2017年12月30日

襟度(きんど)

人を受けいれる心の広さ。度量。

「海賊とよばれた男」を読み始めたところで目にした語です。
難しくない漢字の組み合わせですが、意味を推測できませんでした。
故事かと思いましたが、単なる熟語で語源などもありません。
いつものように熟語を分解して納得したいと思います。

「襟」キン
1、えり。
2、胸のうち。心。

「えり」には「襟」と「衿」がありますが、その違いは?
「襟」 *常用漢字
1、衣服のえり。
2、胸。心のうち。

「衿」 *常用漢字ではない
着物のえり。

通常 洋服のえりは「襟」、
和服のえりは「衿」が使われています。

「領」も “えり” の意があります。
首筋。うなじ。着物のえり。

“えり” の熟語に「領袖」があります。
「領袖」(りょうしゅう)
えりとそでは人目に立つところから、
人を率いてその長となる人物。ある集団の中の主となる人物。
「派閥の領袖は・・・」などと政治ニュースで聞かれますが、
用例がほぼ政治関係に限られているような気がします。

次に「度」の意味を確認すると、
意味が9つもあって、その一つに
“示される言動や心の様子” とありました。
度胸・度量・襟度・態度などの熟語があります。
そんな意味があることも知らずに使っていました。

“胸のうち” “心のうち” という意の熟語には、
胸襟・襟懐・心中・胸中・胸裡・胸臆・胸間・胸懐・
といった語があります。

類語に、
「肝胆」(かんたん)という語がありました。
1、肝臓と胆嚢。
2、心の奥底。真実の心。

「肝胆相照らす」(かんたんあいてらす)
お互いの心の底まで打ち明けて親しくつきあうこと。

「肝胆を砕く」(かんたんをくだく)
真心を尽くす。一所懸命になってする。
・計画の実現に肝胆を砕く

一字違いでこんな故事成語も見つけました。

「肺肝を砕く」(はいかんをくだく)
非常に苦心する。心を砕く。

こちらは「肺」と「肝臓」です。
由来は杜甫の詩。
元来は、ひどく失望して心が打ち砕かれる意でしたが、
難問などに苦慮するという意味にも用いられるようになりました。




posted by 空凛 at 09:16| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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