2019年09月29日

ことわざ「転がる石」

A rolling stone gathers no moss.
転がる石は苔をつけない。

皆さんはこのことわざをどう理解されていますか?
英国生まれのことわざですが、
英と米では解釈に違いがあります。

〔英〕 苔をプラス評価
職業や住まいを転々とする人は成功できない。
「石の上にも三年」的な考え方です。

〔米〕 苔をマイナス評価
たえず動き回っている人は苔などつかず輝いている。
「流れる水は腐らず」に近い考え方。

英と米で相反する意味になっているのが印象的です。

ことわざには相反するものがたくさんありますね。
「当たって砕けろ」/「石橋を叩いて渡る」
「善は急げ」/「急がば回れ」
「二度あることは三度ある」/「三度目の正直」


ここで、アフリカのことわざを2つ紹介します。

◎ラクダは重い荷物には耐えられるが、
縛り方の悪いロープには耐えられない。

大変な仕事には耐えられるけれど、
納得のいかない理不尽な指示には耐えられない。

◎斧は忘れる。木は忘れない。

加害者は忘れるが、被害者は忘れない。


似ていることわざを並べてみました。
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〇毒を食らわば皿まで
〇尾を踏まば頭まで
〇乗り掛かった舟

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〇乾坤一擲(けんこんいってき)
〇一か八か(いちがばちか)
〇当たって砕けろ

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〇帯に短し襷に長し
〇六日の菖蒲十日の菊

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〇蛙の子は蛙
〇瓜の蔓に茄子はならぬ

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〇医者の不養生
〇紺屋の白袴

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〇二頭を追う者は一頭をも得ず
〇虻蜂取らず

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〇絵にかいた餅
〇捕らぬ狸の皮算用

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〇他山の石
〇人の振り見て我が振り直せ

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〇人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)
〇禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
〇沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり)









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2019年09月22日

間違えやすい言葉

●「ず」と「づ」
〇うなずく
×うなづく

項(うなじ)突く から。

「づ」ではなく「ず」
「頷く」という一つの漢字で表記されるなど、
「突く」という意味合いが消えて、
「うなずく」という一括りの言葉になっているため。


●「色をなす」
〇 無礼な応対に彼は色をなした。
× 恐怖のあまり彼は色をなした。

「色」とは、顔色や表情のこと。
怒って顔色を変えることを「色をなす」と言います。
一方、恐怖におののくと顔色は青ざめます。
この場合は「色を失う」という表現があります。


●「濁さず」/「汚さず」
〇 立つ鳥跡を濁さず
× 飛ぶ鳥後を汚さず

立つ/飛ぶ、跡/後、濁/汚
よく似たポイントが3つもあります。
「たつとりあとをにごさず」
立ち去る者は、見苦しくないようきれいに始末をしていくべきという戒め。
また、引き際は美しくあるべきだということ。

「濁」ダク・ジョク
1、水がにごる。
2、行いなどがけがれている。

「濁度」(だくど)
水の濁りの程度を示す基準。

「汚」オ
1、よごす。よごれる。
2、行為・評判などをけがす。けがれる。

「汚れ」(けがれ)
清潔さ、純粋さなどを失うこと。

「けがれ」は内面的なもの。
「よごれ」は物理的にきたないこと。


●「るいがおよぶ」
〇 わが身に累が及ぶ
× わが身に類が及ぶ

「累が及ぶ」
他人の災いが自分の身にもふりかかる。巻き添えを食う。

「累」の原意は “糸を順序よく重ねる” こと。
ここでは “関わり” の意。

「類」
1、なかま。
2、にる。似ている。
3、区別する。


●「ならない」?
〇 一方ならぬ
× 一方ならない

「一方」に断定の助動詞「なり」の未然形「なら」がついて、
さらに打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」がついたもの。
「なり」も「ず」も古語なので、「一方ならぬ」も古語。
「一方ならない」
打消の助動詞「ず」を現在の助動詞「ない」に置き換えて
「ならない」となったものと思われます。
「一方ならぬ」は今でも令状や賀状で使われています。
「一方ならぬ○○○を賜り、・・・」
お引き立て/ご高配/ご愛顧/ご厚情
ご支援/ご用命/ご協力/ご指導


●「間違え」/「間違い」
〇 間違えやすい
〇 間違いやすい

どちらも正しい。
「え」下一段活用動詞「間違える」の連用形「間違え」に
形容詞「やすい」が接尾語の役割としてついたもの。
「い」五段活用動詞「間違う」の連用形「間違い」に
「やすい」がついたもの。








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2019年09月15日

なんなら

[副詞]
「なになら」(何なら)の音変化。

1、もしよければ。
相手が実現を希望していることを仮定する気持ちを表す。
・何なら私のほうからお電話します。

2、気に入らないなら。
相手がそれを希望しないことを仮定する気持ちを表す。
・ビールがなんなら日本酒にしましょうか。

何 = あなたの望み・意向・欲求など
相手の気持ちを察して、
1、必要があれば。お望みならば。
2、差し支えることがあるなら。おいやならば。

1、(あなたが希望するなら)私のほうからお電話します。
2、ビールが(お嫌い)なら日本酒にしましょうか
( )の部分をぼかした言い方が「なんなら」です。

本来の「なんなら」は、
相手のために何かを提案するという文脈で使われます。

〔伝統的用法〕
・あしたは朝寝坊していいよ。
なんなら、昼過ぎまで寝ててもいいよ。
・うまくできなくてもかまいません。
なんなら、お手伝いしましょうか。

〔近年多い誤用〕
“提案” とは関係のない文脈で使われています。

・彼はいつも朝寝坊だ。
なんなら、昼過ぎまで寝ていることもある。
・うまくできなくてもかまいません。
なんなら、まったくできなくても大丈夫です。

「なんなら」が
“さらに” “加えて” “かえって” “むしろ”
といった意味で使われているようです。

「なんなら」は、相手に配慮した言い方ですけど、
私にはぞんざいな物言いに聞こえます。
「なんだったら」もちょっと嫌な感じ。
使うなら「なんでしたら」でしょう。

こんなぼかした言い方もよく聞きます。
・こんなこと言うのもなんですが
・こう言ってはなんですが
・自分で言うのもなんですが
・ここで話すのもなんですから


もう一つ、気になっている語が、
「でして」
・ただいまこの商品は品切れ中でして
・鈴木は明日まで出張中でして
・この件は調査中でして

これも私だけの感覚かもしれませんが、
女性が使うのには違和感があります。

「〜でして」
原因理由 =なので
助動詞「です」の連用形「でし」
原因理由を表す接続助詞「て」
複合助動詞

「なので」
助動詞「だ」の連体形「な」
原因理由を表す接続助詞「ので」

「ですので」
「なので」の丁寧形。

「ですから」
助動詞「です」
接続助詞「から」
「だから」の丁寧形。



「何」の訓読みは「ナニ」と「ナン」があります。
「ナニ」--- どんな(もの) “質”
「ナン」--- いくつ “数”

「何色」(ナニイロ)--- 赤/白/黒
「何色」(ナンショク)--- 2色/3色/12色

「何人」(ナニジン)--- 日本人/英国人
「何人」(ナンニン)--- 2人/10人

「何県」(ナニケン)--- 佐賀県/千葉県
「何県」(ナンケン)--- 1県/2県









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2019年09月08日

金に糸目をつけない

惜しげもなく金を使うこと。

「糸目」は揚げた凧のバランスをとるためにつける糸。
糸目をつけていな凧は制御できないため、
風に任せて飛んでいってしまうことから。

「糸目」のことがわからないとピンとこない言葉です。
凧に付けた何本かの糸目をどこで束ねるかによって、
凧の風に対する傾き方が違ってきます。
凧が空中で安定するかどうかは、
糸目の中心がどこにあるかが大きく影響します。
バランスを保つための要が糸目の中心といえます。
http://jblog.takoaki.com/?eid=1090883

いつか、金に糸目をつけずに使ってみたいものです。

他にも、お金にまつわる言葉を拾ってみました。

●「金を無心する」(かねをむしんする)
「無心する」と動詞の時、
“金銭をねだる” という意になります。
心配りが無いこと → 思慮にかけること
→ 相手のことを思いやることなく金銭や物品をねだる

無の心がなぜ金をねだることになるのか不思議でしたが、
「無心」には “思慮に欠ける” や “無情” の意もありました。


●「手元不如意」(てもとふにょい)
不如意は「意の如くならず」の意。
当座の持ち合せが無い、懐がさびしい。

「不如意」
1、経済的に苦しいこと。
2、思い通りにならないこと。

品のある言いかたですね。
「先立つ物がない」もオブラートに包んだ表現です。



<金にまつわることわざ>

●「無い時の辛抱ある時の倹約」
お金がない時には借金をせずに辛抱し、
お金がある時には浪費を避けて倹約するのが賢明。


●「阿弥陀の光も銭次第」
仏様のご利益も賽銭の多寡で決まる。


●「大きな家には大きな風」
家が大きければ吹き付ける風も大きいように、
お金持ちにはお金持ちの悩みがある。


●「金は三欠くに溜まる」
義理、人情、交際を欠いてこそお金はたまるもの。


●「大費いより小費い」(おおづかいよりこづかい)
たまの大きな出費よりも、日常の細かな出費のほうが総額では大きな比重を占める。
大きなことよりも、むしろ小さなことに心を配ることが大切であるという教え。









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2019年09月01日

恬として(てんとして)

平気でいるさま。何も気にしないさま。平然。

・恬として動じない
・恬として恥じない
・恬として顧みない

言葉としては聞き知っていましたが、
「恬」という漢字は知りませんでした。

「恬」テン
やすい。やすらか。やすんずる。しずか。
あっさりしている。こだわらない。

「恬淡」(てんたん)
こだわりがなく、あっさりしている。

「恬然」(てんぜん)
物事にこだわらず平然としているさま。


「あっさり」の語源
「浅し」(あさし)の語幹「あさ」+ 接尾辞「り」
→「あさり」→ 促音挿入 →「あっさり」
接尾辞「り」は、
「さっぱり」「うっかり」「まったり」等の「り」と同じ。

「さっぱり」の語源
「爽やか」(さはやか)の語根「さは」
→ 促音化して「さっぱ」(副詞)
→ 近世頃から「さっぱり」


・獏とした不安(ばくとした ふあん)
・厳に戒める(げんに いましめる)
・寂として声なし(せきとして こえなし)
・機を見るに敏(きをみるにびん)
・明にして寛(めいにしてかん)
「明なれども、察に及ばず 寛なれども、縦に至らず」
明晰ではあるが、あまり細かいところ(察)まで見過ぎない。
寛大ではあるが、放縦ではない。

こういった引き締まった表現もいいですね。


話しは変わりますが、
私は「舟運」という語を最近知りました。
東京都が船の活用を進めているというニュースの中で耳にしました。

「舟運」(しゅううん)
舟による交通や輸送。

「舟」-- 小型で手漕ぎのもの。
「船」-- 大型で動力がついたもの。


東京都は2016年度から
舟運が身近な観光・交通手段として定着し、
水辺のにぎわいを創出する取組を進めています。










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