2018年01月20日

狷介(けんかい)

頑固で自分の信じるところを固く守り、
他人に心を開こうとしないこと。片意地。

「狷」ケン・せまい
心が狭い、許容力・包容力の無いこと。

「狷介」の類語をみると、
依怙地・頑固・偏屈・強情・頑強・頑迷・頑冥・
一徹・片意地・頑な・意地っ張り・固陋
ガンコ親父のイメージが立ち上ります。

「固陋」(ころう)
古い習慣や考えに固執して、新しいものを好まないこと。

「陋」ロウ
1、場所が狭苦しい。
2、心が狭く卑しい。

「狷介固陋」 (けんかいころう)・「頑迷固陋」(がんめいころう)
という四文字熟語もありました。

「頑冥不霊」(がんめいふれい)は「冥」と「霊」に怪しさを感じましたが、意味は “頑固で無知なこと”

「頑冥」---頑固で道理に暗いこと。「迷」とも書く。
「不霊」---頭の働きが鈍いこと。

「霊」の辞書を読んでましたら最後のほうに発見がありました。

「ち」
自然の事物などの名詞の下に付いて、
それが神秘的な力をもつ意を表す。
・いかずち/いかづち---雷
・おろち---大蛇
・みずち---水霊

「かみなり」は中世以降に使われるようになった言葉で、
由来は「神鳴り」から。
それ以前は「なるかみ」や「いかづち」と呼ばれました。
「いかづち」は「厳つ霊」(いかつ-ち)から来ています。
“たけだけしい” “荒々しい” などを意味する形容詞「厳し」から。
「いかづち」は鬼・蛇・恐ろしい神などを表す語でしたが、
神との関わりが深いと考えられていた「雷」を意味するようになりました。
「おろち」は “長い尾の神” から来ているようです。






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2018年01月19日

着服(ちゃくふく)

1、衣服を着ること。
2、金品などをひそかに盗んで自分のものにすること。

“服を着る” からどうして “盗む” になったのでしょう。
故事か語源ありかと期待しましたが、
何もおもしろい話しは出てきませんでした。
服の中に隠す。あるいは着ぶくれ → 懐暖かい。
という連想でしょうか。

似た意味に横領・窃盗・泥棒 などがありますが、
「横領罪」の定義は、
<<自己が占有する他人の物を不法に領得すること>>
となっています。
なんとわかりずらい説明。

「領得」とは、
自己または第三者のものとする目的で、
他人の財物を不法に取得すること。

もう少し一般向けの説明では、
「横領罪」
委託などにより占有(管理)している他人の物、
自分の物でも公務所から保管を命じられた物、
遺失物・漂流物などをその権利がないのに自分の物のように利用・処分することにより成立する罪。

過去に「よこしまな横」で取り上げましたが、
「横」には “よこ” という意味の他に、
“よこしま” “ほしいまま” “わがまま”
というネガティブな意味があります。
横奪・横流し・横取り・横着・横柄・専横・
横行・横死・横槍を入れる・横車を押す・

今回、さらに「横」に関する発見がありました。
中国では 意味の違いで声調(トーン)が違うんです。
“よこ” という意味 --- 平声
“悪い” という意味 --- 去声

中国音韻学で、漢字音の声調を4種類に分類したものを
「四声」(ししょう/しせい)といいます。
・平声(ひょうしょう/へいせい)---- なだらかな声調
・上声(じょうしょう/じょうせい)-- 尻上がりのアクセント
・去声(きょしょう/きょせい)------ 尻下がりのアクセント
・入声(にっしょう/にっせい)------ つまる音

上声・去声・入声を一括して「仄声」(そくせい)といいます。
平声+仄声=平仄(ひようそく)
漢詩のリズムは平声と仄声の組み合わせにあり、
平仄によって心地よい響きある詩となります。
ここから「平仄を整える」「平仄が合わない」
という表現が生まれています。

「平仄」(ひょうそく)
1、平声と仄声。また 平字と仄字。
2、平字と仄字の配列法。

「平仄が合わない」
話の筋道が立たない。つじつまが合わない。





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2018年01月18日

草臥れる(くたびれる)

1、体力を消耗してそれ以上動くのがいやになる。
疲れる。疲労する。
2、使い古してみすぼらしい感じになる。
人についていうこともある。

古い形は「くたびる」
「くた」は朽ちる(くつ)・腐す(くたす)と同源。
「くたばる」の「くた」も同じ語幹。
「びる」は悪びれるの古形「悪びる」(わるびる)の
「びる」などと同じくある状態を言い表す語。
「草臥れる」は当て字で、
「詩経」にある「草臥」(疲れて草に臥すの意)を慣用したもの。

語源は諸説あるようですが、2つ紹介します。
* 疲れ果てて家あるいは宿までたどり付く気力がなくなり、草の上に臥してしまう様から。
* 草が生気を失うとヘタってしまうことから。

体の疲労をいう場合には共に用いられますが、
“旅に疲れる” “人生に疲れる” のような抽象表現には、
くだけたいい方である「くたびれる」はあまり用いません。

似た表現に「へばる」「へたばる」がありますが、
いずれも俗語的表現。
「へたる」に漢字表記はありません。
1、尻をつけてべったり座る。また、尻餅をつく。
2、へたばる。元気がなくなる。また、疲労で倒れる。
3、そのものの機能や性能が衰える。

「くたびれる」は方言かと思っていましたが、標準語なんですね。
方言の「疲れた」を見ると、
・えらい(愛知)
・かんだるい(静岡)
・きける(和歌山)
・きつい(福井)
・こえー(福島)
・だりやま(三重)
・きゃーなえる(長崎)

「臥」も確認しておきます。
ガ・ふ-す・ふせ-る
横になって寝る。

「臥す」(ふす)
1、体を横にして寝る。また、床につく。
2、病気で床につく。

「横臥」(おうが)
横になって寝ること。

「仰臥」(ぎょうが)
仰向けに寝ること。

「伏臥」(ふくが)
うつ伏せに寝ること。






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2018年01月17日

蒲柳の質(ほりゅうのしつ)

からだが弱く病気にかかりやすい体質。

知らない表現でした。
由来は中国の故事。
簡文帝(かんぶんてい)が顧悦(こえつ)に
なぜ髪が若い時から白いのかと質問したときに、顧悦が答えた言葉。
やなぎのようにほっそりとし、弱々しい体質の人。

「蒲柳」(ほりゅう)
1、カワヤナギの別名。
2、カワヤナギの葉が秋になるとすぐに落ちるところから、
体質がひ弱なこと。
「カワヤナギ」は川辺に生える柳。普通ネコヤナギをいう。

柳といえば、
「柳に受ける」(やなぎにうける)
というちょっと粋な表現がありました。
“逆らわないで、されるがままになる”

同じような表現に、
・柳に風と受け流す
・柳に風。
・柳に風折れなし
・柳に雪折れなし
・柳風にしなう

「撓う」(しなう)
「しなやか」の「しな」と同源。
弾力があってしなやかに曲がる。たわむ。

「しなやか」
1、柔軟で弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。
2、たおやかで優美なさま。

「たおやか」
「たお」は「たわ」(撓)の音変化
1、姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま。
2、態度や性質がしとやかで上品なさま。

辞書には漢字表記はありませんが、
「たおやか」には「嫋」「靭」「撓」の漢字が当てられます。
「嫋やか」(女性のしなやかなさま)
「靭やか」(強靭さ)
「撓やか」(たわむ弾力の強さ)
常用漢字ではないので、普通は平仮名になっています。

「蒲」に目を戻すと、
ホ(漢)・ブ(呉)・フ(唐)・がま
1、草の名。ガマ。
2、木の名。カワヤナギ。

「蒲団」(ふとん)に「蒲」がつているのは、
昔、ガマの綿毛を寝具に入れたことから。

「蒲鉾」(かまぼこ)
昔、かまぼこは細い竹にすり身を付けて焼いたものでした。
現在の竹輪のようなもので、それが蒲の穂に似ていたことから。

「蒲焼」(かばやき)
うなぎを筒状に切って焼いていた形がガマの花穂に似ていたことから。
「がま焼き」から転じて「かばやき」に。





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2018年01月16日

寛解/緩解(かんかい)

症状が落ち着いて安定した状態。
白血病・ガン・精神疾患など再発の危険性のある難治の病気治療で、「治癒」や「完治」と区別して使われる語。

寛解の医学的な説明のところに、
病気が悪化することを「増悪」とありました。
もともと悪かった状態がさらに悪くなることを指しています。
読みは「ぞうお」ではなく「ぞうあく」

「増悪」(ぞうあく)
病状が悪化すること。

病気がなおることを表す語には、
回復・快復・恢復・快癒・治癒・平癒・快気・
全治・全快・完治・根治・本復・床上げ・

それぞれに印象が違いますね。
「平癒」(へいゆ)と「快癒」(かいゆ)では、
「平」より「快」により良い感じを受けますが、同じ意味なんです。

「回復」と「快復」の違いは、
「回復」は人だけでなく病気以外でも “もとの状態に戻ること”
「快復」は人や動物の病気がいえること。

回復=恢復
「恢」は
1、広い。大きい。
2、かえる。もどる。

「本復」は時代劇で耳にする語ですが、
1、病気がすっかりよくなること。全快。
2、以前の身分や財産を取り戻すこと。
3、配流の地から故国に帰されること。

「快気祝い」は、
当人やその家族が見舞いのお返しとして品物を贈ること。
またその品物のこと。

「余病」(よびょう)
一つの病気に伴って起こる別の病気。

「宿痾」(しゅくあ)
前々からかかっていて治らない病気。
持病。痼疾(こしつ)。宿病。

「痾」ア
やまい。こじれた病気。

「持病」より「宿痾」のほうが深刻なイメージです。

ところで、
「加速度病」ってご存知ですか?
乗り物酔いのことです。
学問的には「動揺病」や「加速度病」と呼ばれます。
乗り物酔いは、
乗り物の揺れや加速・減速などの加速度によって
三半規管が刺激されることで起こる、
自律神経の失調状態なのでした。





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2018年01月15日

小正月(こしょうがつ)

1月1日の「大正月」に対して1月15日を「小正月」といいます。

昔は元日から小正月までを松の内としていました。
15日は旧暦でおよそ満月にあたりますが、
古代中国から暦が入ってくる以前の古代日本では
満月の日を月のはじまりの日としていました。
つまり小正月は古代でいうと1月1日で、
かつての正月を祝った名残りの行事ともいえます。
江戸時代に幕府が松の内を7日までと改めたため、
関東では幕の内が短くなったそうです。

「正月」というと三が日あるいは七日や十五日までを言いますが、
本来の意味は “1年の最初の月” なんです。
紀元前、中国王朝の暦では1年の最初の月を「正月」と呼んでいました。
6世紀に中国の暦法が朝鮮半島の百済から日本へ伝えられて
日本でも「正月」と呼ぶようになりました。

ちなみに、
最初の月が “1月” というのは必然ではないんです。
中国でも漢の武帝が1月を「正月」とするまでは、
様々な月が「正月」として存在していましたし、
紀元前2世紀までのローマでは、2月が1年の最初の月だったそうです。

年末に見たナイツの漫才、皮肉が効いて面白いものでした。
話し全体に “小がつく” 語を織り込んだもので、
大物役者に「小芝居」「小芝居」と連発するのが笑えました。
「小」が付くことで見下した感じになるのがよくわかりました。
大物でなくてもカチンときますよ。

小才・小利口・小物・小粒・子悪人・
小賢しい・小ずるい・小うるさい・小汚い・小憎らしい・小ばか・
小細工・小手先・小太り・小洒落た・小まめ・

自分は器の小さい人間だとわかっていても、他人に指摘されるとグサっときますよね。





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2018年01月14日

暮れなずむ

日が暮れそうで、なかなか暮れないでいる。

「暮れなずむ」も勘違いされているかもしれません。
うす暗くなった様子 “日が暮れた” という意味ではなく、
日が暮れかかってから暗くなるまでの時間が長いこと、
春の日足の長いことを表します。
春の季語です。

似ている春の季語に、
「暮れかぬる」「暮れ遅し」「夕長し」なとがあります。

「なずむ」は「泥む」と書きます。
「泥」の漢字に違和感を持ちますが、
元々は泥や水や雪などに阻まれて思うように前へ進めない。
という意味でした。
そこから、
うまくいかずに思い悩むことなども表すようになりました。

古語「泥む」(なづむ)
1、行き悩む。停滞する。
2、悩み苦しむ。
3、こだわる。気にする。

現代の「なずむ」は「泥む/滞む」となっています。
「滞」のほうがわかりやすいですね。

「泥む/滞む」
1、こだわる。執着する。
2、とどこおる。
3、なじむ。なれ親しむ。
4、悩み苦しむ。病む。
5、植物がしおれる。生気がなくなる。
6、ひたむきに思いを寄せる。執心する。

「なずむ」はいろんな意味を持っていますが、
現在はほとんど使われていませんね。
「暮れなずむ」としてかろうじて残っている感じです。

秋の短い日には、
「秋の日は釣瓶落とし」(あきのひは つるべおとし)
という表現があります。
秋の日が急に沈むことを、
井戸に落とす釣瓶にたとえたものです。
井戸と釣瓶を知らない世代には、全く意味不明でしょう。

「釣瓶」(つるべ)は、井戸水をくむために、
縄や竿(さお)などの先につけておろす桶(おけ)。
井戸がなくなって、時代劇で目にするのみです。

「泥」は “どろ” という意味の他に、
絵具を指す語でもあります。
金・銀の箔を粉末にし、にかわで溶いた絵の具の一種。
「泥絵」(でいえ)・「泥描き」(でいがき)
といった言いかたをします。

「なずむ」という語がわかって、
「拘泥」という語が納得できました。

「拘泥」(こうでい)
こだわること。必要以上に気にすること。

ドロにこだわるではなく、
“こだわることに執着する” ことでした。




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2018年01月13日

「而」って何?

遠い昔「形而上」という語に出会った時から、
「而」の意味が未消化のままでした。
日常ではめったに出会うこともなく、今に至りました。
今日こそはしっかり「而」の正体を掴みたいと思います。

「而」ジ
象形文字。
頬ひげ、または結髪をせず髪を振り乱した様をかたどったもの。
巫女が、そのようにして雨乞いをするさまが「需」。
早くに元の意味は失われ、音を仮借した意味のみ残りました。

1、なんじ。
2、接続詞
順接 --- しこうして・しかして
逆説 --- しかれども・しかるに・しかも

「而して」(しこうして)--- そして
「而後」(しかるのち)
「追而」(おって)
「而已」 (のみ)--- 限定・強調の意。
「而今而後」(じこんじご)--- 今から後。これから

「形而上」(けいじじょう)
形を離れたもの。無形のもの。
哲学で、感覚の働きによってはその存在を知ることができなくて、 思考でのみ知ることができる超自然的なもの。

「形而下」(けいじか)
形のあるもの。有形のもの。
哲学で、時間・空間の中に形を備えているもの。
感性的経験によって知りうる自然的存在。

「而」の正体は接続詞。
「形而上」「形而下」の「而」は順接で、
「の」と訳せばわかりやすいと思います。

現在ではめったに使用機会もありませんが、
含蓄のある4文字熟語を見つけましたので、紹介します。

「和而不同」(わじふどう)
人と協調するが、いたずらに同調はしないこと。

孔子の言葉、
「君子は和して同ぜず、小人は同して和せず」から。
徳のある者は和を図るが、迎合はしません。
徳のない者は自分の意見がないので同調しますが、
和を図ることはしないという意味。





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2018年01月12日

歩留り(ぶどまり)

製造業など お仕事で原価を意識されている方にとっては、
日常語だと思いますが、私には新鮮な語でした。
江戸の商人が使っていそうな古風な響きがあります。

一番スッキリした説明がデジタル大辞泉。

「歩留り」(ぶどまり)
1、加工する場合の、使用原料に対する製品の出来高の比率。
2、食品の原形物に対する食用可能な部分の比率。

いろいろな説明があって最初ちょっと戸惑いました。
簡潔に他の説明も並べてみます。
-------
yield rate 歩留率(%)=良品数÷製品製造数
生産されたすべての製品に対する、不良品でない製品の割合。
-------
製造ラインで生産される製品から、不良製品を引いたものの割合。
-------
歩留率 = 1 − 不良品率
良品率と呼ぶこともできる。
-------
歩留率 = 出来上がった製品の重さ ÷ 全体の重さ
-------
不良品が少なければ「歩留まりがいい」、
不良品が多いと「歩留まりが悪い」といいます。

「歩留り」は工場に限らず様々な分野で使われています。
どのように使われているか、いくつか紹介します。

●採肉歩留り
食品を加工するとき、
加工前の原料の重量に対する加工後の重量の割合。
歩留率が高いほどロスが少なく、加工技術が優れていると言えます。
例えば ブリの原価の出し方、
kg-1,000円するブリの場合、
8kgのブリを3枚に卸した重さが5kg。
歩留率は (5÷8)×100 = 62.5%
3枚卸しブリの原価 → 1,000÷62.5%=¥1,600/kg

●コンビニ・スーパー・デパートなどの店舗
品物の購入者数 ÷ 入店者数
高いほど良い。書店などは低い。

●金融業界
「預金歩留まり」
元の預金のうち、引き出されずに銀行に歩留まる預金の割合。
預金 ÷(現金+預金)
*この「現金」は引き出された現金のこと。

●不動産業界
新築マンションの案内件数に対する入居者数の割合
入居者数 ÷ 来場者数
例えば、
マンションのモデルルームに10組のお客様が来場し、
その内 1組が購入すれば 歩留まりは10%。
おおよそ歩留まり10%がマンションモデルルームの平均だそうです。

●人の定着率
・新入社員の歩留り
・内定歩留り

●その他
・アンケート調査の歩留り(回収率)
・ダイレクトメールの歩留り(返信率)
・広告の歩留り(問い合わせ率)






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2018年01月11日

「社員」と「使用人」

決算書に「使用人」とあって、違和感を感じました。
私の中では「主」(あるじ)に対する「使用人」というイメージがあったからです。
「社員」「従業員」「使用人」「職員」
どのように使い分けられているのでしょう。

まず、法律用語と日常で使われる一般用語では違うということ。
会社法・商法で使われる法律用語は、
「取締役」「支配人」「使用人」「社員」「株主」です。

●社員(しゃいん)
* 法律用語としての「社員」は “社団法人の構成員” を意味し、
株式会社の社員を「株主」と言います。
* 一般的な用法では 会社の “従業員” のこと。 (公文書では使用されない)

法律用語で “会社に勤めている人” という意味の語は、
「使用人」「労働者」「被用者」「非雇用者」

基本的に、会社の使用人とは会社の指揮命令に服し、
会社と雇用関係がある者をいいます。
会社の一般従業員も「使用人」となります。
取締役、監査役は会社の「役員」と呼ばれ、
使用人とは別の立場になります。
管理職以上の立場でも、取締役等の役員でなければ、
使用人の立場になります。

顧問やコンサルタントは、
会社と委任契約の立場になると考えられますので、
使用人とは言えません。
支店長は多くの場合「支配人」ですが、
「使用人」に過ぎない場合もあり得ます。

一般的には、正社員を「社員」、
パートなどの非正規社員を含めて「従業員」と使われています。

●職員(しょくいん)
労働者のうち、会社組織以外の法人や団体、国や地方公共団体などに雇用される者を指します。
基本的には営利の追求を第一とせず、
公共的な性格の強い職業に従事する者のことをいうことが多いようです。





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2018年01月10日

稽古(けいこ)

書き下し文は、「古(いにしえ)を稽(かんがう)」で、
本来は昔のことを考え調べる意。

「稽」は “考える” 意。
最初に意味を読んだ時、
漢字の印象とずいぶんかけ離れていて「えっ!」って思いました。

「稽」の字源を見ると、
「禾」+「尤」+「旨」
「禾」は聖所を守る標榜の木。
「尤」は死んだ犬の形。
「旨」は祈祷によって神霊が降下する形。
神を迎えて神意を量る → “考える” 意に。

こうして字源を知ると「稽」の印象が変わりました。

古代中国から始まり日本にも受け継がれた東洋の学問は、
古言を聞き、古書を読んで、
古(いにしえ)を範としてこれをまねびとることでした。
「稽古」することが、東洋の学問の姿でした。
時代が進んで、古を考えるだけが学問ではなくなりましたが、この東洋的な性格は武道、芸道などの社会で尊重・継承されて、今日でも「稽古」「お稽古」という言葉が使われています。
「稽古」は 理論よりも修練、
創造より伝承が重視される学習法といえます。

「稽」の熟語で思い浮かぶのは「滑稽」
こちらも再確認。

「滑稽」
1、おどけていて、おもしろおかしいこと。
2、ふざけていて、ばからしい感じがすること。
「滑」---なめらか。
「稽」---とどまる
弁舌が緩急自在なことから。

「稽」
1、とどまる。とどめる。とどこおる。ためらう。
2、かんがえる。よせあわせてかんがえる。
3、くらべる。比較する。
4、たたく。地につける。

「稽」は日常ではあまり登場しませんが、
四文字熟語がたくさんあることを発見しました。

●荒唐無稽 (こうとうむけい)
言動に根拠がなく、現実味のないこと。

●妄誕無稽 (ぼうたんむけい)
根拠がなく、でたらめなこと。嘘偽り。

●無稽之言 (むけいのげん)
根拠のない、でたらめな言葉

●滑稽諧謔 (こっけいかいぎゃく)
おもしろくて気のきいた言葉。

●滑稽洒脱 (こっけいしゃだつ)
あかぬけしていてさっぱりしていること。

●会稽之恥 (かいけいのはじ)
敗戦の恥辱。他人から受けたひどいはずかしめ。

●北面稽首 (ほくめんけいしゅ)
最上の礼、丁寧な挨拶のこと。




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2018年01月09日

耳をそろえる

必要なお金を全額用意すること。

こわもての借金取りが「耳をそろえて返してもらおうか」
と脅す場面が目に浮かびます。

「耳」には織物・紙・食パンなどの端の部分という意味もあります。
語源を見ると、
耳は頭部の中心から端に位置することから。
大判や小判のヘリも耳と呼んでいました。
ここから大判や小判のヘリを揃えること、
つまり金額を不足なく整えることを「耳をそろえる」と言うようになりました。

ここで「端」と「へり」と「ふち」の意味を確認。

「端」(はし)
中央や中心からいちばん離れた部分。

「縁」(へり)
1、池・穴などに接したすぐそば。そのものに入るすぐ手前をさす。
2、もののはし。ふち。
3、2につけた飾り。特に 畳の長いほうの両端をつつんだ布。

「縁」(ふち)
1、物の端の部分。
物の周りの、ある幅をもった部分。へり。
2、刀の柄口(つかぐち)の金具。

「へり」と「ふち」は “もののはし” という意味では同じですが、私たちは意識せず使い分けていますね。

耳が登場する表現を見ると、
・耳が痛い
・耳が汚れる
・耳が肥える
・耳につく
・耳に留める
・耳に残る
・耳に挟む
・耳を疑う
・耳を貸す
・耳を傾ける
・耳を澄ます
・耳をそばだてる
・耳が早い
・耳を疑う
・耳にタコができる

目ほどに意識しない耳ですが、表現は多いですね。




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2018年01月08日

情実(じょうじつ)

1、個人的な利害・感情がからんで公平な取扱いができない関係や状態。
2、実際のありさま。実情。
3、偽りのない気持ち。まごころ。

それほど特殊な熟語とも思えませんが、私には新鮮な語でした。
日常でよく使う「実情」と比べてみます。

「実情」
1、物事の実際の事情・情況。
2、偽りのない心情。真情。まごころ。

“じっさいのありさま” “まごころ” という意味は共通ですね。
「情実」はどんな風に使われているのでしょう。

・情実人事は組織を壊す。
・「STAP論文」事件のウラに不適切な “情実人事”
・橋本市長 特別秘書の情実採用疑惑
・情実入社が招いた日本TVの悲劇
・中国流「金と成功」への道 --- 情実と賄賂の国から
・慶応は昔から情実入学で知られている

情実は人事と結びついているようです。

「情実融資」
友人関係など、金融機関の役職員の個人的な関係に基づいてなされる融資。





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2018年01月07日

語源特集 2018*

明けまして おめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

2018年のスタートは語源特集です。


☆「気質」(かたぎ)
その身分・職業などに特有な気風・性格。

職人が使った「形木」(かたぎ)から。
「形木」
模様を彫り抜いた木のこと。
平安時代にその形木を使う染め物職人に独特の気質があり、
それを一般の人が「かたぎ」と呼ぶようになったことから。
ちなみに、
ヤクザに対するカタギは「堅気」です。


☆「ひやかし」
1、冗談などを言ってからかうこと。
2、買う気がないのに商品を見てまわること。
登楼しないのに、遊女を見てまわること。

由来は紙漉き職人。
江戸時代、浅草紙を作っていた職人たちが
紙の原料を水に浸して「冷やかし」ている間、
近くにあった吉原遊郭に出かけて、
張り見世の遊女を見て回ったことから。


☆「下げ墨む」(さげすむ)
1、墨縄を下げて、柱などの傾きを調べる。
2、おしはかる。思量する。

下げ墨(さげすみ)の動詞化。
「下げ墨」
大工が柱などの傾きを見るために、
墨糸を垂らして見定めること。
その後、
「下げ墨む」に「蔑む」という漢字が使われるようになりました。


☆「目白押し」(めじろおし)
1、多人数が込み合って並ぶこと。
また、物事が集中してあること。
2、子供の遊びの一。

鳥のメジロは眠るとき群れで集まり、
押し合うように並んで枝に止まる習性があります。
夕暮れ時になると、
メジロがかたまりの中心に割り込もうとする様子が
見られるそうです。
元々は、
子供が真似て「押しくらまんじゅう、押されてなくな」
といって遊ぶことを「目白押し」と呼びました。


☆「駆け出し」(かけだし)
その物事を始めたばかりで未熟なこと。新米。

修験道と呼ばれる宗教では、
人間と山の神を橋渡しするのが山伏。
山で寝起きするので「山伏」
山で修行して霊力を身につけて里に下ります。
この状態を「駆け出」(かけで)と言いました。


☆「無礼講」(ぶれいこう)
身分・地位の上下などを考えないで行う宴会。
堅苦しい礼儀を抜きにして行う酒盛り。

「無礼-講」ではなく「無-礼講」です。
「礼講」は、神に奉納した神酒を参列者も授かる儀式です。
礼儀を重んじる厳格な儀式であることから「礼講」。
礼講の後に、くだけた雰囲気の酒宴が開かれ、
これを「無礼講」と言いました。
「礼講」に対する「無礼講」なのでした。





posted by 空凛 at 09:18| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月06日

折角(せっかく)

「折角」は意味と漢字が合致していなくて、
何かありそうだと期待しませんか?

予想通り故事由来の語です。
昔、おもしろ雑学の本で読んだ故事は以下のようなものでした。

*
郭泰という人の被っていた頭巾の角が雨に濡れて折れ曲がっていた。
郭泰を敬慕していた人々がならって頭巾の角を曲げ、それが広まった。
*
ずっとこの故事が唯一の語源だと思っていましたが、
今回調べてみると、これよりも有力な説がありました。

* *
朱雲という人物が それまで誰も言い負かすことができなかった
五鹿に住む充宗と易を論じて言い負かし、
人々がよくぞ “鹿の角を折った” と洒落で評しました。
「漢書(朱雲伝)」より。
* *

本来は “高慢な人をやり込める” 意の名詞「折角」でした。
それが副詞にも用いられるようになりました。

折角[名詞]
1、骨を折ること。力を尽くすこと。
2、困難や難儀。

折角[副詞]
1、いろいろの困難を排して事をするさま。
無理をして。苦労して。わざわざ。
2、(「折角の」の形で、体言に続けて)
滅多に得られない、恵まれた状況を大切に思う気持ちを表す。
3、全力を傾けて事をするさま。つとめて。せいぜい。
手紙文などで用いる。

「折檻」も「朱雲伝」に由来しています。
* *
前漢の成帝の時代、
朱雲が成帝の政治に対し厳しく忠告したため、
朱雲は成帝の怒りを受け、宮殿から追い出されることになった。
しかし、朱雲は檻(手すり)に掴まり動こうとしなかったため、
檻は折れてしまった。
成帝はそのような朱雲の姿を見て反省し、
朱雲の意見を受け入れたという話。
* *

「折檻」は本来 正当な理由で厳しく忠告することを意味していました。
1、厳しくしかったり、こらしめの体刑を加えたりすること。
2、強くいさめること。厳しく諫言(かんげん)すること。

現在では、体罰の意味しか残っていないと思われますが、
その「折檻する」でさえあまり聞かれなくなりました。

ちなみに、
「諌める」(いさめる)は目上の人に対して。
「諭す」(さとす)は目下に向かっていいか聞かせる。
「意見」は目上・目下関係なく、非を指摘すること。

余談ですが、
欄干・手摺(てすり)を見ていて、
「おばしま」という語が目に留まりました。
見たことも聞いたこともない「おばしま」は
古語で「手すり」のことでした。
語源があるのではと思ったのですが、何も見つかりませんでした。
使用例はわずかに歌詞と俳句の中に見られました。

*「支那の夜」の一部、
・ ・ ・ ・ ・
君待つ宵は 欄干(おばしま)の雨に
花も散る散る 虹も散る
・ ・ ・ ・ ・

*もうじき上がる欄干(おばしま)の雨 (2011年発表)

*寒鯉やおばしまの朱のことさらに(2013年発表)





posted by 空凛 at 15:26| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする