2018年05月16日

なるほど

学者やコメンテーターなどの話しを受けて、
司会者などが「なるほど」という相槌を連発しているのを耳にしますが、
皆さんは気になりませんか?
私はどうしても「なるほど」が上からものを言っているように聞こえてしまうのです。
Webでも「なるほど」が取り上げられていました。

「なるほど」は、
他からの知識・意見や現実の状況などに対して、
その正しさ・合理性などを認める気持ちを表すといわれます。
相手からの情報・意見などである場合には、
評価するというニュアンスが生じるため、
目上の人への相槌としては用いられにくいと考えられます。
一方、
正しさ・合理性を認める対象が現実に観察される状況・事物であれば、
相手の発話を受けての相槌とはなりませんから、
目上の人であっても礼をかくことにはなりません。

やはり不遜であると受取られるようです。

ではどういった相槌があるでしょうか?

「いかにも」は時代がかっていますね。
「ごもっともです」
「おっしゃる通りです」
うーん。どうでしょう。
以外とうまい相槌ってないものですね。

それから、
「なるほどですね」もよく耳にしますが、
これは「なるほど、そうですね」が短縮したもの。
短縮せずに言ったほうがいいようです。

相槌と言えば、
おもしろい狂歌を紹介します。
・世の中は 左様然らば御尤も そうで御座るか確と存ぜぬ
(さよう いかにも ごもっとも そうでござるか しかとぞんぜぬ)
今の言葉にすれば、
「はい」
「まったく」
「そうですよ」
「そうなんですか」
「よくわかりませんけど」

この5つの相槌で聞き上手まちがいなしです。

ところで「狂歌」と「川柳」の違いは?

「狂歌」(きょうか)
五・七・五・七・七
社会風刺や皮肉、滑稽を盛り込んだパロディ形式の短歌。
独自の分野として発達したのは江戸時代中期。

・白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき
(松平定信の厳しい改革より、田沼意次の多少裏のあった政治の方が良かった)

・泰平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず
(上喜撰とは玉露茶の商品名。濃茶を飲むと興奮するように、たった4隻の黒船に驚き、心配している)

「川柳」(せんりゅう)
五・七・五
俳句の季語のような制限がない。
江戸町人文化を背景に盛んとなる。
サラリーマン川柳は人気ですよね。
おかしみの底に悲哀が漂っていて共感してしまいます。

ついでに「都々逸」(どどいつ)も見てみましょう。
七・七・七・五の音数律に従う。
元来は、三味線と共に歌われる俗曲で、音曲師が寄席や座敷などで演じる出し物。
主として男女の恋愛を題材として扱ったため情歌とも呼ばれる。
江戸末期、初代の 都々逸坊 扇歌によって大成される。
・御貴殿の心ひとつでこの剃刀が 喉へゆくやら眉毛やら
・夢に見るよじゃ惚れよがうすい 真に惚れたら眠られぬ










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2018年05月14日

まことしやか

いかにも本当らしく見せるさま。

goo辞書には「真しやか」と出ていましたが、
「誠」「実」「信」という漢字も当てられるようです。
「まことしやか」は 「まこと」と「しやか」ではなく、
文語の形容詞「まことし」+ 接尾語「やか」です。
「やか」は接尾語「や」と「か」を重ねたもので、
形容動詞の語幹を構成します。

例によって「やか」の付く語を集めてみました。
・健 すこやか
・撓 たおやか
・艶 つややか
・淑 しとやか
・華 はなやか
・穏 おだやか
・和 なごやか
・鮮 あざやか
・雅 みやびやか
・匂 におやか
・甘 あまやか
・円 まろやか
・細 こまやか
・軽 かろやか
・伸 のびやか
・聳 そびやか
・広 ひろやか
・澄 すみやか
・晴 はれやか
・賑 にぎやか
・慎 つつましやか
・なよやか
・にこやか
・さわやか
・湿 しめやか
・忍 しのびやか
・密 ひそやか
・冷 ひややか

最近は使われていませんが、
「青やか」「高やか」「近やか」「大きやか」「小さやか」・・
なども言葉としてあるようです。

こうして並べてみて気づきましたが、
「やか」の付く言葉は「冷ややか」以外 ほとんど誉め言葉ですね。
音の響きも古風で、耳あたりがいいですね。

「やか」を取り上げたブログで、
おもしろい広告コピーを紹介していました。

2008年 地下鉄梅田駅に出ていた大きな広告看板
--------------------------------------------
はれやか。しとやか。なごやか。まろやか。
さわやか。こまやか。しなやか。はなやか。
おだやか。かろやか。すこやか。にぎやか。
スポやか。ウマやか。
--------------------------------------------
コピー元の提供は3誌。
・朝から話題王「サンケイスポーツ」
・勝負!データ満載「競馬エイト」
・週刊の怪物「Gallop」

この3紙に「しとやか」はいらなかったような・・・

ちなみに、
「たおやか」の「たお」は「撓」(たわ)の音変化。
1、姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま。
2、態度や性質がしとやかで上品なさま。

私は「甘やか」というと「お母さん」という言葉を思い浮かべます。
母を見送って久しい今もついポロリと「お母さん」とつぶやいています。









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2018年05月13日

有り得る(ありうる)

起こる可能性がある。当然考えられる。

「有り得る」という時、
「う」と「え」の間で迷いませんか?
「ありうる」が正しいのですが、
「ありえる」と言う人が多くて、
もやもやした気持ちを抱えたままでした。

今回、「あるうる」を深堀りしました。

大辞林にはこうあります。
--------------------------------
古語の下二段動詞「ありう」が、
現代語でも「ありえる」という形にならないで、
例外的に下二段活用を保っているもの。
→ うる(得る)
---------------------------------
「ありうる」は文語の「うる」の活用が残ったもの。
苦手な活用から見ていきます。

■文語「有り得る」(ありうる)(下二段活用)
ありえ(ず)/ありえ(たり)/ありう/ありうる(こと)/ありうれ(ども)/ありえよ
え/え/う/うる/うれ/えよ

■口語「有り得る」(ありえる)(下一段活用)
ありえ(ない)/ありえ(ます)/ありえる/ありえる(こと)/ありえれ(ば)/ありえよ
え/え/える/える/えれ/えよ

★現状の「有り得る」(ありえる)の活用は変則的な下二段活用。
ありえ(ない)/ありえ(ます)/ありうる/ありうる(こと)/ありえれ(ば)/ありえよ
え/え/うる/うる/えれ/えよ

本来なら、口語動詞の終止形は「ありえる」になるべきでした。
文語動詞「得」(う)が、
口語動詞「得る」(える)になったのだから、
「ありう」の口語体は「ありえる」が本筋。

ではなぜ「ありうる」になったのか?
古語「有り得」(ありう)の意味は、
世の中にあることができる。生き長らへられる。
現代語の意味は、英語 posibleの訳語でした。
posibleに「ありう」という文語体を当て、
「ありうべき」という言い回しを生み出しました。
possible : ありうべき
impossible : ありうべからず
そして「有り得べき」が権威を持ち、
そのまま成句として口語体に取り込まれたのです。
西洋渡来の概念で、他に適当な表現がないこともありました。
「言い得る」も「いいうる」に。
文法的には筋が通らないが、文化史的には正統。
という説明がありました。
文法に縛られない言葉もあるってことですね。

「ありうる」が正統とはいえ、
否定形が「ありえない」なので、
「ありえる」と誤読する人も多く、
「ありえる」派の勢力は増していくように思います。
NHKでも単体で「得る」を使う時は、
「える」と言うようになっているそうです。
・職を得る(える)
・知識を得る(える)

お叱りを受けそうですが、
「ありえる」でいいじゃないと思ってしまいました。







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2018年05月12日

知己(ちき)

1、自分のことをよく理解してくれている人。親友。
・この世に二人とない知己を得る

2、知り合い。知人。
・知己を頼って上京する
・十年の知己のごとくうちとける

読みをまちがっていました。
「ちこ」で変換されずに気づきました。
「己」の読みは「コ」と「キ」、「おのれ」「つちのと」
「コ」読みに、一己・自己・利己
「キ」読みに、克己・知己

読みも間違っていましたが、
意味も “知人” としか理解していませんでした。
ちょっとした知り合いと親友ではずいぶん違いがあります。
これからはどちらの意味合いか考えてしまいます。

“己を知る” がなぜ親友の意味になったのでしょう。
出典は 司馬遷の「史記」刺客列伝、
「士は己を知る者のために死す」に由来しています。
元々は “己の埋もれた才能を知って厚遇してくれる主君” という意味でしたが、
時を経て “親友” の意味に代わっています。
↓こちらに刺客列伝の記述がありました。
http://www17.ocn.ne.jp/~hasshi/shiki006.htm


Web上に「知己を得る」の誤用がちらほら見られるとありました。
×・○○氏の知己を得る
「知遇を得る」との混同かと思われます。

「知己」は自分を良く理解してくれる「人」
「知遇」は厚く待遇してくれる「こと」です。

類語に「知音」(ちいん)があります。
1、互いによく心を知り合った友。親友。
2、知り合い。知己。
3、恋人となること。恋人。なじみの相手。

この語にも由来があります。
中国の春秋時代、
琴の名人伯牙は親友鍾子期が亡くなると、
自分の琴の音を理解する者はもはやいないと
愛用していた琴の糸を切って再び弾じなかった。
(「列子」湯問などの故事から)

こういう物語を知ると言葉が心に残りますね。









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2018年05月11日

自縄自縛(じじょうじばく)

自分の縄で自分を縛る意から、
自分の心がけ・言葉・行為のために、自由な動きがとれず苦しい立場になること。

「縄」の音読みが思い浮かばす、
「じじょう」が読めませんでした。
後から「縄文時代」を思い出しました。

「縄」
ジョウ・なわ
1、なわ。
2、大工道具の一。すみなわ。また、正しさの規準。

「ジョウ」と読む熟語を探してみると、

「縄律」(じょうりつ)
きまり。規則。

「縄矩」(じょうく)
1、墨縄(すみなわ)と差し金。
2、標準。規律。

「縄規」(じょうき)
1、墨縄(すみなわ)とぶんまわし。
2、きまり。規則。

「ぶんまわし」とは、
1、コンパスの和名
2、歌舞伎で回り舞台のこと

「規矩準縄」(きくじゅんじょう)
物事・行動の規準になるもの。法則。規則。手本。
(「準」は平をはかる水盛り、「縄」は直をはかる墨なわ)

「水盛り」(みずもり)って何?
水平の印をつけること。
文字通り水を盛って、建物の基準となる水平を定めること。
透明の管に水を入れて両端の水面を同じ高さにするもの。

↓建築用語「縄張り」「水盛り」「遣り方」の図入りの説明がありました。
http://diy-ie.com/kouza/kouza-kiso02.html

「縄張り」って、ヤクザ屋さんたちだけの語ではなかったんですね。

さて、自縄自縛の用例をWebで探してみると、あまり使用例はありませんでした。
・自縄自縛−普天間移設問題
・政治改革の失敗によって自縄自縛となった日本政治
・菅首相、自縄自縛のTPP
・モノ言えば自縄自縛の鳩山政権
政治の手詰まり感が出ています。

自縄自縛の類語に
「自家撞着」(じかどうちゃく)がありました。
同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。
自分で自分の言行に反することをすること。

他にも、
自己矛盾 ・ 自業自得 ・ 墓穴を掘る ・
ヤブヘビ ・ 自滅する ・ 自らの首を絞める ・ お鉢が回る

最後に、これ読めますか?
「延縄」


(はえなわ)です。
「はえなわ漁」は知っていましたが、難読です。
どうして「延」が「はえ」となったんでしょうね。








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2018年05月09日

輻輳(ふくそう)

1、四方から寄り集まること。
物事がひとところに集中すること。

・雑務が輻輳する
・荷船や小舟の輻輳する川口

2、電話やインターネットなどの回線において、
多数の利用者が特定の時間帯に集中することにより処理可能な容量を超え、
不具合が生じたり機能が停止したりすること。

・災害時には通信の輻輳が発生しやすい

私には物珍しい語でした。
上記の説明を読んでもボンヤリとしたまま。
<輻輳とは、ものが一ヶ所に集中して混雑している状態のこと>
この説明で飲み込めました。

辞書の括弧書きの説明に、
“車の輻(や)が轂(こしき)に集まる意” とありました。
「や」?、「こしき」?
何ですかー?

「轂」(こしき)
車輪の軸を受ける部分。
車輪の中心の丸い部分で、ここに輻(や)が集まる。

「輻」(や)
車輪の軸と外側の輪とを結ぶ、
放射状に取り付けられた数多くの細長い棒。

文字で読むとピンとこないものですね。
自転車の車輪だと、
・ハブ hub = 轂(こしき) --- 中心部分
・スポーク spoke = 輻(や)
・リム rim ---- 外周の環状部分

車輪の図から入ればすんなり理解できた語でした。
日常生活にはあまり登場しませんが、
医学や通信関係で使われているようです。

目の動きに「輻輳開散運動」というのがあります。
視標を目に近づけると、目が内側によります。
この近くを見るときの動きが「輻輳運動」
逆に、視標を遠ざけると目が外側に動きます。
この遠くを見るときの動きが「開散運動」
*
輻輳開散運動は立体テレビを見るときにも生じ、立体感の成因の一つ。
立体テレビでは、画像を表示するスクリーン面が固定されているため、
飛び出している画像を見ると輻輳運動は生じるが、
目のレンズのピント調節機構は変化しない。
そのため輻輳と調節機構の不一致が生じ、
目に疲労感を生じるともいわれている。
*

「輻」の付く熟語に「輻射」があります。

「輻射」(ふくしゃ)
1、車の輻(や)のように、中央の一点から周囲に射出すること。
2、放射

「輻射」と「放射」の違いは?

かつては「輻射」が使われていましたが、
戦後の当用漢字表に「輻」の字が含まれなかったため、
当初は「ふく射」と表記され、
その後「放射」と言い換えられました。
ただ、まだ「輻射」が使われていることもあって、
輻射と放射の併用が混乱を招くとの指摘も出ていました。









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2018年05月07日

尾籠(びろう)

1、不潔であること。また、そのさま。
2、わいせつであること。また、そのさま。
3、礼儀をわきまえないこと。また、そのさま。無礼。

語源辞典によると、
「尾籠」は “愚かなこと” “ばかげていること” という和語「痴」(おこ)の当て字でした。
当て字が使われるようになったのは鎌倉時代以降で、
文書で「尾籠」と書かれているうちに「びろう」と音読されるようになりました。
室町時代には “無礼” “無作法” の意で用いられるようになり、
その後 “汚い” 意も含まれるようになりました。

下の話しをする時などに、
「尾籠な話しですが・・・」と切り出しますが、
どうにも口にしにくい言葉というものがあります。
例えば「鼻くそ」
自然現象ですし鼻くそに貴賎はありませんが、
いかんせん「くそ」の響きが強烈で、
口にしたとたん、元々ない品性がさらに下がる気がします。

「鼻腔内固形性粘着物」
こういう医学的語に変換しても、
“粘着物” あたりに不快感を感じてしまいます。
「鼻をほじくる」もなんだか子どもじみた言い方に聞こえますが、穿る(ほじくる)、穿る(ほじる)も標準語なんですね。

穿る(ほじくる)
1、穴を掘るようにつつく。また、つつき回して中の物を出す。ほじる。
2、隠されているわずかなものを、ことさらに追及する。ほじる。

何か抵抗のない言い回しがないものでしょうか。
上品な方々はどのような表現をされているのでしょう。

「尾籠」と同じように汚い話しの前に使うのが、
「卑近」かと思っていましたが、勘違いしていました。

「卑近」(ひきん)
身近でありふれていること。
高尚でなくわかりやすいこと。また、そのさま。

「卑俗」(ひぞく)
1、いやしく下品なこと。
品がなく俗っぽいこと。また、そのさま。
2、(鄙俗)田舎びていること。また、そのさま。

「下世話」(げせわ)
世間で人々がよく口にする言葉や話。
「下世話」の「下」は「下々」=「庶民」、
「世話」とは、世間でされる話という意味。

「下世話」に “下品” の意味は入っていませんが、
“げ” の音に品のなさを感じてしまいます。








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2018年05月06日

結構(けっこう)

「結」も「構」も “組み立てる” 意で、
「結構」は家や文章の構成を指していました。
古代中国では 優れた文章や建築物に対して、
・見事な結構
・この結構はよろしい
と言っていました。
それが漢文として日本に入り、
江戸時代頃からは「結構」だけで “見事” “立派” という意味で使われてきました。

組み立てる

企て。計画。

用意。準備。

準備が行き届いて、心づかいが十分で結構である。

このような流れで「結構」は、
相手への賞賛の心情を表す語になりました。
・結構なお住まい(住居の結構)
・結構なご馳走(ご馳走の結構)
・結構なお召し物(着物の結構)

辞書で確認します。

「結構」
<名詞>
1、全体の構造や組み立てを考えること。構成。
2、もくろみ。計画。
3、したく。用意。

<形容動詞>
1、すぐれていて欠点がないさま。
2、満足なさま。
3、それ以上必要としないさま。
4、気だてがよいさま。

<副詞>
完全ではないが、それなりに十分であるさま。
・結構やるね
・結構おもしろい


「もう結構」は元を辿れば、
「大変よくしていただきまして、これ以上 結構なものをいただくわけにはまいりません」
という丁寧なお断りの言葉でした。
さりながら、
・結構です
・もう結構
・もう結構です
・もう結構でございます
言い方で、ずいぶん印象が違います。

「結構」を伝える時は気をつける必要があります。

セールスを断る時に「結構です」では、
「よい」とも取られかねないので、
「いりません」ときっぱり断りましょう。
なんて注意がありましたね。

「結構」はアクセントにも気をつけましょう。
名詞は後ろに、形容動詞と副詞は前にあります。

普段よく使っている副詞の「結構」は、
片仮名の「ケッコー」が似合っている気がします。








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2018年05月05日

「続柄」の読みは?

年末調整の書類にも出てくる「続柄」
これ「ぞくがら」と読んでいましたが、
「つづきがら」と読むことを最近知りました。
が、最近では「ぞくがら」読みも広まっているようです。
Web上に以下のような記事を見つけました。

・明治中期〜後期の辞書
  「続柄」のことば自体が見あたらない。
・昭和初期〜戦前の辞書
  「つづきがら」の見出し語はあるが「ゾクガラ」はない。
・昭和30年代後半以降の辞書
  小型辞典でも「ぞくがら」を参照見出しで採録するものが多い。
  ただし「つづきがらの誤り」「俗な言い方」としているものもある。

「続柄」は昭和に広まった言葉なんですね。

正しい書き方としては「続き柄」なのですが、
役所の書類に仮名を省いた「続柄」が使用され、
誤読が進んだとする見解もあるようです。

Goo辞書やコトバンクも「つづきがら」で出ていますが、
「ぞくがら」も俗な言い方として載っています。
入力は、
「ぞくがら」------「続柄」
「つづきがら」----「続き柄」--「続柄」となっています。

Webに「続柄」記入に関する
法律上の夫婦でない人からの質問があり、
以下のような回答が寄せられていました。
*
住民票のとおりに書けばよいのです。
あなたの住民票には、世帯主のところには彼の名前、
続柄には妻(未届)と書いてあるんですよね。
続柄というのは、世帯主から見た世帯構成員のこと。
続柄の欄は狭いので「(未届)」を省略してもかまいません。
この欄は税額を計算する上で必要な情報であり、
年末調整をするような共働きなら、
未届であろうと届済みであろうと税額は変わりませんから、
何も問題はありません。
*
住民票と戸籍は別の書類です。
世帯主という言葉は住民票でのみ使う言葉で、
戸籍では世帯主という言葉は存在しません。
代わりに筆頭者という言葉を使います。
*

事実婚の人は(未届)を付けるということ、
住民票と戸籍とは違うということを知りました。

戸籍に比べて住民票のほうがより実態に近い記載になっているようです。
別居中の夫婦では、戸籍は筆頭者と妻。
住民票はそれぞれが世帯主。

戸籍のことを調べていて、
「改製原戸籍」という語を知りました。

明治時代の初めに全国統一の戸籍が生まれてから現在までに戸籍制度は何回かの大きな改正を行っています。
改正で書き換えられた新しい戸籍が「現在戸籍」
それ以前の元の戸籍が「改製原戸籍」です。
1994年6月に戸籍の電算化が可能となりましたが、
すべての市区町村で電算化が行われたわけではありません。
電算化されデータとして保存された内容が「現在戸籍」で、
それまでの紙の戸籍簿は「改製原戸籍」となります。

「改製」が付かないほうがわかりやすいですね。
私の故郷はまだ紙戸籍でした。















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2018年05月04日

使いこなせてる?

●あたら
もったいないことに、残念なことに。
“惜しい” という意の「あたらし」から。
・あたら若い命を散らすとは
・あたら好機を逃した

●あまつさえ
おまけに、その上さらに。
「あまりさえ」が転じた語。
・働きにも出ず、あまつさえ妻に暴力をふるうとは
・道に迷い、あまつさえ風雨がひどくなってきた

●いやが上にも
その上ますます。
「いや」は「嫌」ではなく「弥」
・競技会でいやが上にも気持ちがたかぶる
・ファインプレイ連続で球場はいやがうえにも盛り上がった

●いやしくも
かりにも、少なくとも。
漢字は「苟も」
「苟」は、かりそめに。一時的
・いやしくも教師たるものがすべきことではない
・いやしくもこれが事実なら見逃せないことだ

●すべからく
当然のこととして。
下に「べし」を付ける。
“すべての” という意味はありません。
・すべからく精進すべし
・学生はすべからく学問を本分とすべし

●つらつら
よくよく、つくづく。
念入りに物事について考える時など。
・つらつらと考えてみるに

●ゆめゆめ
下に打ち消し・禁止の語を伴って、“決して” ない。
・ゆめゆめ考えないことが現実化した
・ゆめゆめ油断なさらぬように

●よしんば
仮にそうであったとしても。
「縦し」(よし)を強めた語。
“よし” と仮に許す意。
・よしんば反対されても私は家を出る
・よしんばミスをしても大事には至らない









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2018年05月03日

蔵匿(ぞうとく)

1、 人に見つからないように隠すこと。隠匿。
2、 犯人や逃走者をかくまって、捜査機関による発見を妨げること。

オウム真理教の元信者・斎藤明美が出頭したというニュースで耳にしました。

字を見ると "蔵にかくす" ですから、
私には財宝をかくすイメージが浮かびました。

「匿」 トク・かくま-う
隠して現さない。 隠れる。

隠すという意味の類語には
隠蔽(いんぺい) ・ 隠匿(いんとく)
掩蔽(えんぺい) ・ 秘匿 (ひとく)

「犯人蔵匿罪」という犯罪規定がありました。
罪の被疑者や拘禁中に逃走した者を、
場所を提供してかくまったり(蔵匿)、
逃げるのを助けたり(隠避)する罪。
刑法第103条が禁じ、
2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられます。
後日、 被疑者が真犯人でないと分かった場合でも、 本罪は成立します。

「隠避」 (いんぴ)
隠れ場所を提供する以外の方法で、
犯人・逃走者の発見または逮捕を妨げること。
逃走資金の供与、身代わりの自首など。


「いんぴ」 から 「淫靡」(いんび) を連想してしまいました。
同じ「いんび」でも
「隠微」という語もあります。
外に現れず、わかりにくいこと。 かすかで目立たないこと。

「靡」も調べてみました。
ビ ・ なび-く
1、 他の力に従う。なびく。
2、 衰える。
3、 はでで美しい。
4、 おごる。ぜいたく。

「靡」は "なびく" という意味だったんですね。
淫靡くらいしか思いつきませんでしたが、
'一世を風靡する' という言葉がありました。

「風靡」 (ふうび)
風が草木をなびかせるように、
広い範囲にわたってなびき従わせること。

「靡」という字をこんなに注意して見たこと初めてです。
ホが2つ。 右のホがちょっと跳ねてます。
この跳ねは何を表しているのでしょうね。









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2018年05月01日

「不」と「非」の違い

消費税がかからない取引に、
「非課税取引」「不課税取引」「免税取引」
という区分があることを知りませんでした。
そこで、
「不課税」と「非課税」の違いです。
「不」も「非」も “〜でない” と同じような意味ですけど・・

国税庁の説明では、
1、国内取引で
2、事業者が
3、事業として
4、対価を得て
5、資産の譲渡、貸付けまたは役務の提供を行うこと

従って上記のうち1個でも要件を満足しないものは
「不課税取引」

5つの条件を全部満たしていても、
●課税になじまない、
○社会政策的な配慮から課税しないものを
「非課税取引」とありますが、
この説明だけでは手ごたえがまるでありません。

「非課税取引」の具体例を見てみます。

●課税になじまない
・土地の譲渡・貸付
・有価証券、手形、小切手等の譲渡
・利子、保証料、保険料
・切手類・印紙の譲渡
・住民票、戸籍抄本などの行政手数料
・国際郵便為替、外国為替
など

○社会政策的な配慮から
・社会保健医療
・介護保険サービス
・埋葬料、火葬料
・学校の授業料、入学金、施設設備費
・住宅の貸付け
など

「不課税取引」の具体例。
・国外取引
・給与・賃金
・寄付・見舞金・補助金
・配当
・保険金・共済金
など

どうでしょうか。頭の整理はつきますでしょうか。
まとめますと、
◆「非課税取引」とは、
法令で課税しないことになっている取引

◆「不課税取引」とは、
消費税とは関係のない取引

◆「免税取引」とは、
法令で税率を0%にしている取引

最後に、
名詞・形容動詞に付く接頭語としての
「非」と「不」の違いを比較してみました。

●「非」
それに当たらない。それ以外である。
非常識・非人間・非公式・非日常・非正規・
非居住者・非民主的・非科学的・非武装・

●「不」
---でない。---しない。
不美人・不参加・不透明・不健康・不定期・
不死身・不文律・不景気・不誠実・不出来・

●どちらもある語、
「非合理」−論理や道理に合わないこと。
「不合理」−道理・理屈に合っていないこと。

「非人情」−冷淡で人情がないこと。
「不人情」−人情味に欠けること。

「非運」−運がないこと。
「不運」−運の悪いこと。

ここまで引っ張ってなんですが、
私には「非」と「不」の境がどうしてもにじんで見えます。









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2018年04月30日

人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)

詩文や名句などが人々の口にのぼってもてはやされること。
広く知れ渡ること。
「膾」は “なます”、「炙」は “あぶり肉” の意味で、
どちらも味がよく、多くの人に賞味される食べ物。

読みもわかりませんでした。
「じんこう」って読むんですね。
確認すると、
「人口」(じんこう)
1、人の数
2、世間のうわさ

「人口(じんこう)に上る」 という表現もありました。

「羹に懲りて膾を吹く」という諺がありました。
(あつものにこりてなますをふく)
羹(熱いスープ)で舌など口の中を火傷したのにこりて、
冷たい膾でさえも吹いて食う。
失敗にこりて用心深くなりすぎること。

「なます」は酢の物の一種。
生肉(なましし)が転じたという説があり、
古くは鳥獣肉の「膾」、魚介肉の「鱠」がありました。
現在は魚介肉・野菜が主で、酢で和えて生で食します。

正月のおせち調理として供される紅白膾は、
細く切ったダイコンとニンジンを
縁起の良いとされる紅白の水引に見立てたものです。

魚介類や野菜類を酢味噌で和えた料理「ぬた」も膾の一種なんだそうです。
「ぬた」ってご存知ですか?
見た目はお世辞にも華やかとは言えませんし、
「ぬた」という音もどろくさい感じです。
それもそのはず、
味噌のどろりとした見た目が沼田を連想させることからきています。
圧倒的にマヨネーズの出番が多い食卓でしょうが、
味噌は発酵食品で体にいいものですから、お奨めしたいと思います。

ぬたと相性のいい食材は、
ネギ・ニンニク・ニラ、
刺身で食べられる魚介類、鶏肉
植物では「葷」が特によく合うという説明がありました。
「葷」クン
1、ネギ・ニンニク・ニラなどの臭いの強い野菜。
2、ショウガやタデのような辛みのある野菜。

「五葷」(ごくん)=「五辛」(ごしん)
辛味や臭気の強い5種の野菜。
大蒜(にんにく)・韮(にら)・葱(ねぎ)・辣韮(らっきょう)・野蒜(のびる)
仏教では、精のつき過ぎるものは修行の妨げとなるとされて
これらの野菜を取ることを禁じていました。

今でこそ体にいいと言われるニンニク・ニラ・ネギなどですが、
仏教では情欲・憤怒を増進する食物とみられていたのですね。








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2018年04月29日

内証(ないしょう)

「内証」って、
歴史物・時代小説をよく読む人以外は馴染みのない語かもしれません。
「内証」は「内緒」(ないしょ)の語源です。

辞書を見ると意味が8つもありました。

「内緒/内証/内所」(ないしょう)
1、仏語。自分の心のうちで真理を悟ること。
2、内密。ないしょ。
3、うちわの事情。特に暮らし向き。家計。
4、奥向きのところ。特に台所。勝手。
5、遊女屋の主人。また、その居間や帳場。
6、内輪の事情。
7、他人の妻妾を敬っていう語。内室。
8、身内。親族。

仏教由来の語だったんですね。
“他者の窺い知れない内なる世界” というところから、
“秘密” “暮らし向き” “奥まった場所” “妻” “身内”
など、意味の範囲が広まりました。
現代では「ないしょ」として生き残っています。
「ないしょ」は「ないしょう」の音変化で、
「内緒」「内所」は当て字です。

「内緒」
表向きにせず、内々にしておくこと。

「秘密」
他人に知られないようにすること。

「内密」
表沙汰にしないこと。


昔は 台所を「お勝手」と言いました。
「勝手口」は今に残っていますね。
「勝手」も意味が広がった語です。

「勝手」<名詞>
1、台所
2、暮らし向き。
3、事情。
4、弓の弦を引く方の手。右手。

「勝手」<名詞・形容動詞>
1、自分の思い通りの行為。わがまま。
・勝手なことを言うな

2、都合や便利のよいこと。
・使い勝手がいい

「勝手」 の語源はいろいろあって、
有力な説が以下の2つです。

1、「粮所」 (かてどころ) が転化したもの。
「粮」=「糧」 で、食糧のこと。

2、弓道で、弓を持つ左手が「押し手」、
矢を持って弦を引く右手が 「弓手」(ゆんで) 、または「勝手」。
「勝手」は“自由に使える手”というところから、
女性が自由に使える台所を 「勝手」、
好きなようにふるまうことも言うようになりました。

「台所」 は 「台盤所」 (だいばんどころ) が縮まったもの。
昔は 竈(かまど)がある土間の脇に板の間があり、
そこで盛り付けや配膳などをしました。
この板の間の部分が 「台盤所」 でした。
「台盤」は、食べ物を盛るお皿 (盤) をのせる台。











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2018年04月27日

験を担ぐ(げんをかつぐ)

縁起を気にする。迷信にとらわれる。

「げん」が「験」なのが思いつきませんでした。

「験」ゲン
1、仏道修行を積んだしるし。
特に修験者の行う加持祈祷(かじきとう)のききめ。
2、ある事を行ったことによるききめ。効果。
3、縁起。前兆。

「験」に “縁起” という意味があることに納得。
が、その後 語源辞典で「験」が当て字だと知りました。
本来は「縁起を担ぐ」で、
この「縁起」が反転、音韻変化したものらしいです。
「えんぎ」→「ぎえん」→「ぎぇん」→「げん」
ヤクザ用語から来ているようです。

「修験者」(しゅげんしゃ)とは、
悟りを得るために山へ籠もって厳しい修行を行う者。
「山伏」(やまぶし)とも言います。

日本人は古来から、山には霊魂が住んでいると考え、
霊山や霊峰として神聖視してきました。
そんな山岳信仰に密教や道教などの要素がミックスされたものが「修験道」です。
修験者が現れるようになるのは、7世紀末の飛鳥時代。
当時の仏教は「学問仏教」と呼ばれ、
国家の統制のもと、主に経典の学習や研究に没頭するものでした。
そんな生活に飽き足りず山林などに入って修業を積み、霊力を身に着けようとする者が現れます。
修験者の多くは妻帯者で、そのため正式な僧としては認められず、時の権力者からはいかがわしい者とみなされました。
一方、加持祈祷や病気治療などを盛んに行ったことから、次第に民衆から支持されるようになります。

私は山伏を仏教の流れでとらえたことがありませんでした。
僧というよりは流れ者や変人のイメージを持っていました。

さて、
試験・実験・経験という時の「験」も確認しておきます。

「験」 ケン・ため-す・しるし
1、証拠によって確かめる。ためす。
2、試験。
3、しるし・ききめ。

熟語は知っていても、単独では読めない・知らない漢字って多いです。









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