2019年05月26日

普通(ふつう)

・普通においしい
・普通に面白い
・普通にかわいい
「普通に+形容詞」は2000年以降に表れ、
“平均的・一般的である” という意味で使われました。
時としてマイナスの意味合いもありました。
ところが若い人たちの間で、
プラスの意味での
「普通においしい」「普通にかわいい」
という言い方が生まれました。

Webの質問コーナーには、
若者の使う「普通に」の意味がよくわかりません。
「普通にすごかった」の意味は、
普通なんですか? すごいんですか?
年齢が高いほど、こんな風に思っている人が多いようです。
回答の1つに、
「普通においしい」と言う人は、
「おいしい」とも「普通」とも「嫌い」とも言えないで、
質問の答えをぼかしたい人だと思っています。
というのがありました。
また、
“お世辞抜きで” “偽りなく” の意味を含む。
という答えもありました。

平野啓一郎氏は
この新しい「普通」の用法を否定されていません。
*
「普通」というのは、
そもそも、“並だ” “平凡だ” というネガティヴな意味とは別に、
「普遍的に通じる」というポジティヴな意味があるのですから、
そんなに飛躍的な言葉の遣い方だとは思えません。
*

確かに、「普通」は、普く(あまねく)通じること。


「普通」のレベルが上がった背景を解釈する記事がありました。
*
「普通」という中立的な表現がポジティブな意味合いを獲得したことであろう。
文字通り "想定を超える" 出来事の連続を私たちは生きてきた。
その中で、従来の標準を超えることに着目する
「非常においしい」式の「程度」表現の横に、
標準的であることを良しとした
「普通においしい」という表現が生まれた。
*

改めて「普通」の意味を確認してみると、
goo辞書は、現在用法にも言及していました。

「普通」(ふつう)
[名詞・形容動詞]
特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。

[副詞]
1、たいてい。通常。一般に。
2、(「に」を伴って)俗に、とても。
「普通におもしろかった」のように、
称賛するほどではないが、
期待以上の結果だったという意味合いで、
肯定的な表現と組み合わせて
2000年代から用いられるようになった。

▽「あなたの言葉を辞書に載せよう」2017年の優秀作品。
「普通」とは、
・上を見たらきりがないぞと諦めながら、下を見たらまだまだいるぞと安堵できる場所および立場。
・何でもないように見えて、じつはとても幸せなこと。
・当たり障りのない言葉として選ぶ、便利な語。

年代・個人・場合によって、
「中レベル」「高評価」「中立的」
「普通」もいろいろのようです。










posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月19日

謳歌(おうか)

1、声を合わせて歌うこと。
2、声をそろえて褒めたたえること。
3、恵まれた幸せ大いに楽しみ喜び合うこと。

「謳」は “うたう” の意で、
「謳歌」は “うたう” を重ねた熟語。
「うたう」が重なって、
合唱のイメージが生まれたと考えられます。
現代では、“恵まれた境遇を大いに楽しむこと” の意味で使われています。
Webの解説に、
「謳歌する」には、辞書には書かれていないが、
“自分の楽しい気分をオープンにする”意もある。
とあり、なるほどと思いました。

「〇〇を謳歌する」で、
○○を心から楽しんでいることを表現できます。
よく聞くのは「人生を謳歌する」ですね。
例文を見ると、
「自由」「青春」「平和」「この世の春」などもよく使われています。
・まさに二人は戦後のアメリカが黄金期を謳歌していた時代の体現者だった。
・徳川綱吉の施政のもと、人々は繁栄を謳歌し始めていた。

「うたう」という漢字は、
「歌/唄/謡/謳」が当てられています。

「歌」
大きく口をあけてうたう意。

「唄」
1、うた。民謡。俗謡。
2、仏の功徳をたたえる歌。
「唄」(バイ)は、“仏典を多くの人が声を合わせて読む” という意味で使われてきました。

「謡」
「謠」の略字
言葉を上げ下げしてうたう意。

「謡」(うたい)
能の文章。また、これに節をつけて謡うこと。

「謡曲」(ようきょく)
うたい。能楽の歌詞。

「謡物」(うたいもの)
節をつけてうたうもの。
謡曲・長唄・今様(いまよう)などを言います。
謡物 ⇔ 語り物

「詠」
声をながくひっぱって詩歌をうたう。

「詠じる」(えいじる)
1、詩歌を声を出して読む。
2、詩歌をつくる。

「謳う」(うたう)
1、ほめたたえる。謳歌する。
2、明確に文章で表現・主張する。









posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月12日

言葉の由来

◇「ばてる」
「疲れ果てる」の「果てる」から。
すっかり疲れてしまう。へたばる。


◇「成金」(なりきん)
将棋用語。
「歩」が敵陣に入って「金将」と同じ資格を得ることから、
歩のような身分の低い者が急に金のような力を持つことを指すようになりました。


◇「芝居」(しばい)
舞台と桟敷(さじき)の間の芝生に設けた庶民の見物席。


◇「草分け」(くさわけ)
江戸時代、原野を開墾して町村を開いた名主を
「草分け名主」といいました。
未開の草深い土地を切り開いて、町や村を興すことが、本来の “草分け”。
創始者。開拓者。先駆け。


◇「おいそれ」
すぐさま応じること。
感動詞「おい」+ 代名詞「それ」
「おい」と呼ばれ、直ちに「それ」と応じる意から。
今日では打消しの語を伴って、
「おいそれと・・・できない」という形で使われます。
・そんな大金おいそれとは出せない
・おいそれと手に入る物ではない
・この件はおいそれと引き受けることはできない
厳めしいイメージの語でしたが、
こんな軽いノリから来ているなんて、拍子抜け。


◇「首っ丈」 (くびったけ)
「首丈」(くびたけ)が転じた語。
首丈とは足元から首までの高さのこと。
首の高さまで深くはまり込む意から、
ある思いに深くとらわれること。
特に、異性に心をひかれ夢中になること。
私は首に抱きつくイメージを持っていました。
最近はあまり聞かれなくなりましたね。
「首っ丈」の類語をみると、
ゾッコン・メロメロ・
ベタ惚れ・マジ惚れ・ガチ惚れ


◇「ぞっこん」
古くは「そっこん」と言いました。
“心の底から” という意味で使われていた例が見られるところから、
「底根」(そここん)→「そっこん」→「ぞっこん」
と考えられています。


◇「めろめろ」
若者語かと思いきや、鎌倉時代からあった語でした。
当時は今より多様な用いられ方をしていて、
“めそめそ” の意味でも使われていました。
明治に入ってから、
炎が燃え広がる様の “めらめら” の意になり、
めらめらが転じて、
現在の “愛に酔ってしまりがないさま” の意に。
異性だけでなくペットやモノ・コトにも使います。


◇「器用」(きよう)
「器用」は、馬具や武具などの役に立つ道具の総称でした。
それが時代とともに役に立つ人物を指すようになり、
何事もそつなくこなすという意味になりました。

「ぶきっちょ」は不器用が訛ったもの。
「不器用」と言われたらへこみますけど、
「ぶきっちょ」って、ちょっと愛情が感じられます。

いいような、悪いような「器用貧乏」。
なまじ器用なために一事に徹することができず、
結局 大成しないこと。









posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月05日

おとなの言葉選び

よく雑誌のバックナンバーを借りるのですが、
2018年6月号「日経OFF」の特集は「おとなの語彙トレ」でした。
盛りだくさんの内容で、楽しめました。
最初のページに「彙」の語源が紹介されています。
なんと、“針ネズミ” のことなんです。

「彙」イ
同類の集まり。
毛が密生している「ハリネズミ」を意味していました。

若者の会話は、
「やばい」「めっちゃ」「すごい」「かわいい」
この4語で回っている感じですね。
つい便利に使っていると、表現力が衰えそうです。


◆言葉の置き換え
「すごい」 → 目覚ましい/驚異的/圧倒的
「超」 → 実に/並外れた/甚だ(はなはだ)
「かわいい」→ 可憐/愛らしい/まばゆい
「なるほど」→ 確かに/ごもっとも/まさしく
「とりあえず」→ 差し当たり/仮に/暫定的に


紙の手紙を書く機会がほとんどなくなって、
手紙の作法や表現を学ぶこともなくなっていました。
◆手紙の言葉
・毎々ご厚意に与り(あずかり)、誠にありがとうございます
・お健やかにお過ごしの御事(おんこと)と存じ上げます
・その後は存外、ご無音(ぶいん)に打ち過ぎ、失礼いたしました
・感謝至極に存じます
・何卒(なにとぞ)悪しからずご海容ください
・略儀ではございますが、寸書にてお礼申し上げます
・この先も倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます
・時節柄、何卒ご自愛専一にてご活躍ください
・末筆ではございますが、皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

「御事」(おんこと)
1、人を敬って、その人に関する事柄をいう語。
2、貴人を敬って、その誕生や死を婉曲にいう語。
3、人を敬っていう語。おひと。おかた。

「無音」(ぶいん)
久しく便りをしないこと。音信がとだえること。無沙汰。
「打ち過ぎる」の「打ち」は、「過ぎる」を強めていて、
日数や時間が経過することを表しています。

「至極」(しごく)[接尾語]
この上なく…である。まったく…だ。千万(せんばん)。
残念至極・迷惑至極・乱暴至極

「海容」(かいよう)
海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。
主に手紙文で用いる。

「倍旧」(ばいきゅう)
以前よりも程度が増すこと。

「ご自愛専一」(ごじあいせんいつ)
まず第一に自分自身を大切になさってください。
という意味。
・ご自愛専一にお過ごしください
・歳末御多忙の折柄、ご自愛専一に

「ご健勝」
個人や家族の健康を祝う言葉なので、
企業や団体に対する文書には適しません。
「ご清栄」は会社・個人とも可。


Q 漢字足し算パズル
1、周+少+止+言=□□
2、升+各+日+木=□□
3、辛+夫+貝+夫+舌=□□
4、心+頁+公+客+糸=□□
5、口+斤+口+立+口+木=□□
6、日+士+日+日+糸+口=□□
7、木+乞+早+品+十+火=□□






<答え>
1、歩調
2、昇格
3、賛辞
4、総額
5、新品
6、結晶
7、乾燥
posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする