2017年10月01日

矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)

あるものを、いろいろの方面からよく見るようす。

語の構成は、
「たむ」「すがむ」の連用形に
“〜したり” を表す完了の助動詞「つ」

「矯める」(ためる)
ねらいをつける。じっと見る。

「眇む」(すがむ)
片目が細くなる。ひとみが片寄る。

「矯めつ眇めつ」
“じっと見たり片目を細めて見たりする” 意

「矯める」は弓に関わる言葉で、
矢をたわめてみては、それを目元にもっていって、
その強さや曲がり具合を吟味したことから。
転じて、
物事をいろいろな角度から見定めようとする意味に。
「すがむ」は強調的な意味でくっついたもの。
語呂もいいでね。

「矯める/揉める/撓める」(ためる)
1、曲げたりまっすぐにしたりして形を整える。
2、悪い性質やくせなどを直す。矯正する。
3、目をすえて見る。じっと見る。

「矢」由来の語に「伸るか反るか」があります。

「伸るか反るか」(のるかそるか)
私は “うまい話にのる” のように思っていたので、
「伸」と「反」の漢字が意外でした。
「伸る」は、“長く伸びる”や“真っ直ぐ伸びる”こと。
「反る」は“後ろにそる”こと。
矢師が矢を作る時、
「のため型」と呼ばれる竹の曲がりを直す物に入れ、竹を乾燥させます。
そこから取り出した竹が、真っ直ぐに伸びていたら矢として合格品。
少しでも曲がっていたら不良品。
矢師は「のるかそるか」と、成否を気にしながら竹を取り出したんですね。
転じて、
成功するか失敗するかは、一か八か。
今までは「伸るか反るか」というと、丁半博打のイメージでしたが、矢師の真剣な姿に塗り替えられました。

「いくさ」も「矢」由来です。
「戦」「軍」は当て字。
いくさの「いく」は、
矢を「射る」「射交わす」意の
「いくふ」(いくう)、
もしくは、
「まと」(的)を意味する「いくは」の語根。
いくさの「さ」は、
「矢」を意味する「さ」(箭・矢)、
もしくは接尾語の「さ」。
つまり、いくさの語源は “矢を射る” なんです。

他にも、思わぬ語に「矢」が隠れていたりします。

「手ぐすねを引く」
1、弓が滑らないように弓手(ゆんで)に薬煉(くすね)を塗る。
2、十分に用意して敵を待ち受ける。

「くすね」(薬煉)
「くすねり」の略。
松やにと油を練り合わせたもので、粘着力が強い。

他にも、
・満を持す
・的外れ ・的を射る ・的中
・図星
・矢面
・矢先
・矢継ぎ早
・矢の催促
・矢面に立つ
・白羽の矢が立つ
・光陰矢の如し
・弓を引く
・矢庭に(やにわに)
・矢も楯も堪らず(やもたてもたまらず)
・一矢を報いる(いっしをむくいる)

「矢」由来の語が現代までこんなに残っているのは、
何か心に響くものがあるのでしょうね。




posted by 空凛 at 08:35| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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