2017年08月10日

意趣返し(いしゅがえし)

恨みを返すこと。仕返し。
「意趣晴らし」「意趣を晴らす」とも言います。

「意」にも「趣」にもマイナスの意味はなく、
「意趣」という熟語に悪い感じは受けませんが、
“恨み”という意味があります。

「意趣」(いしゅ)
1、恨み。
2、考え。意向。
3、意地。
4、理由。わけ。

Webで「意趣返し」の使用例を探すと、
タイムリーな話題に使われていました。
・文科省前次官の前川氏が意趣返しに内部文書をリーク
・安倍晋三の意趣返し! 電波に再び厳しい締め付け。
・恨み骨髄!電波に晋三の意趣返し!
・都知事選の意趣返し−小池氏「自民党費払う理由ない」
「仕返し」「復讐」「報復」と言うよりは、
ソフトに聞こえます。

「讐」は復讐以外であまり目にすることがありませんが、
どういった意味を持つのでしょう。
よく見ると、ふるとり(隹)が2つ並んでいます。
鳥と関係あり?
隹=小さな鳥の形
隹隹=“二つ並ぶ”意。
言=口+辛が変化した漢字。
辛(シン)= “心”で、
口からの心の現われ = “言葉”の意。
讐 = 隹隹+言 = 二つ並ぶ+言葉 → 返答
返答 → 応じる → 報いる(仕返し) →
“あだ・かたき”という変遷です。

「讐」
1、こたえる
2、むくいる
3、あだ

復讐といえば、
「臥薪嘗胆」(がしんしょうたん)という重苦しい語があります。
薪(たきぎ)の上に寝ること。
苦い胆(肝)を嘗める(なめる)こと。
自らを苛むことで復讐の志を奮い立たせおうとする姿です。
なんと過酷な生き様。
転じて、
“目的を達成するために苦心し努力を重ねる”
という意味で用います。

最後に「意」と「趣」の意味も確認しておきます。
「意」
「音」と「心」からなる会意文字。
言葉(音)で表せない“こころ”“思い”を意味しています。
1、こころ。おもい。
2、思う。考える。

意志・意思・意外・故意・同意・意匠・懇意・任意・
意義・意見・意向・意中・意味・意欲・善意・悪意・
随意・任意・合意・極意・敬意・好意・厚意・客意・
決意・原意・殺意・賛意・鋭意・意地・我意・愚意・
恣意・私意・合意・害意・意執・意念・意図・意訳
熟語ありますねー。
しかも日常的に使うものが多い。
馴染みの薄かったのが、

「意執」(いしゅう)
あることを心に固く信じて、それから離れられないこと。

「客意」(かくい)
旅行中の感慨。旅情。

「趣」おもむき
1、味わい。面白み。
2、自然にそう感じられる有様。感じ。

「趣」シュ
1、心の向かうところ。めざすところ。考え。
2、おもむき。あじわい。
3、仏教で、衆生が輪廻(りんね)の間に行って住む世界
posted by 空凛 at 08:39| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする