2018年01月10日

稽古(けいこ)

書き下し文は、「古(いにしえ)を稽(かんがう)」で、
本来は昔のことを考え調べる意。

「稽」は “考える” 意。
最初に意味を読んだ時、
漢字の印象とずいぶんかけ離れていて「えっ!」って思いました。

「稽」の字源を見ると、
「禾」+「尤」+「旨」
「禾」は聖所を守る標榜の木。
「尤」は死んだ犬の形。
「旨」は祈祷によって神霊が降下する形。
神を迎えて神意を量る → “考える” 意に。

こうして字源を知ると「稽」の印象が変わりました。

古代中国から始まり日本にも受け継がれた東洋の学問は、
古言を聞き、古書を読んで、
古(いにしえ)を範としてこれをまねびとることでした。
「稽古」することが、東洋の学問の姿でした。
時代が進んで、古を考えるだけが学問ではなくなりましたが、この東洋的な性格は武道、芸道などの社会で尊重・継承されて、今日でも「稽古」「お稽古」という言葉が使われています。
「稽古」は 理論よりも修練、
創造より伝承が重視される学習法といえます。

「稽」の熟語で思い浮かぶのは「滑稽」
こちらも再確認。

「滑稽」
1、おどけていて、おもしろおかしいこと。
2、ふざけていて、ばからしい感じがすること。
「滑」---なめらか。
「稽」---とどまる
弁舌が緩急自在なことから。

「稽」
1、とどまる。とどめる。とどこおる。ためらう。
2、かんがえる。よせあわせてかんがえる。
3、くらべる。比較する。
4、たたく。地につける。

「稽」は日常ではあまり登場しませんが、
四文字熟語がたくさんあることを発見しました。

●荒唐無稽 (こうとうむけい)
言動に根拠がなく、現実味のないこと。

●妄誕無稽 (ぼうたんむけい)
根拠がなく、でたらめなこと。嘘偽り。

●無稽之言 (むけいのげん)
根拠のない、でたらめな言葉

●滑稽諧謔 (こっけいかいぎゃく)
おもしろくて気のきいた言葉。

●滑稽洒脱 (こっけいしゃだつ)
あかぬけしていてさっぱりしていること。

●会稽之恥 (かいけいのはじ)
敗戦の恥辱。他人から受けたひどいはずかしめ。

●北面稽首 (ほくめんけいしゅ)
最上の礼、丁寧な挨拶のこと。




posted by 空凛 at 14:44| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする