2017年08月04日

ご機嫌斜め(ごきげんななめ)

「ご機嫌斜め」という言葉は機嫌が悪い状態をいいますが、
元来は「ご機嫌うるわしいこと斜めならず」で、
“ことさら機嫌が良い”というものでした。
古語「斜めならず」(なのめならず/ななめならず)は
“格別だ”の意。
ここで終わればスッキリするのですが、
古語「斜め」(なのめ)を見ると、
1、普通。平凡。
2、いいかげん。
3、格別だ。
並・悪・良と3つの違った意味を持っています。
「斜めならず」が“格別だ”という意味で使われていたのが、
鎌倉時代以降 「斜め」が「斜めならず」の意味で
用いられるようになって意味が変わりました。
このように相反する意味を持つ語はけっこうありそうです。
「言語道断」(ごんごどうだん)もそうです。
・言語道断の放送事故
・主の命にそむくなど言語道断
現在では“とんでもないこと”の意味で使われていますが、
大正時代までは「言葉に出来ないほど素晴らしい」
ということを表しました。
辞書を確認すると、確かにあります。

「言語道断」
1、仏語。奥深い真理は言葉で表現できないこと。
2、言葉で言い表せないほどひどいこと。
3、言葉で言いようもないほど立派なこと。
4、表現しがたいほど驚嘆した気持ちを表す語。
感動詞的に用いられる。

私は「言語道断」を「げんご」と読みそうになります。
「ゲン」と読むのは漢音、「ゴン」と読むのは呉音で、
呉音は仏教系の言葉に多く見られます。

「サバを読む」
昔はサバが腐るのが早かったので
その分を見込んで余分に入れておくという
良心的な商売の事を言ったものですが、
今ではごまかしという意味になっています。

「貴様」(きさま)
漢字が示すように元は敬意をもった語です。
いまではののしりの呼びかけになってしまいました。
もうこの漢字は使えませんね。

「敬遠」 (けいえん)
元は敬いつつも近寄らないことを言いました。
それが“遠ざける”の意味が強くなり、
うわべでは敬っているように見せつつ、
実際は関わりを持たないようにする。
というような意味で用いられるようになり、
さらに“敬い”の意が薄れ、
嫌って避けることを表すようになりました。
畏敬 → 尊敬 → 敬愛 → 親愛 → なれなれしさ → 嫌悪
posted by 空凛 at 08:25| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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