2019年11月24日

体の呼び名

「おとがい」「こむら」「ひかがみ」
体のどこの部分かわかりますか?

●「旋毛」(つむじ)
髪の毛の渦を旋風(つむじかぜ)に見立てたもの。

●「首/頸/頚」(くび)
「首」
頭と胴をつなぐ部分を含め、そこから上の部分。
「首」は髪と目を強調した象形文字で、
本来は “頭” を意味していました。
「頚」は「頸」の俗字。
「頸部」=「頚部」(けいぶ)
頭と胴を繋ぐ部分に限定。

●「耳朶」(じだ/みみたぶ)
「朶」--- 枝などが垂れ下がる。

●「瞳/眸」(ひとみ)
瞳の「童」は “穴を通す” 意。
眼球を突き抜ける穴 = 瞳孔
眸の「牟」は “もとめる” “むさぼる” 意。
まぶたを押しのけて見る目の意。
「瞳」が目の中の黒い部分を指すのに対して、
「眸」は見開いた目玉。“目を見開いてよく見る” 意を含む。

●「瞼/目蓋」(まぶた)、「眼瞼」(がんけん)

●「眦/眥」(まなじり)= 目じり
目(ま)の後(しり)の意。
・まなじりをつり上げる
・まなじりが白く光っていた

●「鼻溝」 (はなみぞ)= 人中(じんちゅう/にんちゅう)

●「顎/頤」(あご)
「頤」(おとがい)--- 下あご。あご。
解剖学用語では「オトガイ」と表記し、下顎骨の先端部をさします。

●「項」(うなじ)--- 首の後ろ部分。

●「盆の窪」(ぼんのくぼ)
首の後ろ側中央のくぼんだところ。

●「腕」(うで/かいな)

●「二の腕」(にのうで)
●「一の腕」(いちのうで)

●「肘/肱/臂」(ひじ)
古くは、
肩から肘までを「かいな」と言い、
肘から手首までを「うで」と言いました。
「肱」=「二の腕」元は肩から肘までの部分。
「臂」=「一の腕」元は肘から手首までの部分。
「上腕部」(じょうわんぶ)に対して “下” ではなく、「前腕部」(ぜんわんぶ)です。
昔は肩から手首までの部分に「膊」を用いていましたが、字がむずかしいので「腕」になったとのこと。
「上膊」(じょうはく)= 上腕の旧称
「前膊」(ぜんはく)=「下膊」(かはく)= 前腕の旧称。

●「手の甲」(てのこう)

●「掌」(てのひら/たなごごろ)
「たなごころ」の「た」は手(て)の交替形。
「たむけ」「たおる」などと同じ「た」。
「な」は「の」にあたる連体助詞。
「たな」= 手の
「たなごころ」= 手の心
「心」には3通りの解釈があります。
1)“中心” の意。
2)心(うら)と同源である “裏” の意。
3)中国語の “掌(手心)” の意。

●「大腿」(だいたい)--- 太もも

●「下腿」(かたい)--- 膝から足首までの部分
「腿」(たい)--- ももとすねの総称。

●「膝」(ひざ/ひかがみ)
「ひかがみ」--- 膝の後ろのくぼんだところ

●「脛」(すね/はぎ)

●「腓」(こむら/ふくらはぎ)
「こむら」は「こむら返り」という語と方言に残っています。

●「踝」(くるぶし)
元は「つぶふし」(粒節)。
詳細な語源についてはこちら▽
http://ppnetwork.seesaa.net/article/458644074.html

●「踵」(かかと/きびす)
「きびすを返す」という慣用句があります。
後戻りする。引き返す。

●「足背」(そくはい)--- 足の甲

●「足裏/蹠」(あしうら)
「足蹠」(そくせき)--- 足の裏。足底。
足のゆびは「趾」(ゆび)。

体の呼び名には別名があったり、複数の表記や難しい漢字も多いですね。








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2019年11月17日

わかりみ

先日、ラジオから言葉のQ&Aが耳に入ってきました。
思い出しながら紹介します。
「み」という接尾語があります。
*
形容詞または形容動詞の語幹に付いて名詞をつくる。
「さ」と比べると使われ方は限られる。
*
<「み」のつく名詞>
厚み・重み・苦み・赤み・面白み・真剣み

<「さ」のつく名詞>
暖かさ・会いたさ・見たさ・つらさ・深さ

最近は若い人の間で「み」の付く名詞が広がり、浸透しつつあります。
「わかりみ」「おいしみ」「ねむみ」「やさしみ」
「やばみ」「つらみ」「うれしみ」
「辛み」(つらみ)は最近できたような気がしましたが、辞書にも載っています。
そういえば、「恨み辛み」って言いますね。
・わかりみが深い
・まだ眠みを感じる
・行きたみがある
・心配みが深まる
・もっと新しいおいしみを!
ピザハットには「おいしみ 4」という商品があります。

どうして「〇〇み」が増えたのか!?
「〇〇み」と言うと、
“客観化。引いた感じ” になり、あまり自己主張をしたくない若者に好まれたのでは。

Webにも解説記事がありました。
“感情の温度を下げる” というもの。
「行きたみ」とすると、
「行きたい」という感情が主体を離れます。
「めっちゃ行きたい」よりも「行きたみがある」の方が、感情の温度が低くなります。
「○○み」は自己を隠し、他人に同化しようとする日本人的な言い回しといえそうです。

●「させていただく」を使ってもいい。
謙譲語「ご」は何でも使えるわけではありません。
×ご中止 ×ご開催
へり下りが足りないと感じるため、「させていただく」で補っている。
・中止させていただきます。
初めて聞く解釈でした。

●「よろしかったでしょうか」は正しい。
「ポテトはよろしかったでしょうか」
「ご注文のほう、以上でよろしかったでしょうか」
こういった言い方に対して、
「よろしいでしょうか」でいいじゃないかという意見があります。
私もそう思っていました。
ところが、
「よろしかったでしょうか」は間違った言い方はではないようです。
敬語の本質は “距離を保つ” “隔たりを置く” こと。
過去形にすることで距離感が表現されると考えます。

Webには大阪外大・小矢野哲夫教授の解釈がありました。
「よろしかったでしょうか」は誤用ではなく、
適切な用法であると明言されています。
この過去形は寺村秀夫の「叙想的テンス」の用法で、聞き手に確認を要求する用法。
「叙想的テンス」は、いま起こっていることにもかかわらず、過去形の「た」で表現するもの。
確認/念押し/発見/思い出し・・
私たちは意識せず、過去形を使っています。
「鍵があった!」
「今日は誕生日だった!」
「お名前、何でしたっけ?」
北海道では丁寧な表現として、
現在のことを過去形で言う表現があります。
「おばんでした」
「まいど様でした」
電話では「田中でした」というように、
過去形で名乗る人が多いそうです。

そうえいば、
「ありがとうございました」
「おめでとうございました」
って、言いますね。







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2019年11月10日

さんざめく

「さざめく」の音変化。
「ざんざめく」ともいう。
ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる。にぎやかに騒ぐ。

「ささめく」「さざめく」「ざざめく」・・
似た言葉がありますが、どう違うのでしょう?

「さんざめく」は「さざめく」の雅語。
「さざめく」の元は「ささめく」です。

古語「ささめく」
「ささ」は擬声語。「めく」は接尾語。
ひそひそと話す。ささやく。

古語「ざざめく」
「ざざ」は擬声語。
騒がしい音を立てる。がやがやする。ざわざわする。

「ささめく」は古くは2つの意味を持っていました。
“ささやく” という意味と、
“ざわざわする” という意味です。
そして、“ざわざわ” の意味の時は、
強調して「ざざめく」「さざめく」とも表記していました。

「さざめく」
古くは「ざざめく」
にぎやかに声を立てて騒ぐ。

古語「ささめく」は相反する意味を持っていましたが、
その後、
「ささめく」は “ささやく” という意味だけが残り、
“ざわざわする” の意味では
「さざめく」が使われるようになりました。
現代では、「ささめく」と「さざめく」は別個のものとして辞書に載っています。

「さんざめく」は音を表す言葉でしたが、
現在は音に限らずいろいろな所で使われています。
私もキラキラしているイメージが浮かびます。
詩や俳句などでは、
「さんざめく」は「光」「歌」などに、
「ささめく」は「風」「葉」「声」などにかかることが多いようです。

Webから「さんざめく」を拾ってみました。

〇森山直太朗 「さくら」
さくら さくら いざ舞い上がれ 永遠にさんざめく光を浴びて

〇夏川りみ 「満天の星」
さんざめく天河 星晴りてぃ流り船 かぬしゃまぬ笛む音

〇谷村新司 「昴」
さんざめく名も無き星たちよ せめて鮮やかに その身を終われよ

〇米津玄師 「春雷」
嗄れた心も さざめく秘密も 気がつけば粉々になって・・

他にも、
「海」「波」「潮騒」「海岸」
「せせらぎ」「麦」「初夏」「祭」
「歌」「声」「笑い」「街」「日々」
などがさんざめいていました。
もはや「さんざめく」は意味が広がっていると言っていいかもしれません。

古語「ささらぐ」
さらさらと音を立てて水が流れる。

古語「ささめごと」(私語)
ひそひそ話。ないしょ話。
特に、男女間の恋の語らいをいう。

「ささめごと」って、きれいな言葉ですね。
漢字にすると「私語」ですが、
現在の「私語」は「しご」
意味は、
1、ひそかに話すこと。ささやくこと。
2、公の場であるにもかかわらず、
自分たちだけでひそひそと勝手な話をすること。
専ら、“勝手なひそひそ話し” の意味で使われていて、味気ない言葉になっています。









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2019年11月03日

わざわざ

Webの質問コーナーに
「きょうはわざわざお越しいただき、ありがとうございます」
と言われて、
もしかして来たらいけなかったのかなと、少し不安になりました。
という投稿です。
皆さんはこの「わざわざ」をどう感じましたか?

「わざわざ」
1、他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。
2、しなくてもよいことをことさらするさま。

「わざわざ」にはプラス評価とマイナス評価があり、
若い人は年配者に比べて、マイナスイメージでとらえる人が多いようです。

「わざわざ」の語源は、
「わざわざし」(態々し)= わざとがまし
ことさらに意識したようすである。わざとらしい。

「わざわざし」は「わざと」の畳語。

「わざと」(態と)
名詞「わざ」(業)+ 格助詞「と」
意識的に何かをするさま。ことさら。故意に。

“意識的に行うさま” という意味が転じて、
“あえて、しなくてもよいことを行う” という意味が生まれ、
ポジティブな意味合いでも使われるようになりました。

(+)期待以上
・わざわざご連絡頂いただきましてありがとうございます。
・鈴木先生にわざわざ来ていただきました。
・わざわざ忘れ物を届けてくれた。

(−)余計なこと
・私がなるべく気にしないようにしてることを彼女はわざわざ言ってくる。
・嫌いな人のSNSをわざわざ見てしまう。

自分の行いに対して使うと、恩着せがましい言い方になります。
・わざわざ遠回りしてケーキを買ってきたのよ。
・今日の会議のために、わざわざ残業して資料を揃えておいたのに。
・忙しい中、わざわざ出かけて行ったのに留守だった。

「わざわざ」はお断りするときや遠慮するときに使うと、不快にさせてしまう可能性があります。
「わざわざ○○していただかなくても」
のように否定形の文章になると、拒否や拒絶と思われかねません。
・わざわざ来ていただく必要はございません。
・わざわざお越しいただかなくても、こちらの方からお伺いいたしましたのに。

相手の厚意に対して使う「わざわざ」は、感謝を表す丁寧な表現になりますが、ネガティブに受け取る人もいるので気をつける必要があります。
「ご丁寧に」「格別に」「お忙しい中」といった表現に言い換えてもいいですね。

「わざわざ」で検索すると、
長野県のパンと雑貨のお店が出てきました。
https://waza2.com/about
店名「わざわざ」は、“わざわざ山の上まで足を運んで頂いてありがとうございます”
という感謝からです。









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