2009年09月05日

「通常通り」は正しいか?!

先日 文章を入力中に、ふとこれって重ね語?って疑問が湧きました。

「通常」と「通り」で分解してみると、

「通常」
特別でなく、普通の状態であること。
(副詞的にも用いる)

「通り」
(上に修飾句を伴って)それと同じ状態・方法であること。
そのままであること。
・指示された通りに動く

重複しているようにも思えます。
検索してみると、私のような疑問を持った人がいて、Q&Aがありました。

* *
「通常」で一つの副詞か名詞で、特に「通」という漢字の表すことを意識していないと思う。
「通常」で「いつもそうであるさま」、
「通り」で「〜と同じように」という感じ。
これらを合わせたものが「通常通り」だと思う。
「通常通り」=as usual と頭の中で結びつけてしまっているせいか、あまり違和感を覚えない。
* *
「いつもどおり」が使われることと、
この「いつも」という言葉の最もよく使われる言い換えが「通常」であることから、「通常通り」が出てきたのだと思います。
重ねない表現としては、
・本日、平常通り営業します
・本日は通常の営業です
* *

Webで見ても「通常通り」は、 かなり浸透しているようですが、いったん気にしてしまうと使うのがためらわれます。

「通」のつく言葉で目にとまったのは、

「通り一遍」(とおりいっぺん)
うわべだけで心のこもっていないこと。
通り掛かりに立ち寄っただけで、平素からの馴染でないということから、
形式・表面だけで実意のこもらないことを指すようになりました。
・通り一遍のあいさつ
・通り一遍の質問に通り一遍の回答

「通人」(つうじん)
1、ある物事に精通している人。物知り。
2、世態・人情に通じている人。
3、花柳界の事情に通じている人。通。粋人。
・事情通
・歌舞伎の通だ
・通なはからい




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2009年08月30日

危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)

生きるか死ぬか、存続するか滅亡するの瀬戸際。

「危急存亡」を大辞林で見ると、
諸葛亮「前出師表」より。
「ききゅうぞんぼう」とも。
危機が迫って、生き残るか滅びるかという重大な瀬戸際。

無知な私は「諸葛亮」? 「前出師表」?
何のことやらです。
それで「諸葛亮」から紐解きました。

「諸葛亮」(しょかつりょう)とは、
三国時代(181〜234)の、蜀漢(しょっかん)の軍師。

「三国志」(さんごくし)とは、
中国の後漢末期から三国時代{魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)}にかけて群雄割拠していた時代(180年〜280年頃)の興亡史。

「出師表」(すいしのひょう)とは、
師=軍隊で、「出師」とは、軍隊を出すこと。
臣下が出陣する際に君主に奉る文書のことです。

「前出師表」は、
諸葛亮が 227年に蜀漢の皇帝である劉禅に奉った文書。
「前出師表」の内容を訳したものがありました。
http://www.asahi-net.or.jp/~se2m-ued/ranbu/suishi1.htm

「とき」に「秋」の字を当てるのは、秋は収穫の季節であり、1年で最も大事な時期という意味から。

でも、「ききゅうそんぼうのとき」と入力しても一気に変換してくれません。
危急存亡の「時」や「トキ」が候補にあがってきます。
確かに「トキ」も種の存続の危機にありますから はまりますね。




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2009年08月29日

涵養(かんよう)

水が自然にしみこむように、少しずつ養い育てること。

「涵」は “ひたす”意。
上記の説明では、ちょっと抽象的すぎてあまりわかった気になりませんでした。
より具体的な説明では、
1、草木をうるおし養うこと
2、人に恵みをほどこすこと
3、学問や見識・人格をしだいにつくりあげていくこと

使用例としては、
・徳性を涵養する
・読書力を涵養する
・税源涵養を図る

「涵養」は、日常に気軽に出てくる言葉ではありませんが、水を巡る環境問題で登場します。

<地下水涵養>
降雨・河川水などが地下浸透して帯水層に水が供給されること。

地下水が涵養されると、帯水層のすき間が水で埋まるため地盤が安定し、地盤沈下を防止できます。
また、地中の水分が蒸発する際に気化熱を奪って気温を下げるため、都市部のヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。

近年は、アスファルトやコンクリートに覆われているため雨水が地下にしみこまず、すぐに海へ流出してしまうため、地下水の塩水化、河川の洪水などの被害が発生しやすくなっています。

<水源涵養活動>
森林を保護し育てることで水源を守っていこうという活動。

森林の働きは、
・雨水を貯留
・洪水を緩和
・雨水を浄化
森林は「緑のダム」ともいわれます。

地球に降り注ぐ雨の量はほとんど毎年一定量で、地球の水は太古の時代からほとんど変わることなく循環を繰り返しているだけなんだそうです。




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2009年08月23日

冒頭(ぼうとう)

文章や談話のはじまりの部分。前置き。

日経の「春秋」覧で、
「冒」という字は、頭巾のたぐいを深くかぶり目だけを出している姿を表しているそうだ。
それがかぶとをつけて進撃する格好にも見え、無頓着に行動することを指した。との記事を目にしました。
記事は、「冒険」「流行性感冒」をあげ、新型インフルエンザ対応のことで結んでいます。
その後に目にしたのが「冒頭」でした。
「ぼうとう」はよく使っていたはずですが、「冒」の字だったことに気づかされました。

「冒」
ボウ・モウ・おか-す・おお-う
目におおいをかぶせたさまで、おおう意。
1、おおう
2、おかす
3、むさぼる

「冒頭」は「頭をおおう」という解釈でしょうか。
そこから“前置き”という意味になる道筋が知りたかったのですが、見つかりませんでした。

「冒頭」の反対語はという質問の回答はありました。

「冒頭」は文章だけには限らないので、
文末・終末・末尾・結末
情況に応じて、使い分けることになります。

“おかす”には、「冒」「侵」「犯」がありますが、
書き分けは、

「冒」
じゃまになる物事を乗り越えて物事をする
・危険を冒す
・吹雪を冒して進む

「侵」
他人の領分や権利にかってに踏み入る
・国境を侵す
・所有権を侵す

「犯」
法律・規則・道徳の定めを破る
・罪を犯す
・法を犯す

それでは、
「病におかされる」はどの字でしょう?
「冒」だという答えもありましたが、
「侵」のほうが多数のようです。

最後に、
「冒涜」(ぼうとく)は、
神聖なもの・清浄なものをおかし、けがすこと。
尚、「涜」は1983年にJISが作った略字です。



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2009年08月22日

みだりに(妄りに/猥りに/濫りに)

1、分別なく行うさま。
2、正当な理由や資格もなく行うさま。

「みだりに」は、
動詞「乱る」

形容動詞「みだり」(乱り/妄り/猥り/濫り)

副詞「みだりに」(妄りに/猥りに/濫りに)
という成り立ちのようです。
「みだら」(淫ら/猥ら)は、「乱れる」「乱り」と同源です。

みだりにに当てられた漢字「妄」「猥」「濫」がどれも私には意外なものでした。
それぞれの漢字を見てみると、

「妄」
ボウ・モウ
1、みだり。すじの通らないこと。でたらめ。
2、みだりに。むやみやたらに。

妄想・妄執・妄信などすぐ浮かびますが、「妄」自体の意味を調べたことはありませんでした。

「猥」
ワイ・みだ-りに
1、みだりに。むやみに。
2、みだす。みだれる。
3、みだら。

「猥」は、卑猥・猥談 など“みだら”の意味しか頭にありませんでした。

「濫」
ラン・みだ-れる
1、水があふれひろがる---氾濫
2、みだりに----濫用

“みだり”にという意味での「濫」の熟語は、「乱」に置き換えられています。
乱用、乱発、乱獲、乱造、乱作、乱掘、
乱行、乱読、乱伐、乱費、乱立
これは、
昭和29年3月に「濫」の字が当用漢字から削除されたことによります。
日本新聞協会の新聞用語懇談会はこれを受けて「濫」と同音で似た意味の「乱」で代用することに決め、翌4月から新聞各紙が採用しました。
この結果、公用文では「濫用」、新聞では「乱用」という不統一の状態になっています。
他にも、
常用漢字:「遵守」「遵法」「○箇所」「附属」
新聞: 「順守」「順法」「○個所」「付属」・・など。
両方の字を知っている人には、違和感が残りますね。




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2009年08月16日

氏子(うじこ)

1、共同の祖先神をまつる人々。
2、共通の氏神をまつる人々。氏神が守護する地域に住む人々。

言葉くらいは聞いたことがありますが、現実にその存在や活動を見聞きすることがほとんどないので、ぼんやりとした印象しかありません。

まず、「氏神」(うじがみ)とは、何でしょう。
日本において、同じ地域に住む人々が共同で祀る「神道の神」のことです。
同じ氏神の周辺に住みその神を信仰する者同士のことを氏子といいます。
現在では、鎮守(ちんじゅ)・産土神(うぶすながみ)ともほぼ同じ意味で扱われることが多いようです。

かつて地域の守り神は、地域住民のまとまりを表す存在で、氏子集団は地域の暮らしに切っても切れない組織でした。
たとえばお宮参りは、その地域に生まれた子どもが氏子として認められること。それは地域社会の一員に受け入れられるということでした。

かつての地域社会は、氏子集団の他にも子供組・若者組などと年齢ごとに分けられた集団や講、互助組織といった様々な集団の繋がりが見られました。
「講」(こう)とは、
中世中頃以後、宗教上あるいは経済上の目的を達成するために、志を同じくする人々のあいだで組織された社会集団の一種。
寺院・神社などを維持したり、集団参詣を行なった。
近世になると、行楽を主目的として名山・霊場などへ集団参詣するためのものも生まれました。
富士講・伊勢講など。

「氏子」に対して、「檀家」(だんか)は、
特定の寺院に所属する家、世帯のことです。
布施などの経済的援助を持続して行い、葬式・法事などを行なってもらいます。
これは江戸時代の(てらうけせいど)に起源があります。
寺請制度とは、
江戸幕府がキリスト教や日蓮宗不受不施派を取り締まるために、宗旨人別帳(宗門改人別帳)と呼ばれるものを寺院に命じて作らせ、管理したものです。
当時、すべての世帯はどこかの寺院の檀家となることが義務づけられていました。
明治以降、制度はなくなりましたが、檀家と寺の関係は今でも存続しています。




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2009年08月15日

捏ねる(こねる)

1、粉や土に水などを加えて練る。
2、(理屈・無理・難題などを)あれこれと言う。こね回す。

捏造(ねつぞう)という熟語はよく見聞きしますので、「捏」という字も知っているはずなんですが、「捏」だけ切り離されると見知らぬ漢字で、
「捏ねる」となると読めませんでした。

「捏」
ネツ・デツ・ネチ・こ-ねる
1、土をこねる
2、こじつける

「捏ち上げる」と書いて、「でっちあげる」と読むんですね。
「捏造」も、もともとは「でつぞう」と読んだようです。

「捏」の並びには、
「捏ねる」(つくねる)なる言葉もありました。
1、こねて固める。
2、たばねる。
3、両手を組み合わせる。

居酒屋でよく注文する「ツクネ」は「捏ね」だったとは、知らぬは私ばかりなり?!

捏ね(つくね)
鶏肉や魚肉などのすり身にみじん切りの玉ネギなどを加え、卵や片栗粉をつなぎとしてこねて好みの大きさにまるめたもの。
Wikipediaには、
「つくね」とは、種を手や器具できちんと団子状に成形したものを調理したものの総称で、「肉類ならつくね」「魚類ならつみれ」というのは厳密には誤りである。つみれとつくねを合わせて「丸」(がん)と総称することもある。
とありました。

ちなみに、
「こねる」が濁音になった「ごねる」に漢字は当てられていませんでした。

「ごねる」
1、不平・不満・要求をくどくどと言いたてる。
2、死ぬ。くたばる。

「ごねる」は、「こねる」が強調されたものする説や、
「こねる」と「ごてる」“ぐずぐず不平や文句を言う”の混同から生まれたという説がありました。

ごね得(ごねどく)
ごねて相手に譲歩させた分だけ自分の方が得をすること。ごてどく。

「ごね得」では、双方ともに苦々しいものが残りそうです。




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2009年08月09日

練り歩く(ねりあるく)

列になって、ゆっくりと歩く。
また、行列がうねるようにして進む。

漢字が「練り」だったのも、
“列になって、ゆっくりと歩く”という意味があったのも発見でした。
私は“うねるようにして進む”と覚えていました。
皆さんはご存知でした?

「練る」<自動詞>を見てみると、
1、列をつくって、ゆっくり進む。
2、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして進む。
3、静かに歩く。ゆっくり歩く。

こんな3通りの情況を示すものとは知りませんでした。
人々の情況がわかっていないと判断がつきませんね。

「練」は 煮てやわらかくし、つやを出した糸の意。
「練る」<他動詞>は、
“ねる”“きたえる”“熟達する”などの意味を持っています。

ちなみに、
「練」は、金属を火で溶かして精錬する意。
「錬」は、金属を熱し溶かしてやわらかくし、ねりきたえる意。

「練る」の使用は幅広く、
・餡・ハンバーグ・納豆・パン生地・水飴・
・コンクリート・珪藻土・朱肉・
・アイデア・計画・企画・対策・構想・文章・戦略・・・
さらには、「気を練る」までありました。
何かと思いましたら、「気功」のことでした。
気功の修行は練習とは言わず錬功(れんこう)というそうです。
錬功とは、気を練ること。

ところで、練り物(ねりもの)と言ったら、
私は カマボコ・チクワ・ハンペン、そしてお菓子の羊羹などの“練り製品”を思い浮かべていましたが、
他にも
・祭礼などにねり歩く、行列・山車(だし)・踊り屋台など。
・ねり固めて珊瑚(さんご)や宝石などに似せたもの。
などの意味もありました。



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2009年08月08日

故買(こばい)

盗品と承知して買うこと。

質屋さんや骨董屋さんはご存知でしたでしょう。
盗品と知っていて買ったのならばもちろん犯罪。
知らなくても本当の所有者が現れた場合は、所有者に無償で返さなくてはいけないようです。

質屋に預ける品を「質草」と言いますが、なぜ「草」なのでしょう。

質草(しちぐさ)
抵当として質におく品物。質種(しちだね)
元々は「質種」と書いて「しちくさ」と読みました。
「種」は「くさ」とも読むんですね。
「種/草」(くさ)は、何かを生ずる原因・材料、たねのこと。
「質草」「語りぐさ」「お笑いぐさ」のように濁ります。

「故買」と同じ意味の言葉に、
「窩主買い」(けいずかい)があります。
盗品であることを知りつつ売買すること。
また その人。故買。系図買い。
「窩」は穴ぐら、
「窩主」は盗賊をかくまい、盗品をかくしておく所。

この言葉も初です。
「故買」も「窩主買い」もワープロ変換できません。

「系図買い」(けいずかい)を見てみると、
1、貴族の系図を買って家の格を高く見せたこと。
2、縁組などの際、系図を重くみること。
3、窩主買い

室町末期の戦国時代、のしあがって戦国大名になった諸国の土豪や武士たちは、対面を保つために立派な系図を捏造したようです。
さらに江戸時代になると、系図買い、系図作りなどの商売が中流武家社会で繁盛している事実もあるそうです。
そう聞くと、系図も信憑性が問われますね。



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2009年08月02日

重複形容詞

「重複形容詞」という文法語的な堅い言葉を見つけました。
「重複形容詞」は知らなくても、私達は日々様々な場面でこれらの表現を使っています。

ういういしい(初)
かいがいしい(甲斐)
すがすがしい(清)
どくどくしい(毒)
ふくぶくしい(福)
みずみずしい(瑞)
ぎょうぎょうしい(仰)
とげとげしい(刺)
ばかばかしい(ばか)
まがまがしい(禍)
めめしい(女)
おおしい(雄)
しらじらしい(白)
なまなましい(生)
はなばなしい(花/華)
そらぞらしい(空)
りりしい(凛)

あらあらしい(荒し)  
かるがるしい(軽し)
さむざむしい(寒し)
にくにくしい(憎し)
わかわかしい(若し)
いたいたしい(痛し) 
ずうずうしい(図太し)
ふてぶてしい(太し)
おもおもしい(重し)
こうごうしい(神々し)
たけだけしい(猛し)
にがにがしい(苦し)
よわよわしい(弱し)

いまいましい(忌む) 
おどろおどろしい(驚く)
なれなれしい(馴れる)
にぎにぎしい(賑わう)

「おどろおどろしい」が「驚く」から来ているとは意外でした。

重複形容詞は「畳語形容詞」とも言うようです。
私は「たたみご」と読んでしまいましたが、
畳語(じょうご)と読むのでした。
「人々」「泣く泣く」「重ね重ね」「知らず知らず」などのように、同一の単語あるいは語根を重ねた語のことです。

同じ語句を繰り返して強調やリズムの効果を上げようとする修辞法を「畳語法」(じょうごほう)と言います。

畳語は連濁をおこしますが、
「カリカリ」「スタスタ」「ヒタヒタ」のように擬音語・擬態語は連濁をおこさないところが違っています。




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2009年08月01日

矯める/撓める(ためる)

1、木・竹・枝などを、曲げたりまっすぐにしたりして形を整える。
2、悪い性質やくせなどを直す。矯正(きようせい)する。
3、目をすえて見る。じっと見る。
4、弓・鉄砲で、ねらいをつける。

私の中では、「ためる」は「溜める」「貯める」のみで、
「矯める」という候補はありませんでした。

「矯」
キョウ、た-める、いつわ-る
くるった矢をたわめてなおす意。
1、ためる
2、いつわる

「撓」
ドウ・コウ・ジョウ・たわ-める
1、たわめる。曲げる
2、たわむ
3、みだす。みだれる

「撓」は、
撓む(たわむ)、撓う(しなう)とも読みます。

「撓む」(たわむ)
1、固い棒状・板状のものが、加えられた強い力によってそり曲がった形になる。しなう。
2、心が屈する。疲れる。たゆむ。

「不撓不屈」(ふとうふくつ)
どんな困難に出合ってもひるまずくじけないこと。

今まで「ふとうふくつ」は「不倒不屈」だと思っていました。

私は、まったく「矯める」の存在を知りませんでしたが、
皆さんは、日常「矯める」を使ったり耳にすることはありますか。

「矯める」を使った諺がありました。
「角を矯めて牛を殺す」(つのをためてうしをころす)
牛の曲がった角を直そうと手を加えているうちに牛を殺してしまうこと。
転じて、少々の欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。
「枝を撓めて花を散らす」という表現もあります。
ありがちな失敗ですね。
いつかさらりと使ってみたいものです。




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2009年07月26日

故意(こい)

ことさらにたくらむこと。わざとすること。

対義語は、
「過失」(かしつ)
不注意・怠慢などのためにおかした失敗。

「故意」も「過失」も法律用語としての意味を持っています。

「故意」
罪を犯す意思があることを指します。

「過失」
ある事実を認識・予見することができたにもかかわらず、注意を怠って認識・予見しなかった心理状態。
あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず、回避するための行為を怠ったことをいいます。

旧刑法では、計画的な殺人を「謀殺」、発作的な殺人を「故殺」と分けていましたが、現行法ではこの区別はなくなりました。

「故殺」(こさつ)とは、
1、故意に人を殺すこと。
2、〔法〕 一時的な激情によって故意に人を殺すこと。

「謀殺」(ぼうさつ)とは、
あらかじめ計画して人を殺すこと。

殺意はなく、暴行・傷害によって他人を死に至らしめた場合には「傷害致死罪」となり、殺人の意思も暴行・傷害の意思もないが過失によって人を死に至らしめた場合には「過失致死罪」となります。

ずいぶん昔、夏樹静子のミステリーで「未必の故意」というものを知った時は、こんな犯罪もあるのかと強く印象に残りました。

「未必の故意」(みひつのこい)
実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないが、自分の行為により結果として実害が発生してもかまわないという行為者の心理状態。
この場合も「故意」があるとして罰せられます。



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辛気臭い(しんきくさい)

気分がはればれとしないようす。
いらだたしいこと。

「辛気」(しんき)
1、心持ち。気分。
2、心がはればれしないこと。くさくさすること。

・辛気を砕く(いろいろと気を遣う)
・辛気を燃やす(気をもむ)
・辛気が湧く(じれったくて我慢できなくなる)
などの例が載っていましたが、
私は耳にしたことがない表現です。

尚、
「臭い」とありますが、「匂い」を意味しているわけではなく、接尾語として使われており、“そのような雰囲気がする”“そのような気分がする”という意味で使われています。

他にも、
・インチキくさい
・面倒くさい
・照れくさい
・バタくさい
などがありますね。
「辛気くさい」もひらがな表記のほうがいいかもしれません。
ところで
「バタくさい」はわかりますか。
バタはバターのことで、西洋風な感じがする。
また、西洋かぶれしていること。
明治か大正時代にできた言葉でしょうか。

それにしても、なぜ「辛」の字なんだろうと思っていましたら、
「辛気」は、「心気」の転で、「心気を凝らす」などの用法から生じたものとありました。
「心気/辛気」(しんき)なのでした。

「心気」のところに、「心気病み」(しんきやみ)というのがありました。
気がうつうつとして晴れず病気のようになること。
また、その人。

うつ病のことかと思いましたら、
心の病気に「心気症」「抑うつ神経症」「うつ病」などとありましたので、専門的には分かれているようです。




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2009年07月19日

「心やり」と「心づかい」

今回は、私が勘違いして覚えていた言葉を取り上げました。

■ 心遣り(こころやり)
気晴らし。なぐさみ。

×思い遣り(おもいやり)・気配り・心配り・心遣い(こころづかい)
などと同列の言葉だと思っていました。

■ 浮き足立つ(うきあしだつ)
恐れや不安を感じて逃げ腰になる。落ち着きがなくなる。

×「ウキウキ」に影響されて、気分が弾むことかと思っていました。
嬉しくて落ち着かなくなることは「浮き立つ」
心が落ち着かないこと。そわそわする様子は「気もそぞろ」

■ まんじり
1、ちょっと眠るさま。
2、じっと見つめるさま。

×じっと身動きしないことかと思っていました。

「まんじり」に2つの意味がありました。
でも、ほとんど「まんじりともせず夜を明かす」という決まり文句で使用されているだけのような・・・。

■ 雨模様(あまもよう/あめもよう)
どんよりと曇って、雨の降りだしそうな空のようす。
「もよう」は「催い」(もよい)が変化したもので、
「〜となりそうな状態」を表します。

そうは言っても、現状は 雨が降っている状態を指して使われることも多く、辞書によっては「雨が降ったりやんだりすること」も載せています。
“降っている”のか“降っていない”のか、どっちかにしてもらいものです。





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2009年07月18日

等閑視(とうかんし)

物事をなおざりにすること。
注意を払わず、ないがしろにすること。

知らない言葉でした。
現代ではほとんど使用されていないのではと思って、ネットで検索しましたら・・・

・北方領土問題を等閑視するな
・与党過半数割れ、等閑視できない
・今や等閑視できない輸血性の感染症
・六者協議で日本人拉致問題は等閑視

活きていました。
どれも重苦しい話ばかり。

「等閑」とは、
物事の扱いをいい加減にすること。注意を払わないこと。なおざり。
以前とりあげました「なおざり」は「等閑」とも書くのでした。

閑散・閑職・有閑マダム・閑古鳥 など、よく知ってるつもりの「閑」も辞書を引いて見ると、

「閑」
カン・しず-か
牛馬が逃げないように小屋の入口に横にわたした木の意。
1、しきり
2、ふせぐ
3、のり。法則
4、しずか
5、ひま
6、なおざり。無視する。

“ひま”という意味のみで認識していましたが、
“なおざり”の意味がありました。

「等閑視する」と同じ意味で、
「等閑に付す」「閑却する」という表現があります。

・閑却(かんきゃく)
いいかげんにしておくこと。

誤解の多そうな「閑話休題」の意味も確認しておきます。

・閑話休題(かんわきゅうだい)
それはさておき。さて。

無駄話(閑話)をやめて(休題)、話を本筋に戻とき、または本題に入るときに用いる接続詞的な言葉。
本筋から脇道に入る「ここからは余談ですが」という意味ではなく、
“脇道→本筋”です。





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2009年07月12日

糺す(ただす)

罪や真偽・事実などを問い調べる。
(「正す」と同源)

「糺す」が読めませんでした。

「ただす」と変換すると、
正す
質す
糺す
糾す
と4つの候補が出てきました。
ワープロの注釈では「糾す」=「糺す」となっており、
大辞林には、「糾す」は載っていませんでした。
でも「糺」を漢和で引くと、「糺」は俗字で=「糾」とあります。
「糾」を見てみると、
キュウ・あざな-う・ただ-す
1、あざなう。糸や縄をより合わせる
2、あわせる。集める。---- 糾合
3、もつれる。乱れる。---- 紛糾
4、ただす。-------------- 糾明、糾弾

糾弾、紛糾でよく目にする「糾」ですが、
「あざなう」と読むことを知りませんでした。
確かに、糸偏です。

紛糾、糾明、糾弾、糾問、糾察、糾正
あざなうというよりは、縄でしめつけるイメージの熟語ばかりです。

それでは、
「正す」「質す」「糺す」の使い分けを確認してみます。

「正す」
1、間違っているものを改める。
・誤りを正す
2、きちんと整える。
・姿勢を正す
・威儀を正す
・襟を正す
3、道理にかなっているかどうかをはっきりさせる。
・是非を正す

「質す」
たずねて明らかにする。質問する。きく。
(「正す」と同源)
・真意を質す
・意向を質す
・方針を質す


「威儀を正す」とは、
身なりや形を整え、礼儀・作法にかなった動作、立居ふるまいをすることをいいます。
「居ずまいを正す」「威儀をつくろう」とも言います。

この「威儀」を熟語通り、威厳を持って儀式にのぞむという風に理解していましたが、仏教からきた言葉なのでした。
僧侶の袈裟につけてある平たい紐のことを「威儀」といいます。
儀式の前に、この威儀にねじれやゆがみがないように、きちっと直したことからきています。
そこから、
礼式にかなった、重々しく威厳のある態度・動作という意味に。




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2009年07月11日

目論見書(もくろみしょ)

株式・社債などの有価証券を募集または売り出す場合に配布される、発行者の事業内容に関する説明書。
1998年12月以降は投資信託にも交付が義務化。
国債・地方債などに関しては目論見書は発行されません。

「もくろみ」は「目論見」と書くんですね。
私は「目論見書」というものを知った時、どういう意図からこういうネーミングになったんだろうと首を傾げました。
もっと受けのいい名前がいくらでもあったでしょうに。
ちなにみ、内容的には同じもので「受益証券説明書」というのがあります。
こちらも堅い。
私は「もくろみ」にちょっとした“たくらみ”のニュアンスを感じてしまうのですが、そんな含みはないのでしょうか。

・目論見(もくろみ)
計画。くわだて。考え。

・計画(けいかく)
事を行うにあたり、その方法や手順などをあらかじめ考えること。
もくろみ。案。プラン。

・企て(くわだて)
もくろみ。計画。

・企み(たくらみ)
たくらむこと。計略。陰謀。

「たくらみ」は明らかに人をだまそうとする意図がありますが、
「もくろみ」「計画」「企て」は、大辞林の内容に違いが見られません。
ただ、ある本には、
「計画」は、建設的な方向で考える場合に用い、
「もくろみ」は、こっそりと何かを計画する場合によく使うとありました。

もくろみを類語辞典で引いてみると、
思い ・ 構え ・ 皮算用 ・ 企画 ・ 胸中 ・ 計略 ・
心積もり ・ 算段 ・ 思案 ・ 下心 ・ ストーリー ・
企み ・ 打算 ・ 狙い ・ 謀 ・ 腹 ・ プラン ・
胸算用 ・ 目算 ・ 野心

やはり腹に何か隠し持った感じがチラリとします。

次に「企てる」も調べてみました。

「企てる」
1、事を始める前に、その手順を考えたり、整えたりする。
もくろむ。たくらむ。企図する。計画する。
2、足をつまだてる。

「企てる」には、“たくらむ”意味も含んでいますね。

とろろで、
“足をつまだてる”という意外な意味がありました。
「企」を漢和で引くと、
人がかかとをあげて立つさまを表しているとありました。
現在では、“計画”するという意味だけで使っていますが、
“つま立つ”や“待ち望む”という意味を持った漢字なのでした。
さらには、
「企てる」は「くはびら立つ」の略で、
「くはびら」はくるぶしから先の部分や足のことを指しています。




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2009年07月05日

頓着(とんじゃく/とんちゃく)

深く心にかけること。

・彼は着るものには無頓着だ
・細かいことには頓着しない人

以前、「頓服」で取り上げたことがある「頓」ですが、
また発見がありました。

「頓」の主な意味は、
1、にわかに。急に
頓挫、頓死、頓智、頓才、頓狂
2、にぶいこと。とんま
頓馬

「頓」の意味に「とんま」がまずあった私は、頓の熟語を正しく理解していませんでした。
「頓狂」もトンマでおかしい行動と思っていました。
正しい意味は、
だしぬけに調子はずれの言動をすること。

こうしてみると、
「頓」はほとんど“急に”という意味の言葉で使われています。
その中で「頓着」は、どうして“深く心にかけること”になるのか不可解です。
ネットで探してみると、見つかりました。
「頓着」は、仏教語「貪著」(とんじゃく)から転じたようです。
「貪著」
むさぼり求めること。また、深く心にかけること。
「貪著」はやがて「頓着」とも書かれるようになり、“物事を気にすること”という一般的な意味でも使われるようになりました。
読み方は「とんちゃく」のほうが優勢のようです。

また、
・最近、とみに視力が落ちてきた
・塾に通うようになって、とみに実力がついてきた
などと言う「とみに」は、「頓に」と書きます。
「頓に」(とみに)
急に。にわかに。
これは、
とんに → とにに → とみに
と変化したようです。



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2009年07月04日

お気軽な「っぽい」

「嘘っぽい」「オタクっぽい」「俗っぽい」
「っぽい」は何にでもつくようで、
高っぽい、細っぽいなどとは言いません。
何か法則があるのでしょうか。

辞書によると、
「っぽい」は接尾語(さまざまな語について形容詞を作る)で、
1、名詞に付いて
そのものでなないが、それに近い性質があるさま。
・愚痴っぽい
・色っぽい
2、動詞の連用形に付いて
・・・する傾向があるさま。
・飽きっぽい
・忘れっぽい
3、形容詞・形容動詞の語幹に付いて
・・・の性質がありありと感じられるさま。
・安っぽい
・きざっぽい

私達はこんな風に分類して使っているわけもなく、
・子供っぽい
・艶っぽい
・熱っぽい
・理屈っぽい
・埃っぽい
・骨っぽい
・水っぽい
・白っぽい/黒っぽい
・怒りっぽい
・惚れっぽい
・哀れっぽい
・夏っぽい
とても便利に使っています。
「っぽい」は、近年の言葉かと思いきや、
江戸時代末期には話しことばとして広く使われていたそうです。
それが最近は、若い人の間で、より自由な「っぽい」の活用が起きています。

文章+っぽい>>
・○○に似てるっぽい
・○○をやってるっぽい
・○○に嫌われたっぽい

過去形+っぽい>>
「行ったっぽい」

っぽいの過去形>>
・○○ぽかった

などなど。
本来は“よく似た性質である、その傾向が強い”という意味ですが、
“・・らしい、・・ようだ”というような意味で使われています。
意味は通じますし、お気楽に使えてしまいます。
耳が慣れれば、文法外れでも違和感はなくなるのかもしれません。




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2009年06月28日

博引傍証(はくいんぼうしょう)

多くの資料を引用し、それらを証拠として事を論ずること。

今回、「博」を取り上げたのは、
辞書を見ていて、
博学、博識、博聞、博覧、博愛とあって、
「博才」に引っかかったからです。
「はくさい」? 博な才能?
いえいえ「ばくさい」です。
「博才」(ばくさい)
ばくちの才能。かけごとに勝つ才能。

私は「博」を博士・博学・博識のイメージから勝手に学術的な色付けをしていて、バクチと「博」が繋がりませんでした。

「博」ハク・バク・ひろ-い
「博」の偏は 多いことを意味している「十」で、
広くひろめる・行きわたらせるという意味。
1、広い。広く行きわたる
2、広める。広まる。
3、大きい。
4、とる。得る。
5、すごろく。ばくち。

ありました。最後に“ばくち”という意味が。

・博打(ばくち)
「ばくうち」の転。
1、金品をかけて、賽(さい)・花札・トランプなどの勝負をすること。
賭博(とばく)。ばくえき。
2、成功の可能性は薄くても、思い切ってしてみること。
・大博打に出る

・賭博(とばく)
金や物などをかけて勝負事をすること。ばくち。

・賽子(さいころ)
「ころ」は接尾語。
双六(すごろく)や博打の用具。さい。ダイス。

ところで、
「一か八か」(いちかばちか)という言葉がありますが、
丁半賭博から来ているという説があります。
「丁か半か」から「丁」と「半」の字の上部をとって「一」か「八」か。
違う説としては、
サイコロの目に一が出るかしくじるかの意で「一か罰か」から。

また、
思う壺(おもうつぼ)も賭博で振る壷からきているという説があります。
思った通りのサイコロの目が出るという意味から。




posted by 空凛 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする