2009年09月19日

金城湯池(きんじょうとうち)

1、守りが堅固で容易に落城せぬ城
2、ある勢力が強く、他の勢力の容易に入り込めぬ地域。

出展は、前漢のことを記した歴史書「漢書」(かんじょ)です。

お恥ずかしい話、私は「金城湯池」を見て、ゴールドの城と温泉を思い浮かべまして、「酒池肉林」的な贅沢三昧方向の意味を想像してしまいました。

「金城」は、金ぴかの城ではありません。
説明によっては「銅」だったり「鋼」とありましたが、要するに金属でできた城。
「湯池」は、熱湯をたたえた堀。

さて、ここで「堀」と「濠」の違いが気になりました。
「ほり」(堀/濠/壕)
1、地面を掘って水を通したもの。堀割。
2、地面を深く掘って敵の侵入を防ぐ防御施設としたもの。
(必要に応じて水をたたえたりする)

「ごう」(濠/壕)
土を掘って作ったみぞ。また、城の周囲に設けた堀。
水をたたえたものを「濠」、水のないものを「壕」として区別。

城の場合は「濠」ですが、ほぼ同じものを指すようです。

「金城湯池」の類義語には、
金城鉄壁(きんじょうてっぺき)、難攻不落(なんこうふらく)、
金剛不壊(こんごうふえ)、要害堅固(ようがいけんご)

あら、また自分の無知発見。
「不壊」は「ふかい」ではなく、「ふえ」と読むんですね。
破壊・倒壊・崩壊・壊滅など「カイ」と読むことが多い「壊」ですが、壊死(えし)・壊疽(えそ)など、「エ」という読み方もありました。

最後に「金城湯池」の使用例を、
・自民党の金城湯池を攻める
・共和党の金城湯池であり続ける保守的なアメリカ中西部
・グーグルはマイクロソフトの金城湯池であるパソコンOS市場に進出




posted by 空凛 at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月13日

身上

「身上」には、二つの読みがあります。
「しんじょう」と「しんしょう」です。
辞書をよくよく見ると、
どちらの読みにも“身の上”“本来のねうち”という意味をもっていました。
ですが、実際に使われている例では、
「しんじょう」は“身の上”“本来のねうち”
「しんしょう」は“財産”“暮らし向き”“地位”
という使い分けになっているようです。

●「しんじょう」
・一身上の都合により退職
・誠実が私の身上だ
・身上調査を依頼する
・身上書を書く

●「しんしょう」
・一代で身上を築く
・放蕩息子が身上をつぶす
・身上の苦労

「身上」と同じ意味に「身代」(しんだい)があります。

福島県の民謡「会津磐梯山」(あいづばんだいさん)はご存知ですか?
ここに「しんしょう」が登場します。
*
会津磐梯山は 宝の山よ
笹に黄金(こがね)が エーまた
なりさがる

ことしゃ豊年 穂に穂が咲いて
道の小草(こぐさ)も エーまた
米がなる

小原庄助(おはらしょうすけさん)さん
なんで身上つぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上つぶした
あ〜もっともだ、もっともだ
*
久々に思い出しました。
知っているのは、小原庄助さんのくだりだけですが。

唄はもっと続きます。↓
http://aiduwakamatu.client.jp/report/report/aidu-history/aidubandaisan/aidubandaisan.htm

ところで、
お見合い時に用意する「身上書」(しんじょうしょ)は、
「釣書」(つりがき/つりしょ)ともいいます。
私は字を見て、何の疑いもなく 相手を釣り上げるための文書と思っていましたが、語源は お互いの釣り合いを取るためということです。




posted by 空凛 at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月12日

提灯(ちょうちん)

この週末 街は秋祭りで、商店街や神社には大量の提灯がディスプレイされ、和のムード一色です。

「提」は“手にさげてもつ”という意味で、
「提灯」は携行できる灯りを意味しています。

「提灯持ち」という言葉があります。
他人の手先に使われて、その人の長所を吹聴して回ったりすること。
頼まれもしないのに他人を誉めたり宣伝したりすること。
もとは、夜道や葬列などで、提灯を持って一行の先頭に立つ役のことでしたが、今は 媚びへつらう意味になってしまいました。

この表現をもじった、
「提灯記事」(ちょうちんきじ)
団体・企業・商品・個人を持ち上げるために書かれた雑誌・新聞などの記事。

株の世界では、
「ちょうちん買い」という言葉もありました。
仕手筋や大手証券会社の大口の買いに乗って、同じ銘柄の株を買うこと。

ちなみに、
提灯の数方は、
一個・一張(はり)・一帳(ちょう)・一本・一挺・丁(ちょう)

今さらながら「提」の“手にさげる”意味を知った私ですが、
「提」のところで気になったのは、
「菩提」(ぼだい)
知っているようで、知らなかった「菩提」について、

1、修行を積み、煩悩(ぼんのう)を断ちきって到達する悟り。
2、死後の冥福のこと。
菩提とは、
悟りを開いた仏の境地を表すことから、涅槃と同義と考えられました。

「菩提」の意味を理解したものの、
「菩提を弔う」という言い方にまた疑問がわきます。
‘悟りを弔う’? ‘冥福を弔う’?

「菩提を弔う」(ぼだいをとむらう)とは、
死者が涅槃に向うように供養すること。

ある説明によると、
一般的には、菩提=涅槃=仏の状態と捉えているところから、
「菩提」→ 「死者」で、
「菩提を弔う」→「死者を弔う」
というようなことではないかとありました。

「菩提寺」(ぼだいじ)とは、
先祖代々の墓をおき、葬式や法事を行う寺。檀那寺。




posted by 空凛 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月06日

ひねる

「ひねる」には、物・手足などを“ねじる”意味と、
“深く考える”という意味があります。
・蛇口をひねる
・手首をひねる
・アイデアをひねる
・俳句をひねる
・ひねった問題
漢字は「捻」「拈」「撚」の字が当てられています。

「捻」
ひねる。ねじる。つまむ。
捻挫・捻出

「拈」は「捻」とほぼ同じ

「撚」
ひねる。よりをかける。
撚糸


「ひねる」には「陳ねる」というのもあります。

「陳ねる」(ひねる)
1、年を経る。古くなる。
2、子供が、年齢より大人びている。
・ひねた大根
・ひねた子供

「陳ねる」は「ひね」の動詞化したものです。

「陳」(ひね)
1、古くなること。
2、古くなった穀物や野菜。
特に、一年以上前にとれた穀物。
3、老熟していること。ませていること。
4、おくての稲。晩稲。

「ひねる」「ひね」を変換しても「陳」という字は出ません。
漢和辞典でも「ひね」と読むことは記されていませんでした。
でも、確かに「陳」には“古い”という意味がありました。
「陳」 チン
1、つらねる 陳列・開陳
2、のべる 陳情・陳述
3、ふるい 陳腐・新陳代謝

「ひねくれる」となると、漢字は「捻」のみ、
「捻くれる」です。
1、まがる。ゆがむ。
2、性質が素直でなくねじけている。

そして、
“古くさくなる”という意味の
「陳くれる」(ひねくれる)なる言葉もありました。

「ひねる」も「ひねくれる」もほとんどひからがな表記ですから、漢字に直すと別の言葉のようです。




posted by 空凛 at 22:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月05日

「通常通り」は正しいか?!

先日 文章を入力中に、ふとこれって重ね語?って疑問が湧きました。

「通常」と「通り」で分解してみると、

「通常」
特別でなく、普通の状態であること。
(副詞的にも用いる)

「通り」
(上に修飾句を伴って)それと同じ状態・方法であること。
そのままであること。
・指示された通りに動く

重複しているようにも思えます。
検索してみると、私のような疑問を持った人がいて、Q&Aがありました。

* *
「通常」で一つの副詞か名詞で、特に「通」という漢字の表すことを意識していないと思う。
「通常」で「いつもそうであるさま」、
「通り」で「〜と同じように」という感じ。
これらを合わせたものが「通常通り」だと思う。
「通常通り」=as usual と頭の中で結びつけてしまっているせいか、あまり違和感を覚えない。
* *
「いつもどおり」が使われることと、
この「いつも」という言葉の最もよく使われる言い換えが「通常」であることから、「通常通り」が出てきたのだと思います。
重ねない表現としては、
・本日、平常通り営業します
・本日は通常の営業です
* *

Webで見ても「通常通り」は、 かなり浸透しているようですが、いったん気にしてしまうと使うのがためらわれます。

「通」のつく言葉で目にとまったのは、

「通り一遍」(とおりいっぺん)
うわべだけで心のこもっていないこと。
通り掛かりに立ち寄っただけで、平素からの馴染でないということから、
形式・表面だけで実意のこもらないことを指すようになりました。
・通り一遍のあいさつ
・通り一遍の質問に通り一遍の回答

「通人」(つうじん)
1、ある物事に精通している人。物知り。
2、世態・人情に通じている人。
3、花柳界の事情に通じている人。通。粋人。
・事情通
・歌舞伎の通だ
・通なはからい




posted by 空凛 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月30日

危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)

生きるか死ぬか、存続するか滅亡するの瀬戸際。

「危急存亡」を大辞林で見ると、
諸葛亮「前出師表」より。
「ききゅうぞんぼう」とも。
危機が迫って、生き残るか滅びるかという重大な瀬戸際。

無知な私は「諸葛亮」? 「前出師表」?
何のことやらです。
それで「諸葛亮」から紐解きました。

「諸葛亮」(しょかつりょう)とは、
三国時代(181〜234)の、蜀漢(しょっかん)の軍師。

「三国志」(さんごくし)とは、
中国の後漢末期から三国時代{魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)}にかけて群雄割拠していた時代(180年〜280年頃)の興亡史。

「出師表」(すいしのひょう)とは、
師=軍隊で、「出師」とは、軍隊を出すこと。
臣下が出陣する際に君主に奉る文書のことです。

「前出師表」は、
諸葛亮が 227年に蜀漢の皇帝である劉禅に奉った文書。
「前出師表」の内容を訳したものがありました。
http://www.asahi-net.or.jp/~se2m-ued/ranbu/suishi1.htm

「とき」に「秋」の字を当てるのは、秋は収穫の季節であり、1年で最も大事な時期という意味から。

でも、「ききゅうそんぼうのとき」と入力しても一気に変換してくれません。
危急存亡の「時」や「トキ」が候補にあがってきます。
確かに「トキ」も種の存続の危機にありますから はまりますね。




posted by 空凛 at 20:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

涵養(かんよう)

水が自然にしみこむように、少しずつ養い育てること。

「涵」は “ひたす”意。
上記の説明では、ちょっと抽象的すぎてあまりわかった気になりませんでした。
より具体的な説明では、
1、草木をうるおし養うこと
2、人に恵みをほどこすこと
3、学問や見識・人格をしだいにつくりあげていくこと

使用例としては、
・徳性を涵養する
・読書力を涵養する
・税源涵養を図る

「涵養」は、日常に気軽に出てくる言葉ではありませんが、水を巡る環境問題で登場します。

<地下水涵養>
降雨・河川水などが地下浸透して帯水層に水が供給されること。

地下水が涵養されると、帯水層のすき間が水で埋まるため地盤が安定し、地盤沈下を防止できます。
また、地中の水分が蒸発する際に気化熱を奪って気温を下げるため、都市部のヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。

近年は、アスファルトやコンクリートに覆われているため雨水が地下にしみこまず、すぐに海へ流出してしまうため、地下水の塩水化、河川の洪水などの被害が発生しやすくなっています。

<水源涵養活動>
森林を保護し育てることで水源を守っていこうという活動。

森林の働きは、
・雨水を貯留
・洪水を緩和
・雨水を浄化
森林は「緑のダム」ともいわれます。

地球に降り注ぐ雨の量はほとんど毎年一定量で、地球の水は太古の時代からほとんど変わることなく循環を繰り返しているだけなんだそうです。




posted by 空凛 at 18:39| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月23日

冒頭(ぼうとう)

文章や談話のはじまりの部分。前置き。

日経の「春秋」覧で、
「冒」という字は、頭巾のたぐいを深くかぶり目だけを出している姿を表しているそうだ。
それがかぶとをつけて進撃する格好にも見え、無頓着に行動することを指した。との記事を目にしました。
記事は、「冒険」「流行性感冒」をあげ、新型インフルエンザ対応のことで結んでいます。
その後に目にしたのが「冒頭」でした。
「ぼうとう」はよく使っていたはずですが、「冒」の字だったことに気づかされました。

「冒」
ボウ・モウ・おか-す・おお-う
目におおいをかぶせたさまで、おおう意。
1、おおう
2、おかす
3、むさぼる

「冒頭」は「頭をおおう」という解釈でしょうか。
そこから“前置き”という意味になる道筋が知りたかったのですが、見つかりませんでした。

「冒頭」の反対語はという質問の回答はありました。

「冒頭」は文章だけには限らないので、
文末・終末・末尾・結末
情況に応じて、使い分けることになります。

“おかす”には、「冒」「侵」「犯」がありますが、
書き分けは、

「冒」
じゃまになる物事を乗り越えて物事をする
・危険を冒す
・吹雪を冒して進む

「侵」
他人の領分や権利にかってに踏み入る
・国境を侵す
・所有権を侵す

「犯」
法律・規則・道徳の定めを破る
・罪を犯す
・法を犯す

それでは、
「病におかされる」はどの字でしょう?
「冒」だという答えもありましたが、
「侵」のほうが多数のようです。

最後に、
「冒涜」(ぼうとく)は、
神聖なもの・清浄なものをおかし、けがすこと。
尚、「涜」は1983年にJISが作った略字です。



posted by 空凛 at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

みだりに(妄りに/猥りに/濫りに)

1、分別なく行うさま。
2、正当な理由や資格もなく行うさま。

「みだりに」は、
動詞「乱る」

形容動詞「みだり」(乱り/妄り/猥り/濫り)

副詞「みだりに」(妄りに/猥りに/濫りに)
という成り立ちのようです。
「みだら」(淫ら/猥ら)は、「乱れる」「乱り」と同源です。

みだりにに当てられた漢字「妄」「猥」「濫」がどれも私には意外なものでした。
それぞれの漢字を見てみると、

「妄」
ボウ・モウ
1、みだり。すじの通らないこと。でたらめ。
2、みだりに。むやみやたらに。

妄想・妄執・妄信などすぐ浮かびますが、「妄」自体の意味を調べたことはありませんでした。

「猥」
ワイ・みだ-りに
1、みだりに。むやみに。
2、みだす。みだれる。
3、みだら。

「猥」は、卑猥・猥談 など“みだら”の意味しか頭にありませんでした。

「濫」
ラン・みだ-れる
1、水があふれひろがる---氾濫
2、みだりに----濫用

“みだり”にという意味での「濫」の熟語は、「乱」に置き換えられています。
乱用、乱発、乱獲、乱造、乱作、乱掘、
乱行、乱読、乱伐、乱費、乱立
これは、
昭和29年3月に「濫」の字が当用漢字から削除されたことによります。
日本新聞協会の新聞用語懇談会はこれを受けて「濫」と同音で似た意味の「乱」で代用することに決め、翌4月から新聞各紙が採用しました。
この結果、公用文では「濫用」、新聞では「乱用」という不統一の状態になっています。
他にも、
常用漢字:「遵守」「遵法」「○箇所」「附属」
新聞: 「順守」「順法」「○個所」「付属」・・など。
両方の字を知っている人には、違和感が残りますね。




posted by 空凛 at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月16日

氏子(うじこ)

1、共同の祖先神をまつる人々。
2、共通の氏神をまつる人々。氏神が守護する地域に住む人々。

言葉くらいは聞いたことがありますが、現実にその存在や活動を見聞きすることがほとんどないので、ぼんやりとした印象しかありません。

まず、「氏神」(うじがみ)とは、何でしょう。
日本において、同じ地域に住む人々が共同で祀る「神道の神」のことです。
同じ氏神の周辺に住みその神を信仰する者同士のことを氏子といいます。
現在では、鎮守(ちんじゅ)・産土神(うぶすながみ)ともほぼ同じ意味で扱われることが多いようです。

かつて地域の守り神は、地域住民のまとまりを表す存在で、氏子集団は地域の暮らしに切っても切れない組織でした。
たとえばお宮参りは、その地域に生まれた子どもが氏子として認められること。それは地域社会の一員に受け入れられるということでした。

かつての地域社会は、氏子集団の他にも子供組・若者組などと年齢ごとに分けられた集団や講、互助組織といった様々な集団の繋がりが見られました。
「講」(こう)とは、
中世中頃以後、宗教上あるいは経済上の目的を達成するために、志を同じくする人々のあいだで組織された社会集団の一種。
寺院・神社などを維持したり、集団参詣を行なった。
近世になると、行楽を主目的として名山・霊場などへ集団参詣するためのものも生まれました。
富士講・伊勢講など。

「氏子」に対して、「檀家」(だんか)は、
特定の寺院に所属する家、世帯のことです。
布施などの経済的援助を持続して行い、葬式・法事などを行なってもらいます。
これは江戸時代の(てらうけせいど)に起源があります。
寺請制度とは、
江戸幕府がキリスト教や日蓮宗不受不施派を取り締まるために、宗旨人別帳(宗門改人別帳)と呼ばれるものを寺院に命じて作らせ、管理したものです。
当時、すべての世帯はどこかの寺院の檀家となることが義務づけられていました。
明治以降、制度はなくなりましたが、檀家と寺の関係は今でも存続しています。




posted by 空凛 at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

捏ねる(こねる)

1、粉や土に水などを加えて練る。
2、(理屈・無理・難題などを)あれこれと言う。こね回す。

捏造(ねつぞう)という熟語はよく見聞きしますので、「捏」という字も知っているはずなんですが、「捏」だけ切り離されると見知らぬ漢字で、
「捏ねる」となると読めませんでした。

「捏」
ネツ・デツ・ネチ・こ-ねる
1、土をこねる
2、こじつける

「捏ち上げる」と書いて、「でっちあげる」と読むんですね。
「捏造」も、もともとは「でつぞう」と読んだようです。

「捏」の並びには、
「捏ねる」(つくねる)なる言葉もありました。
1、こねて固める。
2、たばねる。
3、両手を組み合わせる。

居酒屋でよく注文する「ツクネ」は「捏ね」だったとは、知らぬは私ばかりなり?!

捏ね(つくね)
鶏肉や魚肉などのすり身にみじん切りの玉ネギなどを加え、卵や片栗粉をつなぎとしてこねて好みの大きさにまるめたもの。
Wikipediaには、
「つくね」とは、種を手や器具できちんと団子状に成形したものを調理したものの総称で、「肉類ならつくね」「魚類ならつみれ」というのは厳密には誤りである。つみれとつくねを合わせて「丸」(がん)と総称することもある。
とありました。

ちなみに、
「こねる」が濁音になった「ごねる」に漢字は当てられていませんでした。

「ごねる」
1、不平・不満・要求をくどくどと言いたてる。
2、死ぬ。くたばる。

「ごねる」は、「こねる」が強調されたものする説や、
「こねる」と「ごてる」“ぐずぐず不平や文句を言う”の混同から生まれたという説がありました。

ごね得(ごねどく)
ごねて相手に譲歩させた分だけ自分の方が得をすること。ごてどく。

「ごね得」では、双方ともに苦々しいものが残りそうです。




posted by 空凛 at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月09日

練り歩く(ねりあるく)

列になって、ゆっくりと歩く。
また、行列がうねるようにして進む。

漢字が「練り」だったのも、
“列になって、ゆっくりと歩く”という意味があったのも発見でした。
私は“うねるようにして進む”と覚えていました。
皆さんはご存知でした?

「練る」<自動詞>を見てみると、
1、列をつくって、ゆっくり進む。
2、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして進む。
3、静かに歩く。ゆっくり歩く。

こんな3通りの情況を示すものとは知りませんでした。
人々の情況がわかっていないと判断がつきませんね。

「練」は 煮てやわらかくし、つやを出した糸の意。
「練る」<他動詞>は、
“ねる”“きたえる”“熟達する”などの意味を持っています。

ちなみに、
「練」は、金属を火で溶かして精錬する意。
「錬」は、金属を熱し溶かしてやわらかくし、ねりきたえる意。

「練る」の使用は幅広く、
・餡・ハンバーグ・納豆・パン生地・水飴・
・コンクリート・珪藻土・朱肉・
・アイデア・計画・企画・対策・構想・文章・戦略・・・
さらには、「気を練る」までありました。
何かと思いましたら、「気功」のことでした。
気功の修行は練習とは言わず錬功(れんこう)というそうです。
錬功とは、気を練ること。

ところで、練り物(ねりもの)と言ったら、
私は カマボコ・チクワ・ハンペン、そしてお菓子の羊羹などの“練り製品”を思い浮かべていましたが、
他にも
・祭礼などにねり歩く、行列・山車(だし)・踊り屋台など。
・ねり固めて珊瑚(さんご)や宝石などに似せたもの。
などの意味もありました。



posted by 空凛 at 19:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月08日

故買(こばい)

盗品と承知して買うこと。

質屋さんや骨董屋さんはご存知でしたでしょう。
盗品と知っていて買ったのならばもちろん犯罪。
知らなくても本当の所有者が現れた場合は、所有者に無償で返さなくてはいけないようです。

質屋に預ける品を「質草」と言いますが、なぜ「草」なのでしょう。

質草(しちぐさ)
抵当として質におく品物。質種(しちだね)
元々は「質種」と書いて「しちくさ」と読みました。
「種」は「くさ」とも読むんですね。
「種/草」(くさ)は、何かを生ずる原因・材料、たねのこと。
「質草」「語りぐさ」「お笑いぐさ」のように濁ります。

「故買」と同じ意味の言葉に、
「窩主買い」(けいずかい)があります。
盗品であることを知りつつ売買すること。
また その人。故買。系図買い。
「窩」は穴ぐら、
「窩主」は盗賊をかくまい、盗品をかくしておく所。

この言葉も初です。
「故買」も「窩主買い」もワープロ変換できません。

「系図買い」(けいずかい)を見てみると、
1、貴族の系図を買って家の格を高く見せたこと。
2、縁組などの際、系図を重くみること。
3、窩主買い

室町末期の戦国時代、のしあがって戦国大名になった諸国の土豪や武士たちは、対面を保つために立派な系図を捏造したようです。
さらに江戸時代になると、系図買い、系図作りなどの商売が中流武家社会で繁盛している事実もあるそうです。
そう聞くと、系図も信憑性が問われますね。



posted by 空凛 at 19:25| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月02日

重複形容詞

「重複形容詞」という文法語的な堅い言葉を見つけました。
「重複形容詞」は知らなくても、私達は日々様々な場面でこれらの表現を使っています。

ういういしい(初)
かいがいしい(甲斐)
すがすがしい(清)
どくどくしい(毒)
ふくぶくしい(福)
みずみずしい(瑞)
ぎょうぎょうしい(仰)
とげとげしい(刺)
ばかばかしい(ばか)
まがまがしい(禍)
めめしい(女)
おおしい(雄)
しらじらしい(白)
なまなましい(生)
はなばなしい(花/華)
そらぞらしい(空)
りりしい(凛)

あらあらしい(荒し)  
かるがるしい(軽し)
さむざむしい(寒し)
にくにくしい(憎し)
わかわかしい(若し)
いたいたしい(痛し) 
ずうずうしい(図太し)
ふてぶてしい(太し)
おもおもしい(重し)
こうごうしい(神々し)
たけだけしい(猛し)
にがにがしい(苦し)
よわよわしい(弱し)

いまいましい(忌む) 
おどろおどろしい(驚く)
なれなれしい(馴れる)
にぎにぎしい(賑わう)

「おどろおどろしい」が「驚く」から来ているとは意外でした。

重複形容詞は「畳語形容詞」とも言うようです。
私は「たたみご」と読んでしまいましたが、
畳語(じょうご)と読むのでした。
「人々」「泣く泣く」「重ね重ね」「知らず知らず」などのように、同一の単語あるいは語根を重ねた語のことです。

同じ語句を繰り返して強調やリズムの効果を上げようとする修辞法を「畳語法」(じょうごほう)と言います。

畳語は連濁をおこしますが、
「カリカリ」「スタスタ」「ヒタヒタ」のように擬音語・擬態語は連濁をおこさないところが違っています。




posted by 空凛 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月01日

矯める/撓める(ためる)

1、木・竹・枝などを、曲げたりまっすぐにしたりして形を整える。
2、悪い性質やくせなどを直す。矯正(きようせい)する。
3、目をすえて見る。じっと見る。
4、弓・鉄砲で、ねらいをつける。

私の中では、「ためる」は「溜める」「貯める」のみで、
「矯める」という候補はありませんでした。

「矯」
キョウ、た-める、いつわ-る
くるった矢をたわめてなおす意。
1、ためる
2、いつわる

「撓」
ドウ・コウ・ジョウ・たわ-める
1、たわめる。曲げる
2、たわむ
3、みだす。みだれる

「撓」は、
撓む(たわむ)、撓う(しなう)とも読みます。

「撓む」(たわむ)
1、固い棒状・板状のものが、加えられた強い力によってそり曲がった形になる。しなう。
2、心が屈する。疲れる。たゆむ。

「不撓不屈」(ふとうふくつ)
どんな困難に出合ってもひるまずくじけないこと。

今まで「ふとうふくつ」は「不倒不屈」だと思っていました。

私は、まったく「矯める」の存在を知りませんでしたが、
皆さんは、日常「矯める」を使ったり耳にすることはありますか。

「矯める」を使った諺がありました。
「角を矯めて牛を殺す」(つのをためてうしをころす)
牛の曲がった角を直そうと手を加えているうちに牛を殺してしまうこと。
転じて、少々の欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。
「枝を撓めて花を散らす」という表現もあります。
ありがちな失敗ですね。
いつかさらりと使ってみたいものです。




posted by 空凛 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月26日

故意(こい)

ことさらにたくらむこと。わざとすること。

対義語は、
「過失」(かしつ)
不注意・怠慢などのためにおかした失敗。

「故意」も「過失」も法律用語としての意味を持っています。

「故意」
罪を犯す意思があることを指します。

「過失」
ある事実を認識・予見することができたにもかかわらず、注意を怠って認識・予見しなかった心理状態。
あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず、回避するための行為を怠ったことをいいます。

旧刑法では、計画的な殺人を「謀殺」、発作的な殺人を「故殺」と分けていましたが、現行法ではこの区別はなくなりました。

「故殺」(こさつ)とは、
1、故意に人を殺すこと。
2、〔法〕 一時的な激情によって故意に人を殺すこと。

「謀殺」(ぼうさつ)とは、
あらかじめ計画して人を殺すこと。

殺意はなく、暴行・傷害によって他人を死に至らしめた場合には「傷害致死罪」となり、殺人の意思も暴行・傷害の意思もないが過失によって人を死に至らしめた場合には「過失致死罪」となります。

ずいぶん昔、夏樹静子のミステリーで「未必の故意」というものを知った時は、こんな犯罪もあるのかと強く印象に残りました。

「未必の故意」(みひつのこい)
実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないが、自分の行為により結果として実害が発生してもかまわないという行為者の心理状態。
この場合も「故意」があるとして罰せられます。



posted by 空凛 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

辛気臭い(しんきくさい)

気分がはればれとしないようす。
いらだたしいこと。

「辛気」(しんき)
1、心持ち。気分。
2、心がはればれしないこと。くさくさすること。

・辛気を砕く(いろいろと気を遣う)
・辛気を燃やす(気をもむ)
・辛気が湧く(じれったくて我慢できなくなる)
などの例が載っていましたが、
私は耳にしたことがない表現です。

尚、
「臭い」とありますが、「匂い」を意味しているわけではなく、接尾語として使われており、“そのような雰囲気がする”“そのような気分がする”という意味で使われています。

他にも、
・インチキくさい
・面倒くさい
・照れくさい
・バタくさい
などがありますね。
「辛気くさい」もひらがな表記のほうがいいかもしれません。
ところで
「バタくさい」はわかりますか。
バタはバターのことで、西洋風な感じがする。
また、西洋かぶれしていること。
明治か大正時代にできた言葉でしょうか。

それにしても、なぜ「辛」の字なんだろうと思っていましたら、
「辛気」は、「心気」の転で、「心気を凝らす」などの用法から生じたものとありました。
「心気/辛気」(しんき)なのでした。

「心気」のところに、「心気病み」(しんきやみ)というのがありました。
気がうつうつとして晴れず病気のようになること。
また、その人。

うつ病のことかと思いましたら、
心の病気に「心気症」「抑うつ神経症」「うつ病」などとありましたので、専門的には分かれているようです。




posted by 空凛 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月19日

「心やり」と「心づかい」

今回は、私が勘違いして覚えていた言葉を取り上げました。

■ 心遣り(こころやり)
気晴らし。なぐさみ。

×思い遣り(おもいやり)・気配り・心配り・心遣い(こころづかい)
などと同列の言葉だと思っていました。

■ 浮き足立つ(うきあしだつ)
恐れや不安を感じて逃げ腰になる。落ち着きがなくなる。

×「ウキウキ」に影響されて、気分が弾むことかと思っていました。
嬉しくて落ち着かなくなることは「浮き立つ」
心が落ち着かないこと。そわそわする様子は「気もそぞろ」

■ まんじり
1、ちょっと眠るさま。
2、じっと見つめるさま。

×じっと身動きしないことかと思っていました。

「まんじり」に2つの意味がありました。
でも、ほとんど「まんじりともせず夜を明かす」という決まり文句で使用されているだけのような・・・。

■ 雨模様(あまもよう/あめもよう)
どんよりと曇って、雨の降りだしそうな空のようす。
「もよう」は「催い」(もよい)が変化したもので、
「〜となりそうな状態」を表します。

そうは言っても、現状は 雨が降っている状態を指して使われることも多く、辞書によっては「雨が降ったりやんだりすること」も載せています。
“降っている”のか“降っていない”のか、どっちかにしてもらいものです。





posted by 空凛 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月18日

等閑視(とうかんし)

物事をなおざりにすること。
注意を払わず、ないがしろにすること。

知らない言葉でした。
現代ではほとんど使用されていないのではと思って、ネットで検索しましたら・・・

・北方領土問題を等閑視するな
・与党過半数割れ、等閑視できない
・今や等閑視できない輸血性の感染症
・六者協議で日本人拉致問題は等閑視

活きていました。
どれも重苦しい話ばかり。

「等閑」とは、
物事の扱いをいい加減にすること。注意を払わないこと。なおざり。
以前とりあげました「なおざり」は「等閑」とも書くのでした。

閑散・閑職・有閑マダム・閑古鳥 など、よく知ってるつもりの「閑」も辞書を引いて見ると、

「閑」
カン・しず-か
牛馬が逃げないように小屋の入口に横にわたした木の意。
1、しきり
2、ふせぐ
3、のり。法則
4、しずか
5、ひま
6、なおざり。無視する。

“ひま”という意味のみで認識していましたが、
“なおざり”の意味がありました。

「等閑視する」と同じ意味で、
「等閑に付す」「閑却する」という表現があります。

・閑却(かんきゃく)
いいかげんにしておくこと。

誤解の多そうな「閑話休題」の意味も確認しておきます。

・閑話休題(かんわきゅうだい)
それはさておき。さて。

無駄話(閑話)をやめて(休題)、話を本筋に戻とき、または本題に入るときに用いる接続詞的な言葉。
本筋から脇道に入る「ここからは余談ですが」という意味ではなく、
“脇道→本筋”です。





posted by 空凛 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月12日

糺す(ただす)

罪や真偽・事実などを問い調べる。
(「正す」と同源)

「糺す」が読めませんでした。

「ただす」と変換すると、
正す
質す
糺す
糾す
と4つの候補が出てきました。
ワープロの注釈では「糾す」=「糺す」となっており、
大辞林には、「糾す」は載っていませんでした。
でも「糺」を漢和で引くと、「糺」は俗字で=「糾」とあります。
「糾」を見てみると、
キュウ・あざな-う・ただ-す
1、あざなう。糸や縄をより合わせる
2、あわせる。集める。---- 糾合
3、もつれる。乱れる。---- 紛糾
4、ただす。-------------- 糾明、糾弾

糾弾、紛糾でよく目にする「糾」ですが、
「あざなう」と読むことを知りませんでした。
確かに、糸偏です。

紛糾、糾明、糾弾、糾問、糾察、糾正
あざなうというよりは、縄でしめつけるイメージの熟語ばかりです。

それでは、
「正す」「質す」「糺す」の使い分けを確認してみます。

「正す」
1、間違っているものを改める。
・誤りを正す
2、きちんと整える。
・姿勢を正す
・威儀を正す
・襟を正す
3、道理にかなっているかどうかをはっきりさせる。
・是非を正す

「質す」
たずねて明らかにする。質問する。きく。
(「正す」と同源)
・真意を質す
・意向を質す
・方針を質す


「威儀を正す」とは、
身なりや形を整え、礼儀・作法にかなった動作、立居ふるまいをすることをいいます。
「居ずまいを正す」「威儀をつくろう」とも言います。

この「威儀」を熟語通り、威厳を持って儀式にのぞむという風に理解していましたが、仏教からきた言葉なのでした。
僧侶の袈裟につけてある平たい紐のことを「威儀」といいます。
儀式の前に、この威儀にねじれやゆがみがないように、きちっと直したことからきています。
そこから、
礼式にかなった、重々しく威厳のある態度・動作という意味に。




posted by 空凛 at 18:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。