・冷却

閑却は、
「閑」=“いいかげん”
「却」=“してしまう”という成り立ちでした。
“すっかり----してしまう”という「却」の意味が発見でした。
実は、以前「等閑視」を取り上げた時に、「閑却」も学んだはずなのですが、すっかり忘却の彼方でした。

「等閑視」(とうかんし)
いいかげんに扱って、放っておくこと。なおざりにすること。
似た言葉に、
「看過」(かんか)
あることを目にしていながら、そのままほうっておくこと。見逃すこと。
「蔑ろ」(ないがしろ)
軽んずること。無視すること。

それでは、「閑却」の使用例を見てみましょう。
・生と死との最大問題を閑却する(漱石)
・被害者の人権については、殆んど閑却されている
・長く閑却するべき性質のものではない
・使命を閑却することのない弁護士
・人間の本質、徳性を閑却したことだ
・インドの重要性を閑却すべきでない




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2009年12月06日

えぐ味(えぐみ)

あくが強く、喉や舌を刺激するような好ましくない味のこと。
たけのこ、ふきのとう、山菜などに感じる渋いような味です。

「灰汁」(あく)は、食品に含まれる、渋み・苦み・不快な臭いなどの元となる成分。

「えぐ味」「渋味」「苦味」の違いを成分から見てみると、
●えぐ味
「ホモゲンチジン酸」という物質と「シュウ酸」 及び その化合物が主体。
●渋味
「タンニン」という物質が主体となっています。
●苦味
糖と結合した配糖体の形で存在する物質と、「アルカロイド」が主体。
この他「カルシウム」や「マグネシウム」などの無機塩が苦味をもっています。

えぐみ成分のシュウ酸はカルシウムと結合すると結石をつくります。

えぐ味を調べていて、説明の中に「収斂味」という言葉が出てきました。
「収斂味」(しゅうれんみ)
渋みともいう。味覚神経を収れんさせることによる刺激で、いわゆる味ではない。 「収斂」は縮むこと。

「収斂味」という表現は馴染みがありませんが、渋柿を食べた後のしびれたような感覚といえばすぐわかります。
苦味が過ぎると渋くなるか、あるいは舌が収縮するような感じになります。
練り歯磨きやマウスウオッシュなどには、歯茎が締まるような感じを出すために収斂味が入れられているとのこと。
そんな利用があるとは!

食生活が変わってきて「えぐ味」という言葉も聞かなくなりましたが、「えぐ味」「渋味」「苦味」をまったく排除してしまったら、味の深さ・おもしろさもなくなる気がします。




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2009年12月05日

賦存 (ふぞん)

資源などが潜在的に存在する様子。

「賦存」も目にしたことことないなーと思って調べましたら、新語でした。
入力しても変換できません。
ごく最近の言葉なのかと思いきや、1986の文献にはもう登場しています。

「理論的に算出しうる潜在的な資源量」が賦存量です。
理論上、最大限利用可能な量と言い換えられます。
ちなみに、
水資源の賦存量は、
(降水量−蒸発によって失われる量)×面積
一人当たり水資源賦存量は、
世界平均--- 約 8,600m3/人・年に対して、
日本------- 約 3,200m3/人・年
日本は水に恵まれているというイメージがありますが、利用可能な水資源は少ないんですね。
意外でした。
日本は地形が急峻で河川が短く、雨は梅雨・台風期に集中するため、かなりの部分が洪水となり、水資源として利用されないまま海に流出するのだそうです。

「賦存」で検索すると、
・メタンガスの賦存量
・バイオマス賦存
・新エネルギー賦存
・森林資源賦存量
・メタンハイドレート賦存堆積土
・温泉源賦存状況調査
・海底熱水鉱床賦存状況
・歴史遺産の賦存状況

資源問題は今後ますますクローズアップされてくると思いますので、「賦存」という言葉も認知度が高まりそうです。

さて、最後に賦存の「賦」について、
「賦」の読みは「フ」のみ。
人民に割り当てるみつぎ物の意。
1、税を取り立てる。賦役
2、割り当てる。賦課・割賦
3、授け与える。賦与・天賦
4、詩歌を作る。詩歌。賦詠
5、古代中国で、韻文の一体。

4・5の意味は初めて知りました。
「賦存」は“自然に与えられて存在する”という成り立ちだと理解しました。



posted by 空凛 at 16:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする