2010年05月23日

旁が「肖」の漢字

前回「哨戒」を取り上げましたが、
今回は、旁(つくり)が「肖」の漢字を追ってみました。

悄・逍・銷・鞘・蛸・鮹・梢・稍・・
読みが「ショウ」以外、特に共通項のようなものは見つかりませんでしたが、私にはいくつかの発見がありました。

「悄」
しょんぼりする。しおれる。
「悄然」(しょうぜん)という熟語はよく聞きます。
失望したり、叱られたりして元気を失う。

「しょげる」とよく言いますが、漢字は「悄気る」なんです。

「逍」
ぶらぶら歩き回る。
「逍遥」(しょうよう)は、
坪内逍遥という作家の名前だと思っていましたら、
熟語で“気ままにあちこちを歩き回ること。散歩”という意味を持っていたんですね。

「稍」
やや。ようやく。(漸)

「鞘」
さや。

「銷」
金属を溶かすこと。消える。
「銷夏/消夏」(しょうか)
夏の暑さをしのぐこと。

金属を溶かすような酷暑の形容かと思ったら、暑さをしのぐこと。


「蛸/鮹/鱆」
いずれも「タコ」です。
なんで、3つも漢字があるのでしょう。
本来の漢字は「鱆」です。
「蛸」は本来は足高蜘蛛(あしたかくも)のこと。
タコに足が何本もあるところから
「海の蛸」→「蛸」となったようです。
さらに「虫」を「魚」に変えた「鮹」の字ができたということです。


漢字を拾っているうちに、疑問がわきました。
「蛸」と「鮹」では違う旁の字なのではないだろうか、と。
月の上が「小」の字になっているものと、「ツ」のような形のもの。
それとも書体の違い?
漢和の「肖」を見てみると、
肉(月)と音をしめす「小」とを合わせ・・
とあり、「肖」の下に「鮹」の旁の字も載っていました。
同じ字と考えていいようです。






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2010年05月16日

哨戒(しょうかい)

敵の襲撃を警戒して見張りをすること。

哨戒機・哨戒ヘリ・哨戒艇・哨戒艦
何度も耳にしながら「哨戒」の意味を調べないままにしていました。

「哨」の意味は“みはり。みはりをする”
読みは「ショウ」訓読みはありません。

そういえば「歩哨」という語がありました。
軍隊で、警戒・監視などの任務につく兵士。「哨兵」「番兵」

「立哨」(りっしょう)は、
歩哨などが、その位置を動かずに監視・警戒にあたること。

「哨戒機」とは、
主に海軍が装備して、潜水艦や艦船を探知・攻撃する航空機。
対潜水艦戦以外にも、洋上監視、捜索救難、輸送、映像情報収集、通信中継など、任務の多目的化が進んでいる。
機内にはレーダー、ソーナー、磁気探知機、赤外線カメラなどの捜索機材が搭載載されており、空飛ぶコンピューターとも呼ばれる。
(Wikipediaより)

「索敵」(さくてき) という語が哨戒機の説明の中に出てきました。
戦闘中、敵軍のありかなどを捜し求めること。

・領空を哨戒する
・哨戒飛行
・機上から索敵を続ける
・基本的な索敵方法は目視である

ところで、
「戦略」と「戦術」の違いを説明できますか?

「戦略」は大局的・長期的な視点で練られ、
「戦術」はより具体的な目的達成のための方法・手段。
戦略の下に戦術があるという構図でしょうか。

それでは、
「宣撫」という語はご存知ですか?
「宣」に「撫でる」で、どういう意味になるのかまるで想像できませんでした。
「宣撫」(せんぶ)
占領地で、占領政策の目的・方法などを知らせて、人心を安定させること。
・住民を宣撫する
・宣撫工作
・宣撫官

不気味な語です。

最後に、
使い古された感はありますが、
検索してみるとまだまだ使われている「超ド級」
・超ド級の新人
・超ド級マグロ丼
・鳩山デフレ、超ド級不況
語源は、
20世紀初頭にイギリスが造った、超性能の戦艦ドレッドノートに由来。
各国はこの戦艦に対抗する戦艦の建造に狂奔しました。
「超ドレッドノート級」が省略されて「超ド級」

まさか戦艦名からきていたとはビックリです。
この「ド」はカタカナでなくてはいけないわけですね。






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2010年05月09日

揶揄(やゆ)

からかうこと。なぶること。

日常よく見聞きしているわりには、書けない「揶揄」です。

「揶」ヤ
からかう。あざける。
「揄」ユ
なぶる。からかう。

どちらも“からかう”という意味でした。
他での使用は見られず、「揶揄」として生き残っています。

“あざける”“なぶる”には、悪意しか伝わってきませんが、
“からかう”には、おふざけの軽さも感じます。
ひやかす・おちょくる・茶化すに近い語感です。

「からかう」
1、冗談を言ったりいたずらをしたりして、相手を困らせたり、怒らせたりして楽しむ。揶揄する。
2、抵抗する。争う。

「嘲る」(あざける)
人をばかにする。あざける。

「嬲る」(なぶる)
1、弱い立場の者などを、おもしろ半分に苦しめたり、もてあそんだりする。
2、からかってばかにする。愚弄する。
3、手でもてあそぶ。いじりまわす。

「弄ぶ/玩ぶ」(もてあそぶ)
「持て遊ぶ」から。
1、手で持って遊ぶ。いじくる。
2、心の慰みとして愛する。
3、思いのままに操る。
4、人を慰みものにする。なぶる。

Wikipediaには、
「揶揄」は、社会的立場が強い人に対して用いられ、風刺の意図が強い言葉として定義する。
とありました。

確かにWebでも政治に関するものが目に付きます。
・自民党の追及も、皮肉や揶揄のレベルを出ていない。
・首相の言葉を揶揄する発言
・政治家を揶揄するイラスト
・髪が薄い男性を揶揄する「かっぱ寿司」CMに非難の声

言い方が直接的でないということでは、
「あてこする」や「皮肉る」という語もあります。

「当て擦る」
ほかの話にことよせて、遠回しに悪口や皮肉をいう。

「皮肉る」は「皮肉」の動詞化で、
遠まわしに意地悪く相手を非難すること。

「皮肉」と「当てこすり」は同じ意味でした。
それでは
「風刺」は、
社会や人物の欠点・罪悪を遠回しに批判すること。

「愚弄」「嘲弄」よりは、「揶揄」や「皮肉」の方がじわじわボディブローに効いてくるような気がします。




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2010年05月02日

口利き(くちきき)

1、間に立って紹介や世話をすること。また、その人。
2、交渉や談判などのうまい人。
紛争の仲裁などに幅を利かせている人。
3、弁舌が巧みなこと。口巧者(くちごうしゃ)。

「口利き」と言えば、仲介のことだと思っていましたが、
“弁舌が巧みな人”の意味もありました。
Webには「口利き汚職」なる表現も見られ、政治家の「口利き」問題が目に付きました。
確かに、「口利き」には裏工作的なイメージが付いてしまった感もありますね。

「利」は、
穀物を鋭い刃物で収穫することで、
“するどい”意と、
刈り取ったものから“もうけ”の意が生じました。
リ・き-く
1、するどい。
2、うまくいく、都合がよい。
3、もうけ。
4、効き目がある。

利益・利権・薄利・暴利・利子・利札・
金利・利潤・利殖・利息・複利・単利・
こういった「利」は周りにあふれていますが、
“するどい”という意味には目を向けていませんでした。
「鋭利」は「鋭」「利」とも“するどい”意なのでした。
対語は「鈍」。
「文明の利器」という時の「利器」は、
“便利な機器”という意味ですが、
“よくきれる刃物”という意味もあります。
対語は「鈍器」
「利刀」(りとう)は、“よくきれる刀”

「利発」(りはつ)は、
1、賢いこと。頭の回転の速いこと。
2、役に立つこと。有益なさま。
「利発」は「利口発明」を縮めたものだそうです。
それぞれの熟語を見ると、
「利口」(りこう)
1、頭がよいこと。賢いこと。
2、要領よく抜け目のないこと。
3、口先のうまいこと。
「利口」って、100%誉め言葉ってわけではないですね。

「発明」(はつめい)
1、今までなかったものを新たに考え出すこと。
2、物事の道理や意味を明らかにすること。
1、賢いこと。(名・形容動詞)

「目利き」(めきき)は、
器物・刀剣・書画などの真偽・良否について鑑定すること。
その能力を備えた人。

「耳利き」(みみきき)なる語までありました。
うわさや秘密などを、いち早く聞き出したり探り出したりすること。

・利き腕・利き目・利き足
・気が利く
・鼻が利く
・目が利く
・顔が利く
それでは、
「幅が利く」(はばがきく)とは、
勢力や発言力がある。はぶりがよい。
「幅利き」(はばきき)という語もあります。

顔や幅が利く人が口を利くと圧になるわけですね。




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2010年04月25日

掩巻(えんかん)

書物を少し読んだら、いったんそれを伏せてその内実を味わうようにするという学習法。

江戸の私塾の読書法に「掩巻」と「慎独」というのがあったそうです。
「慎独」とは、読んだ内容を必ず他人に提供せよというもの。

掩巻のことを知らなくても、本に入り込んだ時など、途中で文字から目をはなし、追想することはありますね。

ところで、
「慎独」(しんどく)の意味は、
自分一人のときでも、行いを慎み雑念の起こらないようにすること。

「速読術」がよく知られているのとは反対に「掩巻」は変換もできず、辞書にも載っていませんでした。

「掩巻」をどこから拾ってきたかというと、
先日のTV東京「ワールドビジネスサテライト」という番組で、書評家・松岡正剛氏が語られた中に出てきた語でした。
その時はパソコンに向かっていて、背中でTVを聞いていて、思わずノートの端っこにメモしたものでした。
今日そのメモの漢字を見たのですが、TVのことはすっかり忘れていて、検索をして内容をたぐっているうちに思い出しました。

「掩」
エン・おお-う
1、おおう
2、かばう

「おおう」には、
「覆う」「被う」「蔽う」「蓋う」「掩う」
と5つの漢字があったんですね。

「掩」にはいくつかの熟語がありますが、ほとんど目にしないものばかりです。

「掩蓋」(えんがい)
1、物の上にかぶせるおおい。
2、敵弾を防ぐために塹壕の上に設ける木材・石材などのおおい。

「掩蔽」(えんぺい)
1、おおい隠すこと。
2、地球と恒星・惑星の間に月が入り、その恒星や惑星を遮り隠す現象。

「掩護」(えんご)
1、困っている人を助け守ること。
2、敵の攻撃から守ること。→援護

「掩耳盗鐘」(えんじとうしょう)
耳を掩(おお)いて鐘を盗む
鐘を盗もうとして、鐘の音の鳴り響くことを恐れ自分の耳をふさいでも何の意味もないという意から。
浅はかな考えで自分の良心を欺き、その場逃れをしても、いずれ悪事は知れ渡ってしまうこと。
また、自分を欺いて悪事をはたらくことのたとえ。
同じような意味に、
「掩耳盗鈴」(えんじとうりん)
「掩目捕雀」(えんもくほじゃく)

ちなみに、奄美大島でよく目にする
「奄」は
エン・おお-う
1、おおう
2、にわかに。たちまち
3、気がふさがって通じない。

「奄」も「気息奄々」(きそくえんえん)くらいしか使われていないようです。
息が絶え絶えになって、今にも死にそうなさま。




posted by 空凛 at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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