2010年02月27日

杓子定規(しゃくじょうぎ)

規則や形式などにとらわれて応用や融通のきかないこと。

現在「杓子」という呼び方をしなくなったので、
そもそも「杓子」が何かということからはじめます。

「杓子」(しゃくし)
飯・汁などをすくう皿形の部分に、柄がつけてある道具。

現在は、ご飯用は「しゃもじ」、お汁用は「おたま」と使い分けていますね。

「しゃもじ」の語源は、
「杓子」の頭字「しゃ」に接尾語「もじ」が付いた女房言葉(にょうぼうことば)です。
本来「杓子」は飯・汁をよそうものですが、
しだいに米飯をよそうものを「飯杓子」(めしじゃくし)、
汁用を「お玉杓子」と使い分けました。
その後、飯用のものを「しゃもじ」というようにりました。
ちなみに、
カエルの子の「おたまじゃくし」の語源もここからきているとのこと。

さて、その「杓子」の柄は、古くはたいてい曲がっていました。
その曲がっている柄を「定規」代わりに使うということで、
誤った基準でものをはかろうとすることをいい、
転じて、融通のきかないやり方や態度をいうようになりました。

「杓子定規」って、曲がった柄を定規に使うことからきていたんですね。

ところで、
「曲尺」は、なんと読むでしょう?


「かねじゃく」と読みます。
主に大工さんが使う金属のL字型モノサシです。
金属でできていますが、「金尺」ではないんですね。
曲がった尺。

「かねじゃく」は「矩尺」とも書きます。

「矩」
1、曲尺に同じ。さしがね。
2、のり(法則)。きまり。
3、四角。

矩形(くけい)は“長方形”のことです。

杓子定規に似た意味に「四角四面」がありますが、こちらは真四角=正方形のことです。







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2010年02月20日

動意(どうい)

停滞し、ほとんど動きを見せなかった相場が、少しずつ上昇または下落する気配を見せること。
多くの場合は、上昇に向いたときに言う。

「動意」はマーケット情報で時々耳にすることがあり、面白い表現だなと思っていましたが、株の用語だとは知りませんでした。
以下のような、独特の言い方があります。
・株価が動く気配を示すことを「動意づく」
・横ばいだった相場が少しずつ上昇しはじめることを「動意をみせる」
・動き出そうとする気配が感じられることを「動意含み」
・動き出そうとする気配が見受けられないことを「動意薄」
といいます。

使い方としては、
・全体的に動意が乏しい
・景気の先駆けて動意を示す先行指標
・動意に欠けるマーケット
・動意銘柄

「○意」となる熟語はとんでもなく豊富にあります。

敬意・好意・善意・誠意・懇意・
民意・衆意・総意・合意・隔意・
悪意・敵意・殺意・故意・犯意・叛意・邪意・
辞意・留意・来意・翻意・
任意・随意・作意・創意・
注意・用意・失意・得意・不意・一意・
本意・真意・大意・鋭意・寸意・客意・

「意」は、広く心の働きに用いる語ですが、
自然の様子を表わすことにも使われていました。

「秋意」(しゅうい)
秋の気配。秋の風情。

「雨意」(うい)
雨の降りそうなようす。雨模様。

「雪意」(せつい)
雪が降ろうとする空模様。
・雪意を催ふして来た田の中道を横ぎって・・
・雪意ありて 犬の息白し 凍(いて) 戻る
横山大観の絵に「雪意」というのがありました。

「雨意」や「雪意」の「意」って、自然の意思ってことでしょうか。
日本人らしい表現だと思いました。



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2010年02月14日

揣摩臆測/揣摩憶測(しまおくそく)

根拠もなくあれこれおしはかって勝手に想像すること。当て推量。

・部長の辞任に関して揣摩臆測が飛び交っている
・相手の出方を揣摩臆測する
・揣摩臆測は慎んでもらいたい

「揣摩」(しま)
他人の気持ちなどを推量すること。

「摩」は“こする”という意味以外に“おしはかる”という意味がありました。
「揣」も“おしはかる”意。「揣摩」以外では使われいない漢字のようです。
さらに「揣摩」だけで使われている例はほとんど見られず、
「揣摩臆測」として生き残っているようです。
また、
「揣摩の術」(しまのじゅつ)というのがありました。
中国の一種の弁論術で、君主の心を見抜き、思いのままに操縦する術のこと。
中国の論争は西洋の論争とは違い、相手を追い詰めることはせず、気持ちを取り込む術。
司馬遷の「史記」にでてくる張儀(ちょうぎ)と蘇秦(そしん)が揣摩の術の達人として有名で、合従連衡(がっしょうれんこう)という言葉もこの二人が成し遂げた偉業です。

「揣摩臆測」は、摩天楼の「摩」を調べていたら、
「揣摩」なる熟語が目に止まり、
「揣摩」から「揣摩臆測」に至りました。
最初、何か深い意味が隠された語なのかと思ってしまいました。
ずいぶん前に拾った言葉でしたが、めったに使われないし、お蔵入りかなと思っていましたが、山崎豊子「沈まぬ太陽」で目にして、取り上げる気になりました。

“おしかはる”に似た意味の熟語を拾ってみると、
推量・推測・推察・推考・推論・推当・推知・推定・
臆測・憶断・臆説・
想察・想像・恐察・忖度・
仮想・仮定・仮説・
予測・予断・見当・目算

「恐察」(きょうさつ)
他人の事情を推察することをへりくだっていう。拝察。

「恐察」は怖い警察かと思いましたら、まるで違いましたね。




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2010年02月11日

地番(ちばん)

法務局が登記された土地に付した番号。

マンションの物件情報などで目にして気になっていたのですが、調べてみると不動産用語が芋づる式に引っかかってきました。

「地番」に対し、
通常よく見る住所は、市区町村が定めた「住居表示」です。
「○○丁目○○番○○号」という表記になっています。

「地番」は土地に付けられた番号
「住所」は建物に付けられた番号
と理解するといいようです。

土地の戸籍のようなものを「地籍」といい、地番・所有者・地目・面積などが記されています。

土地登記簿上で一個の土地とされたものを「一筆」(いっぴつ)
一筆の土地を分けることを「分筆」(ぶんぴつ)
一筆の土地に合わせることを「合筆」(がっぴつ)
と言います。
ここで、土地を数える単位がなぜ「筆」なのか疑問に思いました。
Webで調べてみると見つかりました。

江戸時代に徳川吉宗が行った享保検知で、検地帳に土地の所在・面積・土地の等級・所有者がスラスラッと一筆(一行)で記載されたことから、一個の土地を「一筆」と呼ぶようになったということです。

日本において土地の近代的所有権が確立したのは、明治維新後。
明治4年、廃藩置県が行われ、
明治5年、土地売買の自由が認められ、
官有地、私有地などが一筆の土地ごとに地券が発行されました。
尚、
明治以来国有地である土地は、登記されたことがないため地番が付されていません。
国有地の上に建つ建物にも「番地」がつきません。
これは、登記制度が「国が第三者の立場で権利の移転・設定の登記手続きが適法になされた事」を証明する制度であるため、当事者である国が、国の権利取得を証明する意味がないからです。

国有地上にある建物の住所は、最も近い「地番のついた」土地の番号を使って「○○番地先国有無番地」(もしくは「官有無番地」)と表示します。
網走刑務所の「番外地」という呼び名も、本来「国有無番地」であったものが、「別世界」というイメージから作られたものでした。

不動産業界の方には、何をいまさらというようなことなんでしょうが、知らないことばかり。
「国有無番地」という表記は目にしたことがありません。



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2010年02月07日

「曾て」

「曾て」って読めますか?

山崎豊子著「沈まぬ太陽」の中で何度も出てくるんですが、読めなくてイラっとしました。

「かつて」と読むのでした。
最近ではほとんど漢字表記は見られませんね。
「曾」の付く語には、
麻生前総理の発言から一躍有名になった「未曾有」や、
「曾孫」「曾祖父」「曾祖母」があります。

「未曾有」(みぞう)
《未(いま)だ曾(かつ)て有らず》
今までに一度もなかったこと。また、非常に珍しいこと。希有(けう)。

未曾有を辞書で確認していれば、「曾て」は読めましたね。

「曾」を見ると、
ソウ・ゾウ・かつ-て
1、かつて。以前に。
2、世代が重なること。
「曽」は俗字。

「曾孫」は“孫の子”という意味で、
読みが数通りあります。
「そうそん」
「ひいまご」---「ひまご」の音変化。
「ひこまご」
「ひひこ」
「ひこ」

「曾祖父」も「そうそうふ」の他に「ひいじじ」「ひじじ」とも読みます。

曾孫の子は「玄孫」(げんそん/やしゃご)と言います。
「やしゃご」までは聞いたことがありましたが、その先8代まで表す言葉がありました。
2--孫
3--曾孫(そうそん)
4--玄孫(げんそん)
5--来孫(らいそん)
6--昆孫(こんそん)
7--仍孫(じょうそん)
8--雲孫(うんそん)

他に「曾」のつく熟語は、
「曾遊」(そういう)がありました。
以前に訪れたことのあること。
・曾遊の地

ところで、
ひらがなの「そ」は、「曽」の草書体から、
かたかなの「ソ」は、「曽」の2画までをとったものでした。

「ソ」と「ン」は活字で見ると識別できますが、手書きの場合はとても紛らわしいですね。
「メゾン」などは、書いた当人でさえも読みづらいなと思ってしまいます。




posted by 空凛 at 20:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする