2017年10月10日

禿頭(とくとう)

はげ頭

いつも「ハゲ」「ハゲ」と言って笑いのタネにしていますが、
「禿頭」という真面目な?熟語があったんですね。
他に「ハゲ」の固い表現はないようです。
「はげちゃびん」「はげちょろ」「はげちょろけ」「はげちょろける」
などの語が辞書に載っていました。

「はげ」は「剥ぐ」の名詞形から。

禿髪(とくはつ)
髪の毛が抜けてはげること。

「禿」(かぶろ/かむろ)
「古くは「かぶろ」で、近世以降「かむろ」に。
1、はげ頭。
2、おかっぱの童子の髪型のこと。
3、遊郭の太夫が側におい身の回りの世話をさせた少女(かむろ)

「禿」のところに「禿びる」という語がありました。

「禿びる」(ちびる)
先がすり切れて短くなる。
「ちびる」は、「禿ぶ」(ちぶ)の口語的表現。
元は小さいものを意味する「粒」(つび)から。
「ちび」は「ちびる」の連用形が名詞化した語。
ちび ← ちびる ← 禿ぶ ← 粒
“小さい” が “ちょっと” 何かをするという俗語的な表現になり、
<ちょっと小便を漏らす> → <小便をちびる>に。
「禿」という漢字は私には凛々しく映るのですが、
「チビ」と「ハゲ」2つの意を含んでいました。

「髢」(かもじ)はご存知でしょうか。
髪を結う時、自分の髪に添え加える毛。

「毟る」(むしる)という漢字もほとんど目にしませんね。
日本で作られた国字です。
意味はそのものズバリ、毛をむしりとって少なくする。
薄毛の方々には「むしり取るなんてありえなーい」
と叫ばれることでしょう。
抜け毛に悩んでいる人には 目に突き刺さる漢字かも。



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2017年10月09日

囲繞(いじょう/いにょう)

まわりを取り囲むこと。

「繞」 ニョウ・ジョウ
めぐる。かこむ。

あまり聞かない語かと思いますが、不動産業界の方はご存知ですね。

「囲繞地」(いにょうち/いじょうち)
民法上、袋地を囲む周囲の土地。
袋地所有者は公路に出るためこの土地の通行権をもつ。
→「囲繞地通行権」

「袋地」(ふくろち)
道路に面していない土地。
http://allabout.co.jp/gm/gc/419539/

実は、この語にたどり着いたのは、
しんにょうの点が1つと2つの違いが気になったことからです。
しんにょうは「之繞」と書くんですね。
「繞」(にょう)は、
漢字の構成部位のうち、左から右下にかけて囲む部分。
「之」(し)の字に似ていることから
「之繞」(しにょう)の名がつき、
なまって「しんにょう」、さらに「しんにゅう」とも。
最近は「えんにょう」などと統一するため、
「しんにょう」と読む傾向にあります。

点が1つと2つの経緯はややこしいです。
歴史と国語審議会と書体の問題が入り組んでいます。
1716年清の康煕帝(こうきてい)の勅命によって作られた康煕字典は、最も正当な規範と考えられていますが、康煕字典に載っている漢字はすべて二点しんにょうです。
二画目以降の筆の運びが続いているかいないかの違いで、本来は同じものということです。
常用漢字に関しては「一点しんにょう」が正しいとなります。
2010年に新常用漢字表が告示され、
「遡」「遜」「謎」はそのまま二点しんにょうが正体となりました。
どんなこだわりで3つ漢字が残ったのでしょう。
ただ、一点しんにょうで書いても良いことになっています。
とりあえず全て一点しんにょうでOKと覚えておきます。

「しんにょう」は道や歩く事に関するもの。
○3画のしんにょう
込 辺 迅 近 迎 逆 迷 逐 連 逓 通 逸 遅 道
違 遠 遺 遮 遍 遣 遵 還 返 述 迭 迫 送 退
追 逃 逝 造 速 途 透 週 進 逮 運 過 遇 遂
達 遊 遭 適 選 遷 避 迪 遥 遼
○4画のしんにょう
辻 迄 迂 這 逗 辿 遁 逼 遡 遜
遽 邏 邁 逍 逞 逅 迸 逢 迦 邂

○えんにょう 延 建 廻
○そうにょう 赴 起 越 超 趣 赳 趙 趨
○かんにょう 凶 凹 出 凸 函
○きにょう 魅 魁 魃 魑 魍 魎
○ばくにょう 麺 麩 麹
○ふうにょう 颱 颶
○すいにょう 処
○そうにょう 爬

「繞」の付く語に
「纏繞」(てんじょう)という語がありました。
まといつくこと。からまりつくこと。
「纏」は “まとわりつく” “身に着ける” という意味で、
中国の「纏足」(てんそく)の漢字でした。



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2017年10月08日

これ、読めますか?

神仏に関する語です。
「手水」 「直会」 「御神籤」 「山車」 「地車」

「手水」(ちょうず)
てみずの転。
てみず → てうづ → ちょーず
1、手や顔などを水で洗うこと。また、その水。
2、トイレへ行くこと。

「直会」(なおらい)
祭事が終わってのち、
供え物のお酒や飲食物を下げて酒食する宴。
「直り合い」(なほりあひ)から。
祭祀のため行った斎戒を解き、平常に直るという意。

「お御籤/御御籤/御神籤」(おみくじ)
神仏のお告げを得て吉凶を知るために引く、くじ。
おみくじの「お」「み」は、
「おみき」「おみこし」などと同じ接頭語で、
「み」を「神」と書くのは当て字。

籤(くじ)の語源は、諸説あります。
〇串(くし)説。
串のような棒状の物を使うことが多かったため。
〇抉る(くじる)説
箱などに入った物を引く
→ 中の物をえぐって取り出すことから。
〇公事(くじ)説。
神仏による審判と考え、
裁判を意味する「公事(くじ)」から。

「山車」(だし)
祭礼のとき、引いて練り歩く装飾を施した屋台。

「山車」は当て字で、
屋台の鉾につけた竹籠の編み残し部分を
垂れ下げてだした「だし」から。

「地車」(だんじり)
日本の祭礼に奉納される山車(だし)に用いられる
西日本特有の呼称。

「楽車」「壇尻」「台尻」「段尻」とも表記されます。

こちらも由来が諸説あります。
〇屋台をじりじりと動かすことから「台じり」説。
〇台にじり説。
〇祭場を意味する「壇」を引きづる説。

最後は神仏ではありませんが、最近気づいた、私の間み間違い。
「引数」を「いんすう」と読んでいました。
引火・引水・引責・引退などの読みは「イン」なので、
何の疑いも持っていませんでした。

「引数」(ひきすう)
プログラム中で、関数に引き渡すデータ。
引数=parameter(パラメーター)

般若心経の 「波羅蜜多」はパーラミターの音を漢字にしたもの。
サンスクリット語のパーラミターの意味は “完成した状態”

長いこと誤って覚えていた語は、
知った後も、間違った方が口に出るんですよね。
気をつけねば。



posted by 空凛 at 09:23| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

揶揄(やゆ)

からかうこと。なぶること。

日常よく見聞きしているわりには、書けない「揶揄」です。

「揶」ヤ
からかう。あざける。

「揄」ユ
なぶる。からかう。

どちらも“からかう”という意味でした。
他での使用は見られず「揶揄」として生き残っています。

“あざける” “なぶる” は悪意のみですが、
“からかう” には、おふざけの軽さもあります。

「からかう」
冗談を言ったりいたずらをしたりして、相手を困らせたり、怒らせたりして楽しむ。揶揄する。

「おちょくる」も “からかう” “ばかにする”という意味ですが、明るくおどけた感じです。

「嘲る」(あざける)
人をばかにする。

「嬲る」(なぶる)
1、弱い立場の者などを、おもしろ半分に苦しめたり、
もてあそんだりする。
2、からかってばかにする。愚弄する。
3、手でもてあそぶ。いじりまわす。

「弄ぶ/玩ぶ」(もてあそぶ)
「持て遊ぶ」から。
1、手で持って遊ぶ。いじくる。
2、心の慰みとして愛する。
3、思いのままに操る。
4、人を慰みものにする。なぶる。

Wikipediaには、
「揶揄」は社会的立場が強い人に対して用いられ、
風刺の意図が強い言葉として定義する。
とありました。
言い方が直接的でないということでは、
「あてこする」や「皮肉る」もあります。

「当て擦る」
ほかの話にことよせて、遠回しに悪口や皮肉をいう。

「皮肉る」
「皮肉」の動詞化で、
遠まわしに意地悪く相手を非難すること。

「風刺」
遠まわしに社会・人物の欠陥などを批評すること。

スマートで切れのいい「揶揄」や「皮肉」には、
小気味いいものを感じます。

話しはそれますが、
「揶揄」のように同じ偏の熟語って、繰り返しのリズムがあって印象的です。
齟齬(そご)なんて、ヘンテコな絵に見えます。
同じ偏の熟語を探してみると けっこうありました。

纏繞(てんじょう)・紛糾(ふんきゅう)
髑髏(どくろ)・軋轢(あつれき)・標榜(ひょうぼう)
咄嗟(とっさ)・叱咤(しった)・
蹂躙(じゅうりん)・躊躇(ちゅうちょ)
逃避(とうひ)・迅速(じんそく)・迂遠(うえん)
狡猾(こうかつ)・獰猛(どうもう)
指揮(しき)・指摘(してき)・揶揄(やゆ)
惨憺(さんたん)・憔悴(しょうすい)・憤慨(ふんがい)
忸怩(じくじ)・憧憬(どうけい)
淘汰(とうた)・潤沢(じゅんたく)
徘徊(はいかい)・傀儡(かいらい)
贈賄(ぞうわい)・齟齬(そご)
寛容(かんよう)・罵詈(ばり)・蘊蓄(うんちく)



posted by 空凛 at 09:34| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月06日

間違いやすい語

間違いシリーズは何度かやってますが、
身近にいくらでもあるものですね。

× 後仕末
○ 後始末

× 一睡の夢
○ 一炊の夢

× 極め付けの芸
○ 極め付きの芸

× お求めやすい価格
○ お求めになりやすい価格

× 世におもねた態度
○ 世におもねった態度

× 足下をすくわれる
○ 足をすくわれる

× 枯れ木も花のにぎわい
○ 枯れ木も山のにぎわい 

× 焼けぼっくりに火がついた
○ 焼けぼっくいに火がついた

「ぼっくい」は「木杭」で、切り株や杭のこと。
「棒杭」(ぼうくい)が音変化したもの。
一度 炭化した杭は火が付きやすいことから、
すぐに燃え上がる関係、
特に恋愛関係について言うようになりました。
私は煤けた松ぼっくりの絵を思い浮かべていました。

× 一つ返事で快諾した
○ 二つ返事で快諾した

「二つ返事」(ふたつへんじ)
気持ちよく、すぐに承諾すること。
「はいはい」と2度言う意味もあります。

めんどうくさそうに「はい、はい」と返事するイメージがあって、「一つ返事」という表現が生まれたのでしょうね。

× 肉迫
○ 肉薄

本来は体と体が触れ合うほど大勢が密集して、敵に攻め寄ることを意味しました。
そこから、相手に鋭く詰め寄る意に。
「肉」は “肉体”、「薄」は “迫る”
辞書には「肉迫」も載っています。




posted by 空凛 at 08:10| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする