2019年12月29日

しょっちゅう

〔副詞〕
いつも。しじゅう。絶えず。

「しょっちゅう」はよく口にしますが、
はて、漢字はどう書くのでしょう。

漢字は当てられていません。
そもそも、「しょっちゅう」は くだけた話し言葉で、書くことはあまりないですね。
由来は「初中後」あるいは「初中終」説があります。

「初中後」(しょっちゅうご)
物事を <初め> <中頃> <終わり> の3段階に分けたもの。
中世の芸道、文芸論などで使った用語。

<< [初中後]説 >>
初中後 → 略されて「初中」(しょちゅう)
→ 促音が入って「しょっちゅう」
3段階の意味が転じて、
“初めから終わりまで” という意に。

<< 仏教由来の[初中終]説 >>
「初めも善く、中ほども善く、終わりも善く、道理と表現とを兼ねそなえた法を説け」という言葉から。
それが「初中終」と縮めて言われ、
後に「しょっちゅう」と訛ったもの。

「しょっちゅう」は、慢性的に繰り返されていることに使います。
・彼女は待ち合わせにしょっちゅう遅れる。
・彼はしょっちゅう忘れ物をする。
・このようなトラブルはしょっちゅうです。

「のべつ」
絶え間なく続くさま。ひっきりなしに。
・のべつ子供を叱っていた。

「のべつ幕無し」(のべつまくなし)
芝居で幕を引かずに演技を続ける意から。
ひっきりなしに続くさま。
・のべつ幕無しにしゃべっている

「始終」(しじゅう)
1、物事の始めと終わり。
2、事柄の成り行きの、始めから終わりまでの全部。
〔副詞〕
絶え間ないさま。頻繁に行われるさま。いつも。しょっちゅう。
・始終監視されている。
・仕事もせずに始終ぶらぶらしている。

「終始」(しゅうし)
1、物事の始めと終わり。
2、同じ態度・状態・内容などが、始めから終わりまで続くこと。
3、始めから終わりまで全部。始終。多く副詞的に用いる。
・論理的に終始を貫く発言。
・終始積極的に攻める。

「終始一貫」(しゅうしいっかん)
態度・状態などが、始めから終わりまでずっと変わらないこと。
・被告は終始一貫、無実を訴え続けている。

3つに分けるといえば、
「真行草」(しんぎょうそう)があります。
書の書体、「真書」(楷書)/「行書」/「草書」からきています。
「真」(楷書)-- 字の本来の形のもの。
「草」(草書)-- 最も崩したもの。
「行」(行書)-- その中間。
転じて、
華道・茶道・絵画などの芸道における表現法の三体。
「真」を正格とする位置づけです。


「守破離」(しゅはり)
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。

「守」
師や流派の教え・型・技を忠実に守り、確実に身につける段階。

「破」
良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。

「離」
一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。


身近なところでは「松竹梅」「大中小」ですね。







posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月22日

滅相もない(めっそうもない)

とんでもない。あるべきことではない。

1、褒められたことに対して謙虚に否定する「とんでもない」
2、相手の言を強く否定する「とんでもない!」

「とんでもない」より「滅相もない」の方が謙虚な言い方になります。
より丁寧に言うならば、
「滅相もないです」
「滅相もないことです」
「滅相もないことでございます」


●「滅相」(めっそう)
[名]仏教語。
1、有為四相の一。現在が滅して過去にはいる相。
2、真如が不変で、寂滅であること。
[形容動動]
とんでもないさま。程度のはなはだしいさま。
・滅相なことを言うものではない。

“有為四相”とか“真如が不変”とか、何ですか?
噛み砕きます。

「有為」(うい)
因縁によって起こる現象。

「四相」(しそう)
万物が出現し消滅していく4つの段階。
<生相> <住相> <異相> <滅相>
<生> 生まれる
<住> 存在する
<異> 変化する
<滅> なくなる

人の一生にたとえると、<生> <老> <病> <死>
生き続けたいと願う人間には、
<滅相>は “有ってはならぬこと” “思いもよらぬこと”
→ とんでもない
・有為転変の世の習いを忘れるなど、滅相もないことである。

「有為転変」(ういてんぺん)
世の中のすべての現象や存在は常に移り変わるものであって、決して一定しているものではないということ。
この世が無常で、はかないものであるたとえ。

「真如」(しんにょ)
ものの真実の姿。普遍的な真理。

「寂滅」(じゃくめつ)
1、煩悩の境地を離れ、悟りの境地に入ること。涅槃。
2、消滅すること。死ぬこと。


●「滅法」(めっぽう)
[名]仏教語。
1 因縁によって生じたのではないもの。無為法。
2 涅槃のこと。 仏の悟りを得た境地。
[形容動動]
道理にはずれるさま。常識を超えているさま。
[副詞]
並々でないこと。度はずれていること。法外。
・けんかが滅法強い
・朝方は滅法冷える


「方便」も仏教語です。
「嘘も方便」(うそもほうべん)
嘘をつくことは悪いことだが、
時と場合によっては必要なこともあるということ。

「方便」(ほうべん)
インドの「ウパーヤ」という言葉を翻訳した言葉で、
目的に “近づく” という意味。
目的に近づける “手段” を方便といいます。
悩み苦しむ人々を悟りの世界へ導くために、仏様がなされるのが方便。

「従仮入真」(じゅうけにゅうしん)
「仮より真に入る」と読みます。
「仮」とは方便のことで、目的を果たす手段。
「真」とは、仏教の目的である真実の世界のこと。

「出世間」(しゅっせけん)
煩悩などのけがれに汚染された、この世界のすべての存在を「世間」というのに対し、それを超越しているものをさす。










posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月14日

悩ましい「固」「堅」「硬」

「かたい」という漢字は、いつも変換時に悩みます。
説明は読んでいるんですが、
実際に使う段になると、また迷います。

「固」「堅」「硬」
反対語を考えると理解しやすいと解説されています。
「固い」⇔「ゆるい」 *広く一般に使う
「堅い」⇔「もろい」 *人や物の性質
「硬い」⇔「軟らかい」 *物の状態や人の態度

「固」 コ・かた-める・かた-まる・かた-い
1、かためる。かたまる。かたい。
2、かたくな。
3、もとより。はじめから。
固持・強固・頑固

「堅」 ケン・かた-い
1、かたい。
2、しっかりしている。
堅持・堅実・堅物

「硬」 コウ・かた-い
1、かたい。かたいもの。
2、つよい。手ごわい。
3、ぎこちない。
硬派・硬球・生硬

使用例を見てみましょう。
「固い」
・頭が固い・団結が固い・固く信じる

「堅い」
・堅い木材・手堅い商売・堅い決心

「硬い」
硬い鉛筆・麺が硬い・硬い表現・表情が硬い

<迷いが見られるもの>
〇かたいパン
かたいパン ⇔ やわらかいパン
とすれば「硬」ですが、
「堅いパン」や「固いパン」も見られます。
Web検索では、
硬いパン:670万件、堅いパン:200万件でした。

〇身持ちがかたい
「固い」と「堅い」が見られますが、
「固い」のほうが多いです。

やっぱり悩ましいですね。


最後に、
お役所的硬い言葉を拾ってみました。

「同盟罷業」(どうめいひぎょう)
ストライキ。

「罷業」(ひぎょう)
業務・作業をやめること。

「怠業」(たいぎょう)
サボタージュ。
労働者の争議戦術の一つとして、仕事の能率を低下させること。
・職場ごとに怠業に入る

「証憑」(しょうひょう)
1、事実を証明する根拠となるもの。証拠。
2、裁判所や捜査機関が刑罰を判断するのに必要な一切の資料。








posted by 空凛 at 12:35| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月08日

回文(かいぶん)

上から読んでも下から読んでも同じになる文句。

短いものなら、なんとかひねりだせるかもしれませんが、長文となると、私にはもうミラクルな世界です。
回文なんて、そうはないだろうと思っていましたが、本やWebで探してみると、想像以上にありました。
まあ、強引なものも多いですが。

自然な感じのものを紹介します。
・色白い(いろしろい)
・タフなふた(たふなふた)
・占い習う(うらないならう)
・妻が待つ(つまがまつ)
・留守にする(るすにする)
・キツネ憑き(きつねつき)
・無駄なダム(むだなだむ)
・アニマルマニア
・イカした歯科医(いかしたしかい)
・この子どこの子(このこどこのこ)
・いるだけでけだるい
・わたし負けましたわ(わたしまけましたわ)
・つまんねえ年末(つまんねえねんまつ)
・筋肉ボディで僕人気(きんにくぼでぃでぼくにんき)
・けだるき一日、生きるだけ(けだるきいちにちいきるだけ)
・世の中ね、顔かお金かなのよ(よのなかねかおかおかねかなのよ)
・しきりといばるアルバイト力士(しきりといばるあるばいとりきし)
・酢豚作りモリモリ食ったブス(すぶたつくりもりもりくったぶす)
・内科では薬のリスクはでかいな(ないかではくすりのりすくでかいな)

〇回文メーカー
https://kaibunmaker.com/
〇回文エディタ
https://webtools.dounokouno.com/kaibun/index.html

今回、初めて英語の回文「palindrome」を覗いてみました。
・refer
・level
・radar
・noon
・Top spot
・Step on no pets
・Was it a cat I saw?
・No lemon, no melon

「回文数 Palindromic number」という語もありました。
2桁の回文数は9個
3桁の回文数は90個(101、535、979・・)
4桁の回文数は90個(1331、8558、9009・・)
回文素数:101、131、151、181、191、313・・
回文平方数:121、484、676、10201、12321・・


「怪聞」(かいぶん)
変なうわさ。よくない評判。

「怪聞」はありましたが、「怪文」は辞書にはなく、
「怪文書」として載っていました。

「怪文書」(かいぶんしょ)
中傷・暴露するのが目的の、出所不明の文書。








posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月01日

ラスボス感

「ラスボス感」って何?

元々はゲーム用語として使われていて、ネットを中心に広まった語です。
私はゲームをしないので、つい最近耳に入ってきた語でした。
「ラスボス」とは「ラストボス」の略で、“最後に出てくるボス” の意。
ゲームの節目で「ボス」と呼ばれる敵が現れますが、ボスの中でも、ゲームの最終面に辿り着いた時に現れるのが大きくて圧倒的な強さを持つ「ラスボス」。
闇世界の支配者、魔王といったイメージ。

「ラスボス感」
ラスボスを彷彿とさせる、という意味で用いられます。
威圧的で人を寄せ付けないオーラをまとった人を指すことが多いようですが、個人によって振れ幅があるようです。
人のみならず様々な場面でも使われています。

最近の若者はどんな語を生み出しているのでしょう。
Webをちょっと覗いてみました。
私でも使えると思った語がいくつかありました。

「パワーワード」
強烈なインパクトを残す言葉。

「沸いた」
テンションが上がって興奮した状態。

「秒で」
すぐに。急いで。

「(語彙力)」
発言の末尾に(語彙力)と付けて、
“表す言葉がないくらい素晴らしい” といった気持ちを表現。
自分のボキャブラリーの無さを皮肉るものです。
「ヤバい」「可愛い」といった、ありきたりの言葉とセットになっています。
・靴がやべーほど水を吸っててヤバい(語彙力)
・コンビニで買ったプリン、ちょーうま(語彙力)
・ソラテラスがとんでもなく絶景だった(語彙力)

前々回「〇〇み」を取り上げましたが、
ぼかし系表現に関するWeb上の文献を見ると、
若者が編み出す表現って、あなどれないと思いました。
振り返れば、
1980年ころからぼかす表現が若い世代に広まりました。
「とか」「〜みたいな」「〜的な」
・消しゴムとか、借りたりしていい?
・もう会いたくない、みたいな・・
・僕的には大丈夫だけど。

1980年以降の日本は物質的に豊かになり、個性や多様性が尊重される社会になりました。
言葉に対してもある程度、自由を許容する雰囲気もあり、若者の緩い遊びのある表現が生まれたのではないでしょうか。

ぼかしや婉曲表現の底には “遠慮” という心理があります。
遠慮意識が相手の領域に直接踏み込まない表現を取らせ、それが丁寧さを感じさせることになっています。
「あなた」は元々は遠称方向詞でした。
それが江戸時代に敬意のある対称詞になります。
「辺り」「など」「の方」もぼかす言い方です。
・この辺りで終わりにしましょう。
・私などもそのように考えております。
・部長の方からご説明をお願いします。

「・・と思います」もよく聞かれます。
私もよく使います。
ソフトな言い方ですが、あまり多用すると、自信なさげに聞こえてしまいますね。









posted by 空凛 at 08:00| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする