2017年09月20日

つっけんどん

言葉や態度がとげとげしいさま。冷淡なさま。
「つっけんどん」は、漢字にすると「突っ慳貪」
「慳貪」(けんどん)って語があったんです。
「慳」は“物惜しみする”
「貪」は“むさぼり欲する”意で、
「慳貪」は、けちで欲が深いこと。
そこから、
思いやりのないこと。愛想のないこと。荒っぽいことも表すようになりました。

類語に「邪見」(じゃけん)があります。
相手の気持ちをくみ取ろうとせずに、意地悪くむごい扱いをすること。

「じゃけんにする」は、ちょっと冷たい態度をとるくらいの感覚でしたが、意味をみるともっと悪意がありますね。
悪意のないのが「そっけない」で、愛想が無いこと。
「そっけない」は「素っ気ない」と書きます。
「すげない/すげなし」に「素気」と当て字をしたことから。

近年の造語で「ツンデレ」という珍妙な語があります。
つっけんどんな “ツンツン” と、好意的な “デレデレ” が合体したもの。
2002年頃からアニメ仲間の掲示板に登場し、2005年頃から一般に広まったようです。
関係筋によりますと、「ツン」と「デレ」の黄金比は9:1だそうです。
二面性のギャップが魅力を引き立てている場合に、ツンデレと呼ぶようです。

さて、「つっけんどん」に戻りまして、
「つっ」は「突」で、下の語を強調する接頭語です。
・つっ走る
・つっ込む
・つっぱねる
・つっ伏す
・つっかける
・つんのめる (この「つん」も「突」から)
・つん出る
接頭語が付くことで枠からはみ出す感じ。語に勢いが出ます。

「すっ」は「素」から。
・すっとんきょう
・すっぽかす 「放かす」(ほかす)
・すっとぼける
・すっ裸
・すっ飛ぶ
・すっ転ぶ

「かっ」は「掻き」から。
・かっ込む
・かっ飛ばす
・かっさらう
・かっぱらう

「ぶち」は「打つ」(ぶつ)の連用形から。
→「ぶっ」「ぶん」
・ぶち切れる
・ぶち壊す
・ぶちあける
・ぶっ飛ばす
・ぶっ倒れる
・ぶっかける
・ぶっ殺す
・ぶん投げる
・ぶん殴る

濁音になると、ちょっとガラ悪くなります。




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2017年09月19日

ちはやぶる

聞き覚えがあり、語の存在は知っていましたが、
意味を調べたことはありませんでした。

調べてみると古の日本のことを知らないと理解できないことばかりで、歴史に疎い私は辞書を引き引き、行きつ戻りつしながら進みました。

きっかけは、Webで目に留まった以下の内容。
<【荒振る】の反対語は【千早振る】
【千早振る】は軸が高速で回転し、しっかりしているためブレないということ>
「荒振る」と「千早振る」が対語?
軸がブレない?? 独楽のこと???
何を言ってるのか理解できませんでした。
私は「あらぶる」という語があると思っていましたが、そんな語は存在せず、
「荒ぶる神」「荒ぶ」という語があるのでした。
「あらげる」と使われていますが、正しくは「荒らげる」(あららげる)です。

古語「荒ぶ」(あらぶ)
1、荒々しくする。あばれる。
2、情が薄くなる。疎遠になる。

「荒振神」(あらぶるかみ)
荒々しく乱暴な神。天皇の支配に服さない神。

さて、ようやく「ちはやぶる」です。
「千早振る」(ちはやぶる)
動詞「ちはやぶ」の連体形から。

「千早ぶ」(ちはやぶ)
勢い激しくふるまう。強暴である。

「千早振る」
◇枕詞(まくらことば)
「神」や地名の「宇治」にかかる枕詞。
勢いが激しい強大な「氏」(うぢ)の意から、同音の「宇治」にかかるようになったとされる。
◇連体詞
勢いが強い。荒々しい。

古事記において、天皇の支配に服さず傍若無人に暴れる神のことを「荒振國~」(あらぶるくにつかみ)と表現しています。
〇この沼の中に住める神、いとちはやぶる神なり。(古事記)

「千早人」(ちはやひと)という宇治にかかる枕詞もあります。
威勢の強い人の意で、「氏」(うぢ)のほめ言葉。

日本神話に登場する神々は二種類あります。
一つが「天つ神」高天原にいる神々。
もう一つが「国つ神」日本古来の土着の神々。
対比してみると、
国つ神 : 天つ神
地上の神 : 天上の神
地祇(ちぎ): 天神(てんじん)
日本古来の神 : ヤマト王権の神
出雲王国 : ヤマト王権(天皇家)

国つ神=国津神
天つ神=天津神
「津」(つ)は現代の「の」のことで、「国の神」「天の神」のこと。

「高天原」(たかまがはら)
国つ神の地上の世界に対して、天つ神の国をいう。

ここで、少しだけ時代背景を。
ヤマト王権には大伴氏・物部氏・蘇我氏といった、有力氏族がいて 政治権力を分有していました。
近年の考古学の進展により、ヤマト王権以前に出雲王国が存在していたことが、明らかになっています。
8世紀のヤマト王権は、出雲王国の実在を知っていたからこそ、出雲を神話にしてしまいました。
古事記の中では出雲の神は悪役とされています。
日本の歴史を抹殺しなければ、政権の正当性と正統性を証明できなかったと考えられます。

※「大和朝廷」と「ヤマト政権」
「大和朝廷」と「ヤマト政権」という表記があって、混乱しました。
従来、弥生時代後、奈良時代前の時代を、大和時代と認識されていましたが、その後の研究によって古墳時代と飛鳥時代 2つに区分する見方が主流になりました。
古墳時代・飛鳥時代には「大和」という熟語も、「朝廷」という政治体制も確立されていないとわかってきました。
そのため「ヤマト政権」とするのが適切だと考える学者が多くなり、「ヤマト政権」と表記されるようになってきています。



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2017年09月18日

大和言葉を使ってみたい

・恐れいりますが
・お力添えをお願いします
・折り合いをつける
・お骨折りいただきまして
・お手すきのときに
・身の丈を越えたご依頼ですので
・私には荷が勝ちますので
・このうえなく光栄なことです
・お厭い下さい(おいといください)

やわらかいもの言いいで、耳に心地よいですね。
こういった言葉がスルリと出るようになりたいものです。
またこんな言葉も知っておきたいところ。

○つぶさ (具に)
こまかくて詳しい様子。
・社会の変化をつぶさに観察してきた人物

○さることながら (然ることながら)
「AもさることながらB」という言い方をします。
AももちろんそうであるがBはもっとだ。たいていは「よい」ことに使う。
・彼は実力もさることながら強い運を持っている。

○なかんずく (中ん就く)
特に、とりわけその中で。
・団体旅行は欧州、なかんずくパリなどで馬鹿にされた。

○あながち (強ち)
後に打消しを伴って、そうとは断言できない。
・その提案はあながち非現実的とは言えない。

○いささか (些か)
ほんの少し。ちょっと。
・彼女の告白にいささかも感情を動かさなかった。

○あわや
もう少しのところで。危うく。
・焚火からあわや大火事になるところだった。

○かろうじて (辛うじて)
やっとのことで。からくも。
・かろうじて理性が彼を引きとめた。

○かたがた (傍)
- - するついでに- -する。がてら。
・お礼かたがた伯母の家へ寄ってみるつもりだ。

○ついぞ (終ぞ)
後に打消しの語を伴って、
これまで一度も - - ない。
・1年以上も漂流して、鳥の姿はついぞ一度も見なかった。

○そもそも (抑)
[名]最初。ことの発端。
接続詞「そもそも」が文頭に置かれるところから。副詞的にも用います。
[接]いったい。だいたい。さて。
改めて説き起こすときに用いる語。
・そもそも人間は欲深いものである。

●言わずもがな
1、言う必要のないこと。むしろ言わない方がよいこと。
・言わずもがなのことを尋ねてくる。
2、言うまでもないこと。もちろん。
・大人は言わずもがな、子供さえ知っている
動詞「言う」の未然形
+ 打消しの助動詞「ず」の連用形
+ 終助詞「もがな」

「もがな」
願望をあらわす終助詞。“〜だといいなあ” といった意。
以下の成句があります。
・あらずもがな
・きかずもがな
・やらずもがな

「言わずもがな」は
本来は「言わなければいいが」「言わないでほしい」が、
終助詞「もがな」の意味が忘れられ、
「言わずも」→「言わでも」→「言わなくても」と誤解され、
現代では「言わなくてもいい」「言う必要がない」の意味で使われています。




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2017年09月17日

路肩(ろかた)

道路として有効な幅の、その両外側の路面。

「路肩」って、変な言葉ですよね。
読み方もだし、なぜ肩なんだろうと思いませんか?
何か由来があるのだろうかと、検索してみました。
解説した記事がほとんど見られなかったのですが、
たぶん、英語の「ROAD SHOULDER」からのようです。
そのまま訳したと考えられます。
「shoulder」だけでも「路肩」を意味します。
道路の写真を見ながら、道を切り取って立ててみれば、
道幅が背中で、両端が肩に見えないこともない?
私なら道の耳というけどな。
「道端」(みちばた)という語がありますが、
こちらは一般的な言い方の道の端で、
“道路の端あたり”“道路のほとり” “路傍”の意。
一方の「路肩」は道路法の用語です。
ということで、路肩はあっさり片付きましたので、
「路」の付く語に目を向けてみます。

「路地」(ろじ)
建物と建物との間の狭い道。

「ろじ」には「路地」と「露地」があります。
本来は「露地」と書き、屋根など覆うものがない土地を意味しますが、
いまでは、「路地」= 狭い道
として使われています。
「露地物」(ろじもの)や「露地栽培」はハウスものに対して、
雨露があたる土地ということで、「露」です。
お茶の世界で「露地」といえば、茶室や草庵の庭。また、門内や庭の通路。

「路地裏」は 表通りに面していないところ。
「路地裏」の写真を見ると、昭和の郷愁を感じます。

「隘路」(あいろ)
1、狭くて通行の困難な道。
2、物事を進める上で妨げとなるものや条件。支障。難点。ネック。
・予算枠が隘路となって計画が中断した
・資源の貧困は産業に多くの隘路を提供している

「隘」
道や土地などがふさがって細い。

「狭隘」(きょうあい)
1、面積などが狭くゆとりがないこと。
・狭隘路線とはバス路線の中でも
とりわけ狭い道路を走行する路線のことである。
2、心がせまいこと。度量が小さいこと。
・狭隘な心の持ち主

私は「隘路」も「狭隘」もあまり馴染みがありませんでしたが、道路関係で頻出の語でした。
「狭隘道路」「狭隘道路整備事業」「狭隘道路拡幅整備事業」
各地で道路整備が進められていました。




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2017年09月16日

かまける

そのことだけにかかわって、他をなおざりにする。

漢字は「感ける」なんです。
初めて見た気がします。変換もできるんですね。

「なおざり」は過去に取り上げましたが、復習です。
「等閑」(なおざり)
いいかげんにして放っておくこと。

「御座成り」(おざなり)
その場逃れにいいかげんな言動をすること。

例文
・一つのことにかまけると他がお留守になってしまう。
・仕事にかまけて家族を顧みなかった。
・育児にかまけて読書もできない。
・忙しさにかまけてその約束のことは忘れてしまった。

よく「忙しさにかまけて」と使いますが、
Webにちょっと使い方がおかしいのでは? という指摘がありました。
* * *
「かまける」の意味は、
“あることにかかりきりになって・・” なので、
「あること」を「忙しさ」に置き換えると、
「忙しさにかかりきりになって・・」ということになります。
これはどうもおかしい感じがします。
他にも、
「かまけて」を「○○を言い訳にして」
あるいは、「怠けて」という意味で使っている文も見かけます。
* * *
確かに。
「忙しさにかまけて」は一まとめの言葉になりつつあるのかも。
「かまける」は私も微妙に勘違いしてましたが、意味があいまいなまま使われている気がします。
“一つのことだけに心がとらわれて他が疎かになること”
と、再確認したいと思います。
似ている語に「ゆるがせ」があります。
漢字は「忽せ」で、こちらも読めないわー。

「ゆるがせ」
「いるかせ」の音変化。室町時代までは「ゆるかせ」
1、物事をいいかげんにしておくさま。なおざり。おろそか。
2、寛大なさま。のんびりしたさま。
・それは一点一画もゆるがせにしない見事なものであった。
・一分もゆるがせにできぬ正確さが要求されていた。
「ゆるがせにしない」には何となく品格を感じます。

「忽」コツ・たちまち・ゆるがせ
1、非常に急。心がせく。にわか。たちまち。
2、うっかりする。おろそかにする。ゆるがせにする。
・粗忽(そこつ)・軽忽(けいこつ/きょうこつ)

「そこつ者」は聞きますが、「軽忽」は知りませんでした。
変換もできないので死語かと思いましたが、用例辞典を見ると昭和の小説に登場していました。
・軽忽に安請け合いしたことが悔やまれる。
・彼の軽忽な行動を責めた。

「忽」の字の印象が薄いのですが、
「たちまち」も「忽ち」表記はあまり見ない気がします。
熟語もそんなにありません。
惣菜(そうざい)の漢字が似ていますが、
「惣」は “全部をまとめる” “すべて”
ちなみに、
「忽ち」の語源は「立ち待ち」
立って待っている時間を “短時間” と思った昔の人からみたら、現代人のせわしなさはあきれるばかりでしょうね。




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2017年09月15日

寝穢い(いぎたない)

眠り込んでなかなか目を覚まない。寝坊。

「いぎたない」を “寝姿が汚い” と勘違いしていました。

「寝穢い」の対義語に「寝聡い」なる語がありました。
私には「穢」と「聡」が対になってるのが腑に落ちません。

「寝聡い」(いざとい)
「い」は眠ることの意。
目が覚めるのが早い。目が覚めやすい。

「寝聡い」は聞いたことがありません。
用例辞典にも載っていませんでした。

「目ざとい」は「目聡い/目敏い」で、
1、見つけるのが早い。目が早い。
2、目が覚めやすい。

「聡」
物わかりがよい。賢い。さとい。

「敏」
1、頭の働きがすばやい。さとい。
2、行動・動作がすばやい。

「敏」は“すばやい”としか認識してませんでしたが、
“さとい”という意味があったんですね。
「聡敏」(そうびん)という語もあります。
“聡明鋭敏であること”

辞書を見てましたら、
「寝落ち」(ねおち)というのがありました。
俗に、何かをしている途中で眠ってしまうこと。
最近の語でしょうか。
幼児が今にも眠りに落ちそうになりながら、頑張って食べようとする映像が目に浮かびます。
最後は睡魔に負けてカクンと頭が落ちます。
まるでロボットの電池切れのよう。

「穢」
ワイ(漢)・エ(呉)・アイ(慣)・けが-れる
1、雑草で荒れる。 「蕪穢」(ぶあい)
2、きたない。 「汚穢」(おわい)・「醜穢」(しゅうわい)

「穢」で今に使われているのは「穢れ」ぐらいでしょうか。
改めて「穢れ」(けがれ)とはどういう意味なのか調べてみました。
http://jinnjanotisiki.com/realmeaning/
古代日本において浄・不浄の思想があったことは、古事記からも明らかです。
罪によって惹き起こされた神の怒りをなだめるために、祓い(はらい)と禊(みそぎ)が行われました。
「祓」(はらえ)
神に祈ってけがれを清め、災厄を取り除くこと。また、そのための神事。
祓の方法には、水を用いる禊(みそぎ)と、
祓麻(はらえぬさ)で祓う方法の2つに分けられます。
「禊」(みそぎ)
川や海の水で身体を洗いそそぎ、罪や穢れを祓い清めること。
日本に伝来した仏教は、穢れの思想をもつヒンドゥ教的色彩を帯びていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%A2%E3%82%8C
神道・仏教ともに穢れに対する意識はありますが、もっとも異なるのは、死に対する考え方です。
神道では死や血を穢れとしますが、仏教では死を穢れとみなしません。
仏教では死は輪廻転生の一つに過ぎませんから、穢れという概念はありません。
仏教なのにお葬式でお清めの塩を貰っていますが、本来は必要ないこと。
神道では不浄に触れると、神様はその力をなくしてしまうという考えがあり、“罪” “穢れ”を忌み嫌います。
人が亡くなると近親者は忌み明けするまで、神様への参拝などを控えます。
穢れはお祓いをすることで清められるとしたのは神道。
清めの儀式を司ることで神道の権威を高めようとした。
という解説がありました。



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2017年09月14日

蹲踞/蹲居(そんきょ)

1、うずくまること。しゃがむこと。
2、人が通行するとき、両ひざを折ってうずくまり、 頭を垂れて行う礼。
3、相撲や剣道で、つま先立ちで深く腰を下ろし、 十分ひざを開き、上体を正した礼の姿勢。

知らない語でした。
これヒップアップの体操を探していて拾ったんですよ。
お相撲さんの基本姿勢がお尻にいいらしいです。
やってみると足はそんなに開かないし、つま先でバランスとるのは難しくてグラグラします。

画数の多い漢字は難解に見えてしまいますが、どんな意味があるのでしょう。
「蹲」ソン・シュン・うずくま-る
1、うずくまる。しゃがむ。
2、平伏する。ひれふす。

「蹲」は「つくばい」とも読みます。
茶道に登場する手水鉢(ちょうずばち)のことです。
突(つ)き這(は)うから。
手を洗う時 つくばう(しゃがむ)ことから、「蹲う」(つくばう)。

「踞」キョ・コ・うずくま-る
1、しゃがむ。うずくまる。
2、おごりたかぶる。

「蹲」「踞」ともに “しゃがむ” 意なんですね。
「うずくまる」は「蹲る/踞る」両方の漢字が当てられています。
意味は、
1、からだを丸くしてしゃがみ込む。
2、しゃがんで礼をする。

「うずくまる」には
単に “しゃがむ” 以上の意味を感じていたので、ちょっと疑問がわきました。

「しゃがむ」
ひざを曲げ、腰を落として姿勢を低くする。
漢字は当てられていません。

それでは「うずくまる」と「しゃがむ」の違いは?
このQ&AもWebにありました。
* * * *
しゃがむ-----下半身だけ畳む
うずくまる---下半身も上半身も畳む
* * * *
しゃがむ----たんに身体の状態
うずくまる--痛いとか悲しいとかで、あるいは何かの要因でじっと動かない状態。
* * * *
私も「うずくまる」には良くない状況を思い浮かべます。

「かがむ」とうい語もありますね。
腰を低くしながら前傾姿勢をとること。漢字は「屈む」です。
「屈む」は膝を折り曲げません。

「蟠踞」(ばんきょ)
1、広く根をはって動かないこと。 また、とぐろをまいて動かないこと。
2、広い土地に勢力を張って、そこを動かないこと。

「蟠」バン・ハン・わだかま-る
1、わだかまる。とぐろを巻く
2、めぐる。ぐるぐると平面をまわる。

「わだかまる」の漢字が「蟠」なんですね。初めて見た気がします。

「わだかまり」
心の中につっかえたようになって、たまっている感情。
「蟠」の原意を知ると、
不平・不安がとぐろを巻いて心の中に居座っている絵が浮かびます。
これは早いこと振り払わなきゃ。




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2017年09月13日

蠢く(うごめく)

虫がはうように絶えずもぞもぞ動く。

漢字が示すように“虫が動く”意。
絶えずもぞもぞと細かい動きを続けるイメージ。
でも現在の用法は少し変わってきています。
「蠢く」の類語を見ると、
裏工作する・水面下で動く・こそこそと動く
といった意味が並んでいました。
現在では、虫の動きというよりは、“人の陰の働きかけ” として使われています。
「蠢く」で図書検索をしてみたら、
・蠢く野中広務
・関西に蠢く懲りない面々
・蠢く! 中国「対日特務工作」
・阿部政権誕生に蠢く改憲ゴロのカネと裏人脈
といった政治がらみの本が出てきました。

「蠢動」 (しゅんどう)
1、虫などがうごめくこと。また、物がもぞもぞ動くこと。
2、つまらないもの、力のないものなどが騒ぎ動くこと。

「もぞもぞ」に近い擬態語に
「もそもそ」「もごもご」「うごうご」があります。

「うごうご」
虫や物などが少しずつ動くさま、江戸時代に使われていました。
1、うごめくさま。特に、得意になって鼻をうごめかすさま。
2、元気がなく、うじうじしたさま。

「めく」は擬態語に付いて五段動詞を作ります。
“そのようになる” “似た様子になる”
・ウゴめく
・キラめく
・ザワめく
・ドヨめく
・ヒラめく
・ホノめく
・ユラめく
・ヨロめく

「ウゴ」「キラ」「ザワ」・・はみな擬態語です。
「ウゴウゴ」今は聞かなくなりましたが。
「ユラ」は元は玉や鈴などが触れ合う音。
「ウゴ」に「く」を付けて動詞にしたものが、「動く」です。
「蠢」からきているので、動くは移動ではなくて小さな動きをさしていました。
鎌倉時代まではそういう感じが意識されていましたが、次第に薄れて、今の「動く」になっています。

私の造語で気に入っているのが、「ミリミリ進む」です。
「ミリ」は単位の「mm」のこと。
見えないほどわずかだけど、ともかく前進している。
限界の壁にミリッと裂け目が入っていく音も掛けています。




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2017年09月12日

ままならない

思い通りにならない。

この「まま」って何?
辞書には思いもしない漢字が並んでいました。

「まま」=「儘/随/任」
1、その状態に変化のないこと。
2、思い通りの状態。自由。
3、成り行きにまかせること。

「まま」は「まにま」の音変化とありました。
では「まにま」とは?
「随」(まにま)
他の意志や事態の成り行きに従うさま。

多くは「まにま」に格助詞「に」が付いた「まにまに」という形で使われています。
・風のまにまに飛んでいく
・ボートは波のまにまに漂った
「まにまに」の使用例を見ると、ほとんど“風”と“波”と共に使われていました。
1、他人の意志や事態の成り行きに任せて行動するさま
2、ある事柄が、他の事柄の進行とともに行われるさま。
…につれて。…とともに。

何の疑いもなく、「まにま」は「間に間に」だと思っていました。

「儘」ジン・ことごと-く・まま
声符の「盡」(じん)は、聿 + 皿 (聿は筆)
器の中をはけではらって空にするさま。
そこから“つきる” “なくなる”意に。
「尽」は「盡」の略字。
「儘」の略字が「侭」

「儘」(まま)
1、なりゆきにまかせること。
2、思う通りの状態。自由。
3、その状態を変えないこと。

「ことごとく」も3つの漢字が当てられています。
「儘く/悉く/尽く」
すべて。一つ残らず。

「わがまま」も「我儘」という熟語になると、仏教語っぽく見えてしまいます。

「わがまま」の類語には、
勝手・身勝手・手前勝手・自分勝手・得手勝手・気儘・自儘(じまま)

ちなみに、「ままごと」の「まま」は 母(ママ)ではなく、飯(まま)からきています。

「ままはは」は「継母」
大和言葉の「まま」を漢字の「継」に当てたもの。

「継」 ケイ・つぐ・まま
「ケイ」
1、あとを受けつぐ。
2、血縁でない親子関係
「まま」
1、継母。
2、血のつながりがない意。

「まま」は古事記にもある古い言葉です。
「継兄」(まませ)・「継妹」(ままいも)という語もありました。


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2017年09月11日

淘げる(よなげる)

1、米を水に入れてゆすってとぐ。
2、細かい物を水中でふるい分ける。
3、より分けて悪いものを捨てる。

読めませんでした。
耳にした記憶もありませんが、地方のご高齢の方はご存じかもしれません。
竹製のザルで穀物を振るいにかけていた時代の言葉です。
竹で編んだザルのような物を「箕」(み)といいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%95

「淘金」(ゆりがね)という語もありました。
土砂にまじっている砂金を水中で揺すって選び分けること。
またその砂金。
金山のあった佐渡辺りにはこういう語が残っているのでしょうか。

「淘汰」の「汰」も
“水の中で洗って選び分ける”意。
転じて不要なものを除き、良い物を残す意に。

「淘汰」(とうた)
1、より分けて不用・不適なものをとり除くこと。
2、生物のうち、環境や条件に適応できないものが滅び、 適応するものだけが残ること。

私の頭には“自然淘汰”としての「淘汰」だけでした。
今はしっかりザルでこすイメージも入りました。

「揺る/淘る/汰る」と書いて「ゆる」と読みます。
水中などで、ゆさぶりながら選別すること。

「米をとぐ」といいますが、なぜ「研ぐ/磨ぐ」なのか?

「研ぐ/磨ぐ」(とぐ)
1、刃物を砥石や皮でこすってよく切れるようにする。
2、米などを水の中でこするようにして洗う。
3、みがいてつやを出したり、汚れを取ったりする。

現在は精米技術がよくなって、米はさっとすすぐ程度ですみますが、30〜40年くらい前までは米の糠が残っていたため、手の平を使ってお米同士を強くこすり合わせるようにして、「研ぐ」ように洗いました。
子供の頃、水が冷たくてしゃもじで米を洗ったら、母に横着者と言われました。
今でもお米はしゃもじでかき回して洗っています。
ちなみに、「濯ぐ」の読みは3つあります。
「すすぐ」「そそぐ」「ゆすぐ」



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2017年09月10日

今どきの略語

今回はちょっと柔らかめ、最近の略語をさらってみました。

☆エモい
emotionのエモを形容詞化したもの。
私は先月、新聞で取り上げられているのを見て知りましたが、
「今年の新語」2016年の第2位に選ばれていました。
音楽の世界では、2000年頃から使われていて、
人の心に強く訴えかける音楽を表したようです。
その後、若者が多様な使い方をして、意味の幅が広まっています。
核にあるのは、なんとも表現しがたい気分や感情で、
「やばい」とか「すごい」に近い感じ。
女子高生のエモいは、またちょっと違うニュアンスで、
“なんとなく寂しい気持ちや悲しい気持ち”を表しているようです。

〇激おこ / 〇まじおこ / 〇ムカ着火ファイヤー
「怒り」の3段活用ですね。
可愛すぎる言い方で、怒りの炎がマッチサイズになりそう。

〇ボイメ---ボシスメッセージ
〇かまちょ---かまってちょうだい
〇やばば---ヤバイ+かわいさ+適当さ
〇やばばばば---ヤバいほど「ば」が増えます。
〇えぐやば---えぐいほどやばい
ヤバイはだいぶ前から使われていますが、
語力(?)は衰えていませんね。
ピンチの時も、感動した時も、美味しい時も、楽しい時も・・
もうどんな時でもヤバイと言っておけば、
通じてしまう万能語になっています。

意外と元の語が知られていないかもしれない略語。
〇マタハラ---マタニティ・ハラスメント
〇パタハラ---パタニティ=父性・ハラスメント
〇カラオケ---空+オーケストラ
〇食パン---主食用パン
〇教科書---教科用図書
〇ワリカン---割前勘定
〇OK---oll korrect(all correct の表記ゆれ)
〇NG---No Good



posted by 空凛 at 23:45| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

「ゆすり」と「たかり」

漢字にすると「揺すり」と「集り」です。
えっ!
特に「集り」には、意表をつかれました。

「集り」(たかり)
人をおどして金品をまき上げること。

「揺すり」
1、ゆり動かすこと。
2、おどして金品を出させること。
「強請」とも書く。

元々の意味は漢字の通り“揺する”ことなのですが、
それが今や、恐喝の意味で使われていますから、
ほとんどの人は「強請」という漢字で認識していることでしょう。

「集る」(たかる)
1、一つところにあつまる。よりあつまる。群がる。
2、人に金品をせびる。

「たかる」といえば、私は真っ先にハエを思い浮かべます。
いずれにしろ「たかる」には薄汚れたイメージがあります。

今回のタイトルは 前回の「揺る」からの流れで、たまたま「揺すり」の語源を見つけたことからです。
話しは徳川家康の時代までさかのぼります。
そのくだりが知らない語だらけで、歴史に疎い私には容易に読み下せませんでした。
注釈がいくつも付くわかりずらい説明ですので、まず、あっさりとした要約を先に書きます。
+・・・ +・・・ +・・・+・・・ +・・・ +・・・+
「朝廷から遣わされた神前に捧げ物をもっていく使者が、
京都から日光に至る道中で金品を強要した」
+・・・ +・・・ +・・・+・・・ +・・・ +・・・+
徳川家康は死後、朝廷より神号「東照大権現」を下賜され、日光東照社に祀られ神となりました。
後、東照社は東照宮と改称。
毎年家康の命日の祭礼に「日光例幣使」が派遣されることになりました。

「例幣」(れいへい)
奈良・平安時代、朝廷が神にささげた幣帛(へいはく)

「幣帛」(へいはく)
神社で、神前に奉献するものの総称。
布帛 (ふはく) ・紙・玉・兵器・貨幣・器物・獣類など。

「帛」(はく)は絹布のこと。

「例幣使」(れいへいし)
朝廷から、例幣のために派遣される勅使。

この行事は明治維新前年の慶応3年(1867年)まで、221年間休むことなく続きました。
そして「ゆすり」の由来となった、不埒な行いをしたのが「例幣使」です。
一行は葵の金紋付きの黒革長持を中心に、例幣使が座乗した輿や随員が乗った駕篭が続きました。
14泊15日の旅中、とりわけ中山道から離れ日光例幣使道に入ると、例幣使の一行は朝廷の威光をかさにきて、
ひどい行状だったようです。
乗っている駕籠をわざと揺すって進めなくしたり、自ら籠から転げ落ちたりして、街道の人々から金品を要求しました。
こういうたかり行為が200年余りも続けば「ゆすり」という語も定着しますよね。
さらに例幣使は日光から持ち帰った前年の幣帛を切り刻んで、江戸住まいの諸大名に送りつけ、金品を要求したそうです。
例幣使は浅ましいだけでなく、抜け目なさもありました。
一行は京都までの帰路は江戸を経由し、京都−江戸間の流通も請け負いました。
運搬に必要な人足や馬などは街道沿いの人たち持ち。
例幣使は毎年の派遣で、相当な金品を懐にしたと思われます。



posted by 空凛 at 09:40| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月08日

正しい読み方はどっち?

正しい読み方はどっちでしょう?

他人事
○ひとごと / △たにんごと

一段落
○いちだんらく/ ×ひとだんらく

旅客
○りょかく/ △りょきゃく

美男子
〇びだんし / ○びなんし

大地震
〇だいじしん/ 〇おおじしん

木の葉
〇きのは / 〇このは

水面
〇みのも/ 〇みなも

家中
〇うちじゅう / ×いえじゅう

お手数
〇おてかず/ 〇おてすう

農作物
〇のうさくぶつ/ ×のうさくもつ

花街
〇かがい / 〇はなまち

二人組
〇ににんぐみ / 〇ふたりぐみ

傍若無人
〇ぼうじゃくぶじん/ ×ぼうにゃくむじん

河川敷
〇かせんしき / ×かせんじき

代替機
〇だいたいき / ×だいがえき

御来迎
〇ごらいごう/ ×ごらいこう

依存心
〇いそんしん / ×いぞんしん

古文書
○こもんじょ/ ×こぶんしょ

礼賛
○らいさん / ×れいさん

逆手
○ぎゃくて / 〇さかて
使う場面による。
・相手の言い分を「ぎゃくて」に取る
・鉄棒を「さかて」に持つ

世論
〇せろん / ○よろん
「せろん」----------世間一般の感情
「輿論」(よろん)--世間の大多数の意見


どうでしょう。
勘違いしている語がありませんでした?



posted by 空凛 at 10:27| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月07日

酩酊

ひどく酒に酔うこと。

「酩」も「酊」も“ひどく酔う”意です。
医学的には急性アルコール中毒をさしますので、けっこう危ない状態をいうのですね。
同じ酔っ払いでも「泥酔」は、へべれけ・べろべろ・べろんべろんといった、だらしなく伸びているイメージです。

飲み過ぎを意味する語を拾ってみました。

「狂酔」(きょうすい)
ひどく酒に酔うこと。酒に酔って乱れること。

「酔漢」(すいかん)
ひどく酒に酔った男。よっぱらい。

「酔態」(すいたい)
酒に酔っぱらった姿。

「宿酔」(しゅくすい)
二日酔い

「乱酔/爛酔」(らんすい)
泥酔

「酔余」(すいよ)
酒に酔ったうえでのこと。酔ったあげく。

「酩」も「酊」も熟語は他に見られず、ほぼ酩酊だけのための漢字になっています。
部首「酉」は「とりへん」「ひよみのとり」といいますが、鳥とは関係ありません。
たまたま「酉」が十二支で「とり」と読むことからです。
「酉」は元はお酒をいれる容器を表す象形文字でした。
そのため「酉」が付く漢字は、お酒にまつわるものが多いのです。
酒・酌・酔・酵・酢・醤・醒・・・

ところでビールは大量に飲めるのに、なぜお水はそんなに飲めないのでしょう。
それは水は胃ではそれほど吸収されず、ほとんどが腸で吸収されるうえ、吸収スピードも遅いため、行き場のなくなった水は胃の中にたまり、腹がふくれて飲めなくなるためです。
これに対してビールは、アルコール分が胃や腸で吸収されるとき、同時に水分も吸収されてどんどん排泄されます。




posted by 空凛 at 08:30| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月06日

おもてなしの表現

心をこめて届けたい一言です。

・ようこそ おいで下さいました。
・ようこそ お越し下さいました。
・ようこそ いらっしゃいました。
・ご多用にもかかわらず ご足労いただきまして 恐縮です。
・ようこそお運び下さいました。

「お運び」とは“足を運ぶこと”で、
運んでいただくのは“貴方様”であり、
へりくだった丁寧な表現となります。
「お運び」は名詞としても使われます。
・お運びを願いたく存じます。
・多くの皆様のお運びを頂戴し 感謝に堪えません。
・ようこそのお運び ありがとうございました。

・行き届かないことがあるかと思いますが・・ 本日はごゆっくりお過ごしください。
・お口に合うとよいのですが・・
・何のおかまいもできませんが またお出かけください。
・お名残り惜しいのですが、 そろそろおいとまさせていただきます。

「おもてなし」の語源は2つあります。
〇表裏なし 「表なし」
〇モノを持って成し遂げる 「持て成し」
茶の湯から始まったといわれます。
表裏のない対応というのは理解できますね。
でも「成し遂げる」って、どういうことでしょう?
このモノには気持ちも含まれます。
おもてなしに定形というものはなく、時と場合・状況で 対応は変わります。
相手を思いやり、気持ちを察して、思いを巡らします。
おもてなしに これでいいという限界はありません。
「成し遂げる」は“ベストを尽くす”ということでしょうか。

クッション言葉も自然に出るようにしたいものです。

「クッション言葉」
依頼事やお断りをする時など 伝えにくい話しの前に、印象を和らげるために添える言葉。

・恐れ入りますが
・お手数ですが
・お手間をとらせますが
・ご面倒をおかけしますが
・ご迷惑をおかけしますが
・ご都合がよろしければ
・お差し支えなければ
・大変残念ですが
・せっかくですが
・あいにくですが
・身に余るお言葉ですが
・お役に立てず申し訳ありませんが

「接遇」と「接客」の違い
接客とは、客をもてなすこと。
接遇とは、もてなすこと。応接すること。
「遇する」だけでも“もてなす”意があります。
接客は文字通り“客”に接しているのに対し、
接遇は客に限定されません。
接遇>接客 の関係ですね。



posted by 空凛 at 16:09| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする