2009年07月11日

目論見書(もくろみしょ)

株式・社債などの有価証券を募集または売り出す場合に配布される、発行者の事業内容に関する説明書。
1998年12月以降は投資信託にも交付が義務化。
国債・地方債などに関しては目論見書は発行されません。

「もくろみ」は「目論見」と書くんですね。
私は「目論見書」というものを知った時、どういう意図からこういうネーミングになったんだろうと首を傾げました。
もっと受けのいい名前がいくらでもあったでしょうに。
ちなにみ、内容的には同じもので「受益証券説明書」というのがあります。
こちらも堅い。
私は「もくろみ」にちょっとした“たくらみ”のニュアンスを感じてしまうのですが、そんな含みはないのでしょうか。

・目論見(もくろみ)
計画。くわだて。考え。

・計画(けいかく)
事を行うにあたり、その方法や手順などをあらかじめ考えること。
もくろみ。案。プラン。

・企て(くわだて)
もくろみ。計画。

・企み(たくらみ)
たくらむこと。計略。陰謀。

「たくらみ」は明らかに人をだまそうとする意図がありますが、
「もくろみ」「計画」「企て」は、大辞林の内容に違いが見られません。
ただ、ある本には、
「計画」は、建設的な方向で考える場合に用い、
「もくろみ」は、こっそりと何かを計画する場合によく使うとありました。

もくろみを類語辞典で引いてみると、
思い ・ 構え ・ 皮算用 ・ 企画 ・ 胸中 ・ 計略 ・
心積もり ・ 算段 ・ 思案 ・ 下心 ・ ストーリー ・
企み ・ 打算 ・ 狙い ・ 謀 ・ 腹 ・ プラン ・
胸算用 ・ 目算 ・ 野心

やはり腹に何か隠し持った感じがチラリとします。

次に「企てる」も調べてみました。

「企てる」
1、事を始める前に、その手順を考えたり、整えたりする。
もくろむ。たくらむ。企図する。計画する。
2、足をつまだてる。

「企てる」には、“たくらむ”意味も含んでいますね。

とろろで、
“足をつまだてる”という意外な意味がありました。
「企」を漢和で引くと、
人がかかとをあげて立つさまを表しているとありました。
現在では、“計画”するという意味だけで使っていますが、
“つま立つ”や“待ち望む”という意味を持った漢字なのでした。
さらには、
「企てる」は「くはびら立つ」の略で、
「くはびら」はくるぶしから先の部分や足のことを指しています。




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2009年07月05日

頓着(とんじゃく/とんちゃく)

深く心にかけること。

・彼は着るものには無頓着だ
・細かいことには頓着しない人

以前、「頓服」で取り上げたことがある「頓」ですが、
また発見がありました。

「頓」の主な意味は、
1、にわかに。急に
頓挫、頓死、頓智、頓才、頓狂
2、にぶいこと。とんま
頓馬

「頓」の意味に「とんま」がまずあった私は、頓の熟語を正しく理解していませんでした。
「頓狂」もトンマでおかしい行動と思っていました。
正しい意味は、
だしぬけに調子はずれの言動をすること。

こうしてみると、
「頓」はほとんど“急に”という意味の言葉で使われています。
その中で「頓着」は、どうして“深く心にかけること”になるのか不可解です。
ネットで探してみると、見つかりました。
「頓着」は、仏教語「貪著」(とんじゃく)から転じたようです。
「貪著」
むさぼり求めること。また、深く心にかけること。
「貪著」はやがて「頓着」とも書かれるようになり、“物事を気にすること”という一般的な意味でも使われるようになりました。
読み方は「とんちゃく」のほうが優勢のようです。

また、
・最近、とみに視力が落ちてきた
・塾に通うようになって、とみに実力がついてきた
などと言う「とみに」は、「頓に」と書きます。
「頓に」(とみに)
急に。にわかに。
これは、
とんに → とにに → とみに
と変化したようです。



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2009年07月04日

お気軽な「っぽい」

「嘘っぽい」「オタクっぽい」「俗っぽい」
「っぽい」は何にでもつくようで、
高っぽい、細っぽいなどとは言いません。
何か法則があるのでしょうか。

辞書によると、
「っぽい」は接尾語(さまざまな語について形容詞を作る)で、
1、名詞に付いて
そのものでなないが、それに近い性質があるさま。
・愚痴っぽい
・色っぽい
2、動詞の連用形に付いて
・・・する傾向があるさま。
・飽きっぽい
・忘れっぽい
3、形容詞・形容動詞の語幹に付いて
・・・の性質がありありと感じられるさま。
・安っぽい
・きざっぽい

私達はこんな風に分類して使っているわけもなく、
・子供っぽい
・艶っぽい
・熱っぽい
・理屈っぽい
・埃っぽい
・骨っぽい
・水っぽい
・白っぽい/黒っぽい
・怒りっぽい
・惚れっぽい
・哀れっぽい
・夏っぽい
とても便利に使っています。
「っぽい」は、近年の言葉かと思いきや、
江戸時代末期には話しことばとして広く使われていたそうです。
それが最近は、若い人の間で、より自由な「っぽい」の活用が起きています。

文章+っぽい>>
・○○に似てるっぽい
・○○をやってるっぽい
・○○に嫌われたっぽい

過去形+っぽい>>
「行ったっぽい」

っぽいの過去形>>
・○○ぽかった

などなど。
本来は“よく似た性質である、その傾向が強い”という意味ですが、
“・・らしい、・・ようだ”というような意味で使われています。
意味は通じますし、お気楽に使えてしまいます。
耳が慣れれば、文法外れでも違和感はなくなるのかもしれません。




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2009年06月28日

博引傍証(はくいんぼうしょう)

多くの資料を引用し、それらを証拠として事を論ずること。

今回、「博」を取り上げたのは、
辞書を見ていて、
博学、博識、博聞、博覧、博愛とあって、
「博才」に引っかかったからです。
「はくさい」? 博な才能?
いえいえ「ばくさい」です。
「博才」(ばくさい)
ばくちの才能。かけごとに勝つ才能。

私は「博」を博士・博学・博識のイメージから勝手に学術的な色付けをしていて、バクチと「博」が繋がりませんでした。

「博」ハク・バク・ひろ-い
「博」の偏は 多いことを意味している「十」で、
広くひろめる・行きわたらせるという意味。
1、広い。広く行きわたる
2、広める。広まる。
3、大きい。
4、とる。得る。
5、すごろく。ばくち。

ありました。最後に“ばくち”という意味が。

・博打(ばくち)
「ばくうち」の転。
1、金品をかけて、賽(さい)・花札・トランプなどの勝負をすること。
賭博(とばく)。ばくえき。
2、成功の可能性は薄くても、思い切ってしてみること。
・大博打に出る

・賭博(とばく)
金や物などをかけて勝負事をすること。ばくち。

・賽子(さいころ)
「ころ」は接尾語。
双六(すごろく)や博打の用具。さい。ダイス。

ところで、
「一か八か」(いちかばちか)という言葉がありますが、
丁半賭博から来ているという説があります。
「丁か半か」から「丁」と「半」の字の上部をとって「一」か「八」か。
違う説としては、
サイコロの目に一が出るかしくじるかの意で「一か罰か」から。

また、
思う壺(おもうつぼ)も賭博で振る壷からきているという説があります。
思った通りのサイコロの目が出るという意味から。




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2009年06月27日

証憑(しょうひょう)

事実を証明する根拠。よりどころになるもの。根拠。

知らない言葉でした。
「証」と「憑」から意味も想像できませんでした。
というのも「憑」の意味を“のりうつる”としか認識していなかったらです。

「憑」 ヒョウ
1、よる。よりかかる。
2、よりどころ。あかし。
3、たのむ。すがる
4、のりうつる
5、川を徒歩でわたる

“よりかかかる”“よりどころ”といった意味もあったのです。
「憑依」も“霊がのりうつる”こととして覚えていましたが、両方の意味を持っていました。

・憑依(ひょうい)
1、たよること。よりすがること。
2、霊などがのりうつること。

・信憑性
人の言葉などに対する信用できる度合。信頼性。

次に、
考証、論証、立証、引証、実証、確証、
傍証、反証、偽証、検証、認証、保証、
などの熟語がある「証」を見てみると、

「証」ショウ・あかし
確かであるというしるし。証拠。証明。

証拠と同じ意味で、「証左」(しょうさ)があります。
この「証左」の「左」が気になりました。
この「左」は何?

「左」 サ・ひだり
右手のはたらきを助ける意。
1、ひだり
2、あかし
3、たすける(佐)

「証左」の「左」は“あかし”という意味でした。




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2009年06月21日

如何様(いかさま)

偽物。まがいもの。いんちき。ペてん。

いかさまが「如何様」と書くとは知りませんでした。
「いかにもそのものらしい」ということから
“偽物・まがいもの”の意に。
Wikipediaには、
古くは手品と同義語で「カラクリ、仕掛けや小細工」という意味もあったとありました。

「如何様」は「いかよう」とも読みます。
「如何」は“どんな”、「様」は“ようす”で、
“どんなようす”“どんなふう”という意味になります。
「いかよう」から「いかさま」に展開したようです。

「如何」は、
また「いかが」「いかん」という二通りの読みがあります。

漢字表記の「如何」を見てもぴんときませんが、通常 会話でよく使っています。
・いかようにもとりはからいましょう
・ごきげんいかかですか
・いかがいたしましょう
・お一ついかがですか
・それはいかがなものか
・いかんせん時間が無い
などなど。

また、
「いかがわしい」という言葉も「如何」並びにありました。

「如何し」(いかがし)といいう形容詞があり、
疑わしい。よくない。

「如何わしい」(いかがわしい)
「いかがし」の転。
1、怪しげだ。疑わしい。
2、道徳上よくない。みだらだ

「如何」から思いもかけない言葉がぞろぞろ出てきました。




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妙齢(みょうれい)

若い年頃。女性についていう。

ちょっとこの説明では、“若い”の範疇があまりに広いのでは。
私は「妙齢」を結婚を意識する年齢と理解していました。

そもそも「妙」は、若い女の美しさのことで、
1、非常にすぐれていること。
2、普通と違っていて変なこと。不思議なこと。
3、わかい。
という意味があります。

“すぐれた意味”で、
妙案、妙味、妙策、巧妙、絶妙

・当意即妙(とういそくみょう)
その場に応じてそくざに機転をきかすいこと。

・軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)
軽やかでしゃれていること。

“不思議な”意味で、
奇妙、珍妙
「妙ちきりん」なんていうコミカルな言い方もあります。

"妙なる笛の音"の「妙なる」(たえなる)は、
言葉で表せないほどすばらしい。霊妙な。という意味。

「妙」の熟語を見ていて、
「微妙」のところで引っかかりました。
1、なんともいえない味わいや美しさがあって、おもむき深い。
2、はっきりととらえられないほど細かく、複雑で難しい。

「微妙」って、こんな意味だったんですね。
一時期、私の中で「ビミョー」ブームがありまして、
"こんどの新入社員、大丈夫?"
”ビミョー"
"テストどうだった?"
"ビミョー"
"飲み会のメンバーどうよ"
"ビミョー"
といった具合に、ほとんどカタカナ化していて、
“どっちつかず”といった意味で使っていました。




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2009年06月14日

やっつけ仕事

漢字にすると「遣っ付け仕事」
間に合わせのいいかげんな仕事。

「やっつけ仕事」って皆さんも口になさいます?
今時も使われているのかしらと思って検索をかけてみたら、
トップページから数ページまで椎名林檎の曲「やっつけ仕事」に占拠されていました。

「やっつけ」って何でしょう。
「やっつける」の名詞化。
俗に、ぞんざいに片付けてしまうこと。

「やっつける」って、
"敵をやっつける"という時の「やっつける」?

・遣っ付ける(やっつける)
「やりつける」の転
1、相手を打ち負かす。倒す。
2、「する」「やる」を強めていう語。一気に、ぞんざいにやってしまう。
"宿題をやっつけてから遊びに行く"
3、飲む・食うの意を強めたり、ののしったりしていう。

「やっつける」って、幼稚な言い方に聞こえてしまうんですが、そんなことはないんでしょうか。

「やっつける」は「ぞんざいにする」という意味もありますが、
さて、「ぞんざい」はどういう漢字でしょうか?
難しい漢字かと思いきや「ぞんざい」に漢字はないのでした。

「ぞんざい」
1、物事を粗略にすること。なげやり。いいかげん。
2、無礼・乱暴なこと。

"ぞんざいな仕事" "ぞんざいな物言い"
"ぞんざいに扱う" "ぞんざいな態度"・・・

「ぞんざい」でなく「尊在」でいきましょう。




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2009年06月13日

進捗(しんちょく)

1、物事が進みはかどること。
2、官位などを進めのぼらせること。

仕事上でよく口にする「進捗」ですが、
「捗る」(はかどる)と読むことを初めて知りました。
「捗々しい」(はかばかしい)も「捗」から来ていました。

「捗」を漢和で調べると、
読み、 ホ・チョク・はかど-る
1、おさめる(収)
2、うつ(打)
国字)はかどる。仕事が早く進む。

熟語は「進捗」のみで、国字の「はかどる」意だけが生きているようです。

「はか」を調べてみると、
「捗/果/計/量」
計(はかり)と同源とあります。
1、田植え・稲刈りなどの役割分担。
2、目あて。目標。
3、仕事などの進みぐあい。はかどり。
とあります。
稲作に根ざした「はか」という言葉があったことを知ると理解しやすいですね。

・捗る(はかどる)
1、物事が順調に進んでいる。望みどおりの方向にいっている。
2、頼みがいがある。しっかりしている。
3、きわだっている。はっきりしている。
4、明確である。たしかである。
5、重要である。公式である。本格的である。

「捗る」は意味が5つもありますが、現在では“順調に進んでいる”以外の意味では使っていないようです。

・捗々しい(はかばかしい)
物事が順調に進んでいる。望みどおりの方向にいっている。

"はかばかしくない業績"
"治療効果がはかばかしくない"
など、否定的な「はかばかしくない」のほうが多用されています。

・捗が行く(はかがいく)
仕事などがはかどる

進捗の類語に「進行」がありますが、
・進行(しんこう)
1、前へ進むこと。
2、物事がはかどること。はかどらせること

意外なことに、“はかどる”という意味がありました。





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2009年06月07日

卍 (まんじ)

 「卍」も記号なのか文字なのかよく知らないままにきてしまいました。
漢和辞典に載っている漢字ですが、
熟語は「卍巴」(まんじともえ)くらいしかありません。
地図の寺院記号としての「卍」か、プロレスの卍固め(まんじがため)で使う程度です。

「卍」 バン、マン、まんじ
1、仏教の書物で用いる「万」の字
2、入り乱れるさま

・卍巴(まんじともえ)
多くのものが追い合うように入り乱れるさま。

この文様のような独特の形は、ナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)と似ているため海外の人には誤解を招くようです。
卍には“左まんじ”と“右まんじ”があり、日本の卍は左、ナチスは右。
私もこうして調べるまでは 要注意文字かと思っていました。

右卍は 昔から西洋で幸運のシンボルとして使われていましたが、ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が 1920年に“右卍”を党章に採用した後は、欧米ではかつての幸運のシンボルの意味合いは無くなり、ナチのシンボルになってしまいました。

そもそも卍の歴史は古く、古代文明の栄えた各地域で出土例があり、太陽が光を放つ状態を象形化したのが起源であるとされるようです。
しかし異説も多く、起源の定説はないようです。
ヒンドゥー教では、吉祥の印であるビシュヌ神の胸の旋毛を象徴するものとされ、仏教では釈迦の胸や足裏にある瑞相(ずいそう)が由来とされています。
初期には回転の方向による明確な意味付けはなかったようですが、その後 意義付けが生まれたようです。

・瑞相(ずいそう)
1、めでたいことの起こるきざし。吉兆。瑞験。
2、前兆。きざし。

もともと古くから世界の各地に吉祥のシンボル的な「卍」があったんですね。





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2009年06月06日

風流(ふうりゅう)

私は 「風流」を侘び・寂びの趣かと思っていました。
ところが、辞書を引いてみると私の理解とはちょっとズレていました。

「風流」
>>>>
優雅で上品なこと。また、俗事を離れて 詩歌や趣味をたのしむこと。
>>>>
1、上品な趣があること。みやびやかなこと。風雅。
2、世俗から離れて、詩歌・書画など趣味の道に遊ぶこと。
3、美しく飾ること。数奇(すき)をこらすこと。また、そのさま。
4、先人の残したよい流儀。遺風。
>>>
elegance、refinement

Wikipediaで「風流」の歴史書いてありました。
「風流」は時代ごとに意味が変っていました。
平安時代は 貴族階級の美意識を表すものでしたが、
その後、“人目を引く趣向”といった意味になりました。
平安末期以後には、祭礼の山車や衣装などに施された華美な趣向を指して「風流」と呼ぶようになりました。
侘び・寂びと対極にある俗なものが「風流」でした。
中世における代表的な芸能が、集団で踊りを演じる「風流踊り」です。
室町時代後期から江戸時代初期にかけて大流行しました。
「風流」の趣向は同時代の寺院芸能である猿楽・能・狂言などに影響を与えました。
さらには、江戸時代に確立した歌舞伎・人形浄瑠璃などにも影響を与えました。
Wikipediaの説明はここまでで、その後 現在の意味へどのように変っていったのかはわかりませんが、
「風流」がかつて、侘び・寂びとは対極にあったなんて、ビックリです。
「風流踊り」も初めて知りました。

さて、
風流の意味のなかには「みやびやか」ということも含まれています。
雅(みやび)についても調べてみました。

・雅やか(みやびやか)
上品で優雅なさま。風雅なさま。

・雅びる(みやびる)
「宮」に接尾語「ぶ」が付いて動詞化した語。
優雅な様子をおびる。上品である。

・雅(みやび)
動詞「雅(みや)ぶ」の連用形から。
宮廷風であること。上品で優美なこと。風雅。風流。




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2009年05月31日

傘を「すぼめる」それとも「つぼめる」

雨が止んで、傘を閉じようとしています。
さて、「すぼめる」「つぼめる」?

実は、
「すぼめる」も「つぼめる」も同じ「窄」という漢字が当てられて「窄める」という表記になります。

辞書には、
・窄める(すぼめる)
すぼむようにする。

・窄める(つぼめる)
1、開いていたものを閉じて小さくする。
2、先のほうを狭くする。すぼめる。

これでは、違いがよくわかりませんね。

漢字の「窄」を見てみると、
「窄」 サク、せま-い
1、せまい
2、せまる(迫)、せばまる

あまり見慣れない字ですが、「狭窄」という熟語があります。

「すぼむ」
小さく縮む。
開いているものが閉じる。
物の末が次第に狭く細くなる。
つぼむ。

「つぼむ」
狭く小さくなる。つぼまる。すぼむ。
咲いている花が閉じる。しぼむ。
集まって小さくなる。狭い所にまとまる。

「つぼむ」は 壷が語源。
つまり、つぼのように狭くて小さくなること。
また、花の「つぼみ」は「つぼむ」が名詞化した言葉です。

ある本には、
------------------------------------------
「すぼめる」は、傘の広がりを小さくする動作
「つぼめる」は、開いていた傘を閉じる動作
------------------------------------------
とありましたが、
辞書からは結局、その違いがよくわかりません。

使用例を見ると、
・口をすぼめる/つぼめる
・肩をすぼめる
・身をすぼめる

傘や口は閉じることが出来るので「つぼめる」ということができますが、肩や身は閉じれないので「すぼめる」のみ。
ということで、
つぼめる<すぼめる
「つぼめる」がより閉じた状態なのではと、私は解釈しました。




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2009年05月30日

未亡人(みぼうじん)

夫に先立たれた妻のこと。

“いまだ死なない人”という意味。
かつて中国では夫が死んだら妻もそれに従うという観念があり、夫に先立たれた妻が自分のことをおとしめて言った言葉でした。
後に、「夫に先立たれた女性」という意味だけが残り、他人がそのような人をさす言葉になりました。
「寡婦」(かふ)、「後家」(ごけ)、「やもめ」とも言います。

未亡人の対語はありません。
大和言葉の「やもめ」には「やもお」という対語があります。
しかし「やもお」は死後となってしまい、「男やもめ」という言い方が残っています。
「やもお」の漢字は「鰥夫/寡男」
「やもめ」の漢字は「寡/孀/鰥」

対になる言葉といえば、
・男(おのこ)-----女(おみな)
・翁(おきな)-----嫗/媼 (おうな)
・舅(しゅうと)---姑(しゅうと/しゅうとめ)

「おうな」は「おみな」の転じたものだそうです。
“おじいさん”という意味での「翁」に対しては“おばあさん”という意の「嫗」がきますが、
「翁」には、老人の尊敬語の意味もありますし、
老人が自分をへりくだっていう語でもあります。

「姑」は「しゅうと」と「しゅうとめ」二つの読みがあったんですね。
紛らわしい。
まあ、大方のお嫁さんは「しゅうとめ」と言い分けていらっしゃると思いますが。
お嫁さんが気を使う相手には「小姑」(こじゅうと)という存在もあります。
・小姑(こじゅうと)---配偶者の兄弟姉妹。

「こじゅうと」って、姑よりも意地悪な響きがあると思うのは私だけでしょうか。





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2009年05月24日

門外漢(もんがいかん)

その道の専門家ではない人。その道に直接関係のない人。

「漢」といえば、
漢字、漢文、漢方、漢民族・・など中国を指していますが、
中国の陝西・湖北省あたりを流れる川の名からきています。
そして“おとこ”という意味もありました。

悪漢、暴漢、凶漢、痴漢、無頼漢、冷血漢、
巨漢、大食漢、門外漢、
好漢、熱血漢、正義漢、

これらの「漢」の付く熟語で、男性だけに限らないのが、
「門外漢」「大食漢」「冷血漢」です。
イメージ的にあまりよくない熟語が多いですが、
「漢」自体に悪い意味は含まれていません。

「門外漢」で類語辞典を引くと、
素人、畑違い、専門外、不案内 などが並びます。

ところで、
「素人」−「玄人」という対義語がありますが、
私にはどうして対になっているのか、わかっていませんでした。

・素人(しろうと)
白人(しろひと)の転。

・玄人(くろうと)
「玄」は、黒く染めた糸の形の象形文字で、
“黒”を意味しています。
ひろく、奥深い意に用いる。

玄関(げんかん)、玄米(げんまい)、幽玄(ゆうげん)、
身近な「玄」でしたが、原意が“黒”だったとは知りませんでした。
「素人」と「玄人」の関係は、読みの通りの「白」と「黒」という対比があったんですね。




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しどけない

「しどけない」を皆さんはどのように理解してらっしゃいますか。
私は、“色っぽい”という意味を含んだ言葉のように受取っていました。
さて説明しなさいと言われれと、言葉につまります。

辞書を引いてみると、
1、身なりなどがきちんとせずだらしない。しまりがない様子である。
2、順序が乱れている。秩序がなく雑然としている。

どこにも色っぽいニュアンスはありません。
「しどけない」って、たんにだらしがないという意味だったのかと、ちょっと釈然としないままに終わってしまいました。
それが、ある本に、
胸元がはだけていたり、着物の裾がみだれている様子とあり、
やっぱり女性がしどけない場合は、色っぽい要素があるのではと思い直しました。

さらに調べてみると、違う辞書には、
1、 服装や髪が乱れていてだらしがない。むぞうさでしまりがない。
2、 うちとけた感じで、つくろわない。乱雑であるが、親しみを覚えて好ましい。
3、 幼くて頼りない。分別が足りない。

ちょっと意味に広がりがあります。

昔の人は、だらしないだけでなく、ゆたっり無造作に着こなす感じのおしゃれを、「しどけない」と言ったようです。

「しど」という言葉もありました。
“やり方”“態度”という意味です。
・しどがない
だらしがない
・しどもなし
1、だらしがない。締りがない。
2、がんぜない。子どもじみている。

こうしてみると、最初に引いた辞書が言葉足らずのような気がします。
本来、「しどけない」に“色っぽい”という意味はなくても、女性の着崩れた身なりにちょっと色っぽさを感じてしまったら「しどけない」という表現をするのではないでしょうか。
嫌悪感しかなければ「だらしない」って言うでしょうし。
また、男性に対しての「しどけない」という表現もあっていい気がしますが、どうなのでしょう。
今回、辞書に対してもどかしさを感じてしまいました。

ところで、
「しどろもどろ」も、「しど」からきてるようです。
「しどろ」というのが、“秩序なく乱れたさま・取りとめないさま”の意味で、これを強めた言い方が「しどろもどろ」
また、
「もどろ」は「斑(まだら)」が転じた言葉で、“乱れまぎれるさま”




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2009年05月17日

絆(きずな)

「絆」というテーマは昨今よく取り上げられていたと思いますが、語源的にはハートフルなものではありません。

「絆」の語源は、
犬や馬などの動物を繋ぎとめておく綱のこと。
騎綱(きづな)、繋綱(つなぎつな)、引綱(ひきつな)など諸説あります。
転じて、人と人との結びつきを言うようになりました。

「絆」 ハン、バン
1、きづな、ほだし。馬の足をつなぐひも。
2、つなぐ。つなぎとめる。

きずな(絆/紲)
1、家族・友人などの結びつきを、離れがたくつなぎとめているもの。ほだし。
2、動物などをつなぎとめておく綱。

馬をつなぎとめておく綱を「ほだし」や「ふもだし」とも言いいます。

絆し(ほだし)
1、刑具として用いる手かせや足かせ。
2、人情にひかされて物事を行う妨げとなるもの。きずな。

絆す(ほだす)
1、綱でつなぎとめる。縛る。
2、人の自由を束縛する。

絆される(ほだされる)
動詞「ほだす」に受け身の助動詞「れる」の付いたもの。
人情にからまれる。

・情にほだされて・・・
・熱意にほだされて・・・
などと「ほだされる」は今も生きていますが、
「ほだし」という言葉から来ていました。

ちなみに、
「繋ぐ」(つなぐ)は、綱(つな)の動詞化で、
1、離れているもの、切れているものを一続きのものに結びつける。
2、ひも状のもので結びとめて離れないようにする。
3、拘禁する。自由をうばう。
4、切れないように保たせる。持ちこたえるようにする。
“かかる・かける”意では、
係争・係船・係留・係累など、
「係」が用いられて、「繋」の熟語は使われなくなっています。




posted by 空凛 at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月16日

割・分・厘

尺貫法が無くなり、「分」「厘」の影も薄くなってしまいました。
辞書でそれぞれ引いて見ましたが、いろいろな項目があって混乱してしまいました。
それで、私なりに「割」「分」「厘」の関係を整理してみました。

◆長さ
尺・寸・分・厘

◆重さ
貫・匁・分・厘

◆貨幣
円・銭・厘

◆足袋・靴のサイズ
文・分

◆体温
度・分

◆数の単位
分・厘

「分」と「厘」の共通項は、長さ、重さ。
「割」「分」「厘」の共通項は、歩合のみでした。
野球の「打率−2割8分3厘」という言い方で、今も残っています。

※以前、《二つの位をもつ「分」》というタイトルで取り上げましたが、
「分」は少数第1位と第2位の両方を兼ねているという妙なことになっています。
一般的には、数値としては10分の1、歩合としては100分の1。

そういう訳で、「分」と「割」には 似たような言い回しがあります。
・分がある(有利な情勢)
・分が厚い(厚みがある)
・分が悪い(不利)

・割に合わない(不利)
・割を食う(不利)
・割が悪い(不利)
・割を入れる(仲裁者を入れる)
・割が利く(効果が大きい)

「分」の方が重みがある言い方のように思えます。



posted by 空凛 at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月10日

折り入って・・・

「折り入ってお願いがあるのですが・・・」
私はこの「折り入って」をまちがって解釈していました。
“申し訳ないけど面倒おかけします”
といった意味に解釈していました。
腰を折るイメージがありました。

それでは正しい意味を見てみましょう。

「折り入って」副詞
動詞「折り入る」の連用形に助詞「て」の付いたもの。
特に心をこめて。じっくりと。

「折り入る」動詞
深く心をこめる。

「折」は、おので木をきる意で、
“おる”“くじく”“わける”などの意味しか見当たらず、
「折り入る」から“深く心をこめる”といった意味になるのが判然としません。

国字の「おり」は“機会”という意で、
折りしも
折柄(おりから)
折に触れて
折ある度に
折々に
折りよく
折悪しく
などと使います。

姑との折り合いが悪い
三社間で折り合いがつく
など、
「折り合い」(おりあい)はよく聞きますね。
1、人と人との関係。
2、互いに譲り合って一致点をみつけること。

類語は、「妥協」になると思いますが、
「妥協」
対立していた者の一方が他方に、あるいは双方が譲ることで意見をまとめること。

意味的には同じなんですが、
「折り合い」のほうが耳辺りが柔らかく、
「妥協」のほうが「折り合い」よりあきらめ感を、
私は感じてしまいます。

ところで、
競馬用語の「折り合い」は、
競馬のレースにおいて、馬が騎手の制御・命令に従うかどうかを言っています。
制御・命令に従うことを「折り合う」または「折り合いがつく」といい、従わないことを「折り合いを欠く」と言うそうです。



posted by 空凛 at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

沙汰(さた)

・ご無沙汰 ・音沙汰
・手持ち無沙汰
・地獄の沙汰も金次第
沙汰はよく口にしていますが、その意味するところは知らないまま使っていました。

「沙」は砂。「汰」は選び分ける意。
水の中で洗って選び分けること。
水でゆすって砂金や米などの砂をとり除くことをいいました。
転じて、
事の理非正邪を審議して“裁定”する意に使われ、
→ 広く物事を“処置する”“指図する”意から
→ その指図を“知らせる”意になり、
→ 広く知らせることから“評判”の意になりました。

辞書を見ると、
「沙汰」
1、物の精粗をえりわけること。淘汰。
2、理非を論じきわめること。評定。裁断。訴訟。
3、政務を裁断・処理すること。
4、定めること。処置。取扱い。
5、主君または官府の指令・指図。
6、たより。しらせ。報知。音信。
7、評判。うわさ。
8、行い。しわざ。事件。

接尾語のように用いて ○○沙汰という言い方を並べてみると、
・警察沙汰
・新聞沙汰
・刃傷沙汰
・色恋沙汰
・正気の沙汰
・狂気の沙汰
このくらいしか浮かびませんでした。
あるようで、あまりなかったですね。

「ゆる」という動詞がありました。
「揺る/淘る/汰る」と書きます。
「汰る」「淘る」は、水中などで、ゆさぶりながら選別すること。
そうすると、「淘汰」は同じ意味の重ね熟語だったのですね。
「揺」と同じ意味を含むとは思いもしませんでした。

“えりわける”からだいぶ意味が転じていて、
漢字から受ける印象とだいぶ違ったものになっていますね。



posted by 空凛 at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月05日

同じ偏の熟語

「齟齬」(そご)という字を見たとき、
歯へんが二つ並んでおもしろなーと思いました。
同じ偏が重なる熟語ってかなり珍しいのではないかとも思いました。
それが頭にあって、その後、なんとはなく同じ偏の熟語を探すようになりました。
すると、意識して見るとけっこう出てくるものです。
身近なところの熟語にもありました。
そうして集めたのがこれです。

齟齬(そご)、髑髏(どくろ)、 傀儡(かいらい)、
咄嗟(とっさ)、叱咤(しった)、
軋轢(あつれき)、蹂躙(じゅうりん)、躊躇(ちゅうちょ)、
逃避(とうひ)、 迅速(じんそく)、迂遠(うえん)、
狡猾(こうかつ)、獰猛(どうもう)、
指揮(しき)、指摘(してき)、 揶揄(やゆ)、
惨憺(さんたん)、 憔悴(しょうすい)、憤慨(ふんがい)、
忸怩(じくじ)、憧憬(どうけい)、
淘汰(とうた)、潤沢(じゅんたく)、
徘徊(はいかい)、 標榜(ひょうぼう)、
贈賄(ぞうわい)、紛糾(ふんきゅう)、
寛容(かんよう)、罵詈(ばり)、蘊蓄・薀蓄(うんちく)

ただ発表したかっただけなので、さらっと流して見て下さいね。




posted by 空凛 at 17:14| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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