2010年06月13日

「売り」と「買い」

私は「ばいしゅう」と書く時、一瞬「売」と「買」で迷ってしまうことがあります。
読みが同じ「バイ」なのが紛らわしい。

「ばいか」「けいばい」「ばいでん」と聞いたら、
まあ、「売価」「競売」「売電」が先に立つでしょうが、
「売価」/「買価」
「競売」/「競買」
「売電」/「買電」
どっちの熟語も存在します。
法律用語としては、「けいばい」/「けいがい」と読み分けます。

そもそも「売」「買」というのは、
取引の局面を双方から見たもので、お金と品物を交換する点では同じ行為。
「売」という字は、
旧字が「賣」で、「出」「買」を合わせた字です。
品物を出す行為が「売」というわけです。

「買」は、
四の部分が「網」を表していて、
貝は「財貨」
網で覆うように物を買い占めて利益を得る意。

「売り渡し」−「買い受け」
「売却」−「購買」
「売り言葉に買い言葉」
「売れ足」「売れ口」「売れ先」「売れ筋」「売れ線」
「切り売り」「掛け売り」「受け売り」
「売国奴」「売店」「売文」「売名」「売約」「売れっこ」
「買い物」「買い出し」「買い付け」「買い占め」「買いかぶる」

「受け売り/請け売り」とは、
1、製造元・問屋などから卸してきた品を転売すること。
2、ある人の意見や学説をそのまま他人に説くこと。

「受け売り」は、2の意味しか知りませんでしたが、商売のほうからきてたんですね。
商売では「売」目線になるため「売」の語が多いですね。

珍しい語としては、
「売卜」(ばいぼく)
報酬を得て、占いをすること。

「売僧」「まいす」
1、商売をする僧。仏法を種に金品を不当に得る僧。禅宗から起こった語。
2、人をだます者。また、人や僧をののしっていう語。
3、うそ。いつわり。
「マイ」「ス」ともに唐音。
変換できたのにビックリ。

「読売り」(よみうり)とは何でしょう?
瓦版(かわらばん)のこと。
江戸時代、世間の出来事を速報した瓦版1枚または数枚刷りの印刷物を、内容を読み聞かせながら売り歩いたことから。
瓦版といってもほとんど木版摺りだったようです。

もっと以前、中世から見られたのが、
「落書」(らくしょ)
政治・世相・個人などを批判・風刺した匿名の文書。
人目に触れやすい所に落として人に拾わせたり、相手の家の門・塀に貼りつけたりしました。
短歌の形式をとり、名歌のパロディや歌をもじったりしたものを
「落首」(らくしゅ)と言います。

「落書き」(らくがき)は「落書」から転じたものです。




posted by 空凛 at 21:38| Comment(1) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 読みが同じ「バイ」なのが紛らわしい。

よくぞ仰って下さいました。全く同感です。

覚えている限り,私が最初に具体的に気になったのは,ズバリ「買春」でした。
普通名詞として「売春」「売買春」が
それぞれ「バイシュン」「バイバイシュン」という読みで存在しているところへ,
造語っぽく「買春」という新語(?)が
「かいシュン」という読みで登場し出した頃です。

すぐさま直感的にオカシいと違和感を感じました。
送り仮名「い」すら無い「買春」を「かいシュン」と言い張るなら,
「売春」も「うりシュン」呼ばわりしてくれよと。
じゃないと,釣り合い取れないでしょ? バランスがオカシいでしょ? と。

記事の題目からズレてしまいますが,
釣り合い,バランスという点で最近違和感を感じた新語は,
「離婚活動」を略した「離活」とかいう珍妙な造語です。
先に造られた「結婚活動」の略の「婚活」の対義語というポジションですが,
これはオカシい!!
だって,「離婚活動」を略して「離活」なら,
「結婚活動」の略は「結活」であるべきでしょうに。
どうしても「結婚活動」を「婚活」に変換する省略ルールだというなら,
「離婚活動」だって「婚活」となる筈です。
最早,略語「婚活」からは結婚も離婚も含めて「婚姻活動」としか逆変換できません。
Posted by みな at 2010年07月06日 02:33
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