2017年10月05日

「創業」と「設立」の違い

あいまいなま認識のまま聞き流していました。

「創業」
営利を目的とした事業を始めること。

個人事業主として商売を始める場合など。
会社として法人登記しているか、していないかは関係なし。

「設立」
事業の内容に関係なく、会社などの法人をつくること。

法人をつくるには法務局への登記が必要で、
登記申請をした日が会社の設立日になります。

羊羹で有名な虎屋の創業は室町時代後期で、
株式会社虎屋の設立は1947年(昭和22年)です。

「法人」と「会社」の違いも確認します。

「法人」
法律により人格を認められ、
権利・義務の主体たる資格を与えられた団体。
・NPO法人
・認定NPO法人
・一般社団法人
・公益社団法人
・一般財団法人
・公益財団法人

「会社」
営利事業を目的として設立された「法人」のこと。

・株式会社
以下の3形態は出資者=経営者
・合同会社 (有限責任社員のみで構成)
・合資会社 (無限責任と有限責任社員の両方で構成)
・合名会社 (無限責任社員のみ)

「財団法人」
ある特定の個人や法人から拠出された財産(基本財産)で設立。

株式会社の「資本金」に当たるものが「基本金」、
「出資者」→「出捐者」になります。

「出捐」(しゅつえん)
金銭や品物を寄付すること。

「捐」エン
1、すてる。
2、金を出す。寄付する。

利益を分配できるのが「会社」で、株主や社員に分配できます。
利益を分配できないのが「法人」

さて、
「創」という字は 創作・独創性・創意工夫 など、
“作り出す” という意味で思い浮かべますが、
“刀” が示すように “傷” という意味もあります。
満身創痍・絆創膏・銃創
物を作り始めるときに切り出すことや、封じていたものを切り開くことから、
“はじめる” の意を表すようになりました。

「創」
1、刃物による傷。
2、初めて作り出す。はじめる。



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2017年10月04日

丸と円

「丸い」と「円い」の違いは?
という質問がWebにありました。
そういえば私もうまく説明できません。

端的に言えば、
「丸い」は “立体”、「円い」は “平面”
でも、人それぞれの感覚で使っている気がします。
私などは「円」は真円で、「丸」はアバウトにまるいもの。
といったイメージでした。
元々の意味を知るために漢字の成り立ちをみてみます。

「丸」まる・ガン
会意文字。乙+匕
短刀の象形と両端に刃のある彫刻刀の象形。
いろいろな刃物でまるくした “たま” “まるい” 意。
これで、丸い=“立体” が脳に刻まれました。
それと、
音読みの「ガン」が丸に似つかわしくない強い音で、
私は違和感を持ったのですが、
刀で削る音のイメージとしては納得です。
弾丸・丸薬・一丸

「まる」は「まろ」の音変化。
古語「まろ」の意味を確認します。

「丸/円」(まろ)
1、 まるいもの。まるいさま。
2、 丸々とふとっているさま。
3、 まるまる全部。
4、 銭

“まるまる全部” の「丸なんとか」の表現はよく使いますね。
丸投げ・丸抱え・丸つぶれ・丸のみ・丸かじり・
丸儲け・丸損・丸聞こえ・丸写し・丸暗記・丸刈り・
丸出し・丸裸・丸見え・丸洗い・丸焼け


「円」は、圓の草書体からとった略字です。
正字である「圓」の成り立ちからみていきます。

「圓」
会意兼形声文字。 囗+員
内側の員の上の小さな長方形は元は○型で、
下の貝は “カイ” ではなく、鼎(かなえ)。
鼎とは3本脚のついた金属製の煮炊きをする器で、儀式などに用いられました。
鼎には角形の方鼎と丸形の丸鼎があり、
上に○型を付けることで丸鼎を示して、“まるい”意を表しました。
後に「員」が “数える” などの意味も持つようになったため、
“まるい”を表すために鼎の口の縁を表す大きな○で囲んで、員と区別するようになりました。
「圓」は外も内も角ばっていますが、本来は○だったんですね。
なかなかにまどろこしい成り立ちです。

「円」エン
1、まるいこと。その形。
2、円周とその内部。
3、《Yen》日本の通貨単位。

「円ら」(つぶら)
まるくて、かわいらしいさま。

「円らな瞳」
瞳がまるくて可愛らしいさま。くりっとした目。

「円か」(まどか)
1、まるいさま
2、穏やかなさま。円満なさま。

円滑・円環・円熟・円満・真円・渾円・正円・団円

あまり聞かれなくなりましたが、
「大団円を迎える」という表現があります。
演劇や小説などの最後の場面で、すべてが丸く納まる結末をいいます。

見慣れない熟語に「円匙」というのがありました。
なんとスコップのことです。
帝国日本軍ではスコップのことを円匙「えんび」と呼んでいました。
(本来の発音は「えんし」)武器の一種。
shovel(英)、schop(蘭)



posted by 空凛 at 08:59| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

辞任(じにん)

就いていた任務・職務を、自分から申し出て辞めること。

「辞」ジ・やめる・ことば・ことわる
1、言葉。文章。
2、ことわりを言う。やめる。
辞職・辞退・辞表・辞令・辞世・固辞

自分以外の意思で、職務や役職を辞めさせられる場合は「解任」

☆「辞表」「退職届」「退職願」の違い
「辞表」は、役員などの役職を自ら辞退する際に使います。
会社を辞めることとは関係なく、役職を辞める事に対して「辞表」が提出されます。

「退職届」は役職に関係なく職場を辞める時に出します。
「退職願」の場合は、
上司に提出して人事決定権のある者から退職承認され、
その旨が本人に告げられてはじめて、
“雇用契約の終了予告”がされたとして、法的に有効になります。
有効になるまでは撤回することが可能です。

「退職届」は提出した時点で、“雇用契約の終了予告”が成立。
会社側が望まない限り撤回できません。
また会社都合で辞める場合は「退職届」に、証拠として文面に会社都合であることを明記しておきます。
法律上は “書面” である必要はなく、口頭での意思表示でも終了予告になります。
そして会社側の承諾があって労働契約が終了します。

民法では、退職の意思表示は “14日前までに” とあります。
就業規則が1ヶ月前までとなっていたとしても、
“民法 > 会社規則” となります。


「辞職」は自らの意志で職をやめること。
「退職」は現職を退くこと。
「退任」は任務を退くこと。
※自発的に退くことにも、任期満了で退くことにも用いる。
「退官」は官職を退くこと。
現在では一部の公務員に対してのみ用います。

「下野」(げや)という語もあります。
官職を辞めて民間に下ること。
与党が政権を失い野党となること。

「野に下る」(やにくだる)
官職を退いて民間の生活にはいること。

この場合の「野」は “民間”の意です。
在朝(ざいちょう)に対する 在野(ざいや)。




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2017年10月02日

カタカナ語

「それっ!日本語で言えばいいのに!!」
(カタカナ語研究会議監修)
今年の4月に出版された本です。
最近 ちまたではどんなカタカナ語が飛び交っているのでしょう。
コミットメント・ユーザー・エビデンス・コンセプト・
コンテンツ・コンセンサス・アジェンダ・ペンディング・
イノベーション・リソース・オンデマンド・
コンバージョン・コンプライアンス・スキーム・
セグメント・ダイバーシティ・ベンダー・
マネタイズ・レコメンド・エッジ・ガジェット・
ソリューション・フェーズ・マター・オファー・
リテラシー・ロジック・ローンチ・・・・
これらのカタカナ語をイラスト入りで解説しています。

私が耳新しかった語は、
●バズ buzz
蜂などのブンブンうなるような羽音。人のざわめき、騒音。

口コミのこと。
口コミを利用した手法が「バズマーケティング」
「バズる」はネット上で、多くの人の話題に上っている状態を指します。

●フィジビリ feasibility studyの略
プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること。
「実行可能性調査」「採算性調査」とも呼ばれ、「F/S」と略記されます。

いっそ英語で話せばといいたくなるくらい、カタカナ語だらけの話しをする人がいますが、
「難しいこと知ってるなー」と感心します?
私などは「カタカナ語で煙に巻いてるんじゃないよ」なんて思ってしまいます。
大事なのは相手に思いを伝えること。
そのための言葉選びを考えたいですね。

カタカナといえば、
最近わかった私のカタカナ表記のまちがい。
×シュミレーション--simulation ---- ○シミュレーション
×アボガド--avocado ---- ○アボカド
×ギブス--Gips(独) ---- ○ギプス
×バトミントン --badminton ---- ○バドミントン

最後に「ターキー」のおもしろい話を。
「七面鳥」の呼び名は各国で違っているのご存知です?
英語turkeyターキーは “トルコの鳥”
でも、トルコでは“インドの鳥”
インドでは “ペルーの鳥”
ギリシアでは “フランスの鳥”
モロッコでは “ローマの鳥” と言われているんです。
国籍不明みたいになってますが、北米原産です。
ホロホロ鳥との混同があったようです。
16世紀頃 欧州では東方の異国ややイスラム世界から伝来したものは、何にでもturkeyと冠して呼んでいたそうです。




posted by 空凛 at 15:13| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)

あるものを、いろいろの方面からよく見るようす。

語の構成は、
「たむ」「すがむ」の連用形に
“〜したり” を表す完了の助動詞「つ」

「矯める」(ためる)
ねらいをつける。じっと見る。

「眇む」(すがむ)
片目が細くなる。ひとみが片寄る。

「矯めつ眇めつ」
“じっと見たり片目を細めて見たりする” 意

「矯める」は弓に関わる言葉で、
矢をたわめてみては、それを目元にもっていって、
その強さや曲がり具合を吟味したことから。
転じて、
物事をいろいろな角度から見定めようとする意味に。
「すがむ」は強調的な意味でくっついたもの。
語呂もいいでね。

「矯める/揉める/撓める」(ためる)
1、曲げたりまっすぐにしたりして形を整える。
2、悪い性質やくせなどを直す。矯正する。
3、目をすえて見る。じっと見る。

「矢」由来の語に「伸るか反るか」があります。

「伸るか反るか」(のるかそるか)
私は “うまい話にのる” のように思っていたので、
「伸」と「反」の漢字が意外でした。
「伸る」は、“長く伸びる”や“真っ直ぐ伸びる”こと。
「反る」は“後ろにそる”こと。
矢師が矢を作る時、
「のため型」と呼ばれる竹の曲がりを直す物に入れ、竹を乾燥させます。
そこから取り出した竹が、真っ直ぐに伸びていたら矢として合格品。
少しでも曲がっていたら不良品。
矢師は「のるかそるか」と、成否を気にしながら竹を取り出したんですね。
転じて、
成功するか失敗するかは、一か八か。
今までは「伸るか反るか」というと、丁半博打のイメージでしたが、矢師の真剣な姿に塗り替えられました。

「いくさ」も「矢」由来です。
「戦」「軍」は当て字。
いくさの「いく」は、
矢を「射る」「射交わす」意の
「いくふ」(いくう)、
もしくは、
「まと」(的)を意味する「いくは」の語根。
いくさの「さ」は、
「矢」を意味する「さ」(箭・矢)、
もしくは接尾語の「さ」。
つまり、いくさの語源は “矢を射る” なんです。

他にも、思わぬ語に「矢」が隠れていたりします。

「手ぐすねを引く」
1、弓が滑らないように弓手(ゆんで)に薬煉(くすね)を塗る。
2、十分に用意して敵を待ち受ける。

「くすね」(薬煉)
「くすねり」の略。
松やにと油を練り合わせたもので、粘着力が強い。

他にも、
・満を持す
・的外れ ・的を射る ・的中
・図星
・矢面
・矢先
・矢継ぎ早
・矢の催促
・矢面に立つ
・白羽の矢が立つ
・光陰矢の如し
・弓を引く
・矢庭に(やにわに)
・矢も楯も堪らず(やもたてもたまらず)
・一矢を報いる(いっしをむくいる)

「矢」由来の語が現代までこんなに残っているのは、
何か心に響くものがあるのでしょうね。




posted by 空凛 at 08:35| Comment(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする