2018年01月03日

宜なるかな(むべなるかな)

いかにももっともなことであるなあ。うべなるかな。

いかにも時代がかった言葉ですが、
先日、耳にしまして気になりました。

「宜/諾」 うべ・むべ
肯定する気持ちを表す。なるほど。いかにも。
平安時代までは「うべ」、以降は「むべ」に。

「宜」ギ
程よくかなっている。

「ギ」と読む熟語には、
機宜・時宜・辞宜・適宜・便宜

「むべなるかな」を漢文式に書けば「宜乎」。
この「乎」は感動詞で “ああ”

「宜」を「ぎ」とか「よろしき」のように読まずに
「むべ」と読むのには由来がありました。

昔、天智天皇が近江八幡市の方へ行幸されたときのこと。
老夫婦に長寿の秘訣を尋ねたところ、
老夫婦は「この地で秋に採れるこの果実を食するからでしょう」と答えたそうです。
それに対して天智天皇が「むべなるかな」と云われたのが始まりとされています。
「ムベ」が先なのか、「むべなるかな」が先なのかははっきりしていません。

ムベは日本の山野に自生するアケビ科の蔓性植物で、
アケビに似た実ができます。
アケビとの違いは、アケビは果実が割れるがムベは割れない、常緑性であること。
茎や根は野木瓜(やもっか)という生薬で利尿剤とななります。

ムベとアケビの漢字表記は、
ムベ=郁子/野木瓜、アケビ=木通/通草

「アケビ」の名は
熟すと果皮が裂ける “開け実” からきているようです。
漢字名の「木通」は蔓を切って吹くと空気が通ることから。
「通草」の「草」は “蔓” を表現したもの。

「郁子」の由来はみつかりませんでしたが、
「郁」は “香りがいい。かぐわしい” という意味ですから、
香りがいいところからのネーミングなのでしょう。
http://www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/mueop/mube.html

「むべなるかな」が天皇が発せられた言葉からと知ってしまうと、雅でおっとりした響きに聞こえます。

古めかしい語といえば、
人気ドラマ「ドクターX 〜外科医・大門未知子〜」で
医師たちが声を揃えて「御意」という場面がありました。
おおげさな物言いが皮肉になっています。

「御意」(ぎょい)
1、貴人や目上の人などを敬って、その考え・意向をいう語。
2、目上の人に対して、同意・肯定を示す返事の言葉。
「御意のとおり」=おっしゃるとおり
「御意に入る」(ぎょいにいる)
「御意に召す」
「御意を得る」
などの言い方があります。





posted by 空凛 at 08:19| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする