2010年02月11日

地番(ちばん)

法務局が登記された土地に付した番号。

マンションの物件情報などで目にして気になっていたのですが、調べてみると不動産用語が芋づる式に引っかかってきました。

「地番」に対し、
通常よく見る住所は、市区町村が定めた「住居表示」です。
「○○丁目○○番○○号」という表記になっています。

「地番」は土地に付けられた番号
「住所」は建物に付けられた番号
と理解するといいようです。

土地の戸籍のようなものを「地籍」といい、地番・所有者・地目・面積などが記されています。

土地登記簿上で一個の土地とされたものを「一筆」(いっぴつ)
一筆の土地を分けることを「分筆」(ぶんぴつ)
一筆の土地に合わせることを「合筆」(がっぴつ)
と言います。
ここで、土地を数える単位がなぜ「筆」なのか疑問に思いました。
Webで調べてみると見つかりました。

江戸時代に徳川吉宗が行った享保検知で、検地帳に土地の所在・面積・土地の等級・所有者がスラスラッと一筆(一行)で記載されたことから、一個の土地を「一筆」と呼ぶようになったということです。

日本において土地の近代的所有権が確立したのは、明治維新後。
明治4年、廃藩置県が行われ、
明治5年、土地売買の自由が認められ、
官有地、私有地などが一筆の土地ごとに地券が発行されました。
尚、
明治以来国有地である土地は、登記されたことがないため地番が付されていません。
国有地の上に建つ建物にも「番地」がつきません。
これは、登記制度が「国が第三者の立場で権利の移転・設定の登記手続きが適法になされた事」を証明する制度であるため、当事者である国が、国の権利取得を証明する意味がないからです。

国有地上にある建物の住所は、最も近い「地番のついた」土地の番号を使って「○○番地先国有無番地」(もしくは「官有無番地」)と表示します。
網走刑務所の「番外地」という呼び名も、本来「国有無番地」であったものが、「別世界」というイメージから作られたものでした。

不動産業界の方には、何をいまさらというようなことなんでしょうが、知らないことばかり。
「国有無番地」という表記は目にしたことがありません。



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2010年02月07日

「曾て」

「曾て」って読めますか?

山崎豊子著「沈まぬ太陽」の中で何度も出てくるんですが、読めなくてイラっとしました。

「かつて」と読むのでした。
最近ではほとんど漢字表記は見られませんね。
「曾」の付く語には、
麻生前総理の発言から一躍有名になった「未曾有」や、
「曾孫」「曾祖父」「曾祖母」があります。

「未曾有」(みぞう)
《未(いま)だ曾(かつ)て有らず》
今までに一度もなかったこと。また、非常に珍しいこと。希有(けう)。

未曾有を辞書で確認していれば、「曾て」は読めましたね。

「曾」を見ると、
ソウ・ゾウ・かつ-て
1、かつて。以前に。
2、世代が重なること。
「曽」は俗字。

「曾孫」は“孫の子”という意味で、
読みが数通りあります。
「そうそん」
「ひいまご」---「ひまご」の音変化。
「ひこまご」
「ひひこ」
「ひこ」

「曾祖父」も「そうそうふ」の他に「ひいじじ」「ひじじ」とも読みます。

曾孫の子は「玄孫」(げんそん/やしゃご)と言います。
「やしゃご」までは聞いたことがありましたが、その先8代まで表す言葉がありました。
2--孫
3--曾孫(そうそん)
4--玄孫(げんそん)
5--来孫(らいそん)
6--昆孫(こんそん)
7--仍孫(じょうそん)
8--雲孫(うんそん)

他に「曾」のつく熟語は、
「曾遊」(そういう)がありました。
以前に訪れたことのあること。
・曾遊の地

ところで、
ひらがなの「そ」は、「曽」の草書体から、
かたかなの「ソ」は、「曽」の2画までをとったものでした。

「ソ」と「ン」は活字で見ると識別できますが、手書きの場合はとても紛らわしいですね。
「メゾン」などは、書いた当人でさえも読みづらいなと思ってしまいます。




posted by 空凛 at 20:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月31日

さばける

・魚をさばく
・大量の在庫を売りさばく
・たまった仕事をさばく
・荒馬の手綱をさばく
・着物の裾をさばく

この「さばく」の漢字が浮かびませんでした。
「捌」です。
手で別ける。なるほど。
ベツ・ハツ・ハチ・さば-く
1、やぶる
2、わける
国字は、さばく。さばき。

「捌く」(さばく)
1、入り乱れたりからんだりしているものを解きほぐす。
2、鳥・魚などを切り分ける。解体する。
3、扱いにくいものをうまく扱う。また、道具などを使いこなす。
4、物事を手際よく処理する。
5、商品を売り尽くす。
6、目立つように振る舞う。

・水はけがよい
・商品がよくはけた
・不満のはけ口
この「はけ」も「捌」です。

また、
「さばけた人」などと言う時も「捌けた」です。
私は“テキパキ手際がよい”というような意味で使っていましたが、辞書の「捌ける」には“世事に通じていて、物分かりがよい”とありました。

「さば」つながりで、
「さばさばする」は「さばける」から来ているのかと思いましたら、違うようです。
語源はわかりませんでしたが、漢字は当てられていません。

「さばさば」
1、面倒なことや嫌なことなどと縁が切れて、さっぱりした気分であるさま。
すっきり。
2、性質などがさっぱりしているさま。物にこだわらぬさま。

・面倒事が片付いてさばさばした気分になる
・さばさばした性格

似た意味合いとしては、
「あっさり」「さっぱり」などがあげられるでしょうか、それぞれに受ける感じが違いますね。
また「さばさばしている」は、プラス評価とマイナス評価の両面があるようです。
話の前後や相手の口調で感じ取れるものですが、悩ましい時もあるかもしれません。
特に女性の場合、女らしいうるおいがないことのように受け取りがちですので、誉めたつもりで言ってもムッとされるかもしれません。
私も「さばさば」には、なんだか大雑把なイメージを受けてしまいます。
勝手な思い込み?



posted by 空凛 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月30日

推敲(すいこう)

文章を何度も練り直すこと。

今さら説明するまでもない頻出の語です。
故事ということも知られていると思いますが、私はその成り立ちを知らないままきてしまいました。

「推」と「敲」で迷ったという話しですが、
どういう状況の文章だったのでしょう。

以下の詩の4行目がその箇所です。
結局「敲」の字が使われました。
* * *
閑居隣並少なく、
草径荒園に入る。
鳥は宿る池中の樹、
僧は敲く月下の門。
橋を過ぎて夜色を分かち、
石を移して雲根を動かす。
暫く去って還た此に来る、
幽期言に負かず。
* * *

お話しは---------
時代は唐の中頃、
賈島 ( かとう ) という男が ロバにゆられながら詩の創作にふけっていました。
「僧は推す月下の門」とできたのですが、
どうも「推 す」(おす)を「 敲く」(たたく)にした方が良い気もする。
さて、どっちが良いか?と迷い、ロバの背で、推したり敲いたりを真似して考えあぐねていたところ、ある貴人の行列に行き当たってしまいました。
衛兵に引き立てられたので、事情をつぶさに説明して非礼をわびたところ、貴人は怒るどころか、「それは君、「敲く」のほうが月下に音を響かせる風情があって良いな」との答え。
その貴人は詩人としても名高い 韓愈 ( かんゆ ) その人だったのです。
2人はそこで意気投合し、心ゆくまで詩を語り合いました。
後に、賈島は韓愈の門人(弟子)となり、詩人として独立しました。
--------------------------------------------------------------

「推」に“おす”
「敲」が“たたく”
という意味があることを知りました。

「推」
スイ・おす
手でおしやる意。
“おしはかる”という意味で覚えていましたので、「押す」と類義だったのが発見でした。

「敲」
コウ・たた-く
指先やこぶしで軽くたたく。ノックする。

「敲」は「推敲」以外では使われていないようです。

一方、
「叩」
コウ・たた-く
1、たたく。はたく。
2、地面に打ち当てる。

「叩頭」(こうとう)
頭を地面にすりつけてお辞儀すること。叩首。

「叩扉」(こうひ)
扉をたたくこと。訪問すること

叩き台(たたき-だい)
よりよい成案をめざして意見や批判によって練り上げてゆくための、もとになる案。試案。

叩き上げ(たたき-あげ)
下積み時代の苦労を経て、腕を磨いて一人前になったこと。

「叩き台」や「叩き上げの○○」という言い方はよく聞きますね。





posted by 空凛 at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月24日

水際立つ(みずぎわだつ)

他と比べてひときわ鮮やかである。
・水際立った手腕を発揮する
・水際だった女優の演技

水際=際立った美しさ
このイメージが持てずにいたものですから、語源に何かもっと隠された意味があるのかと思いました。
結果は、文字通り水際が美しいからところからきています。
Webで見た説明には、
松島や九十九里浜などのスケール感のある景色を目に浮かべて下さいとありました。
昔は水も空気も澄んでいて、今よりもずっと海辺と陸地の境目ははっきりした線を成していて、美しい景色だったに違いありません。
水際立つとはそういう光景を指して生まれた言葉でした。

「水際」(みずぎわ)
1、水面が陸地と接している所。みぎわ。
2、物が水面に接するところ。
3、生け花で、花材が水面に接するところ。

・ウイルスを水際で食い止める
・空港でのインフルエンザ水際対策はパフォーマンス的
・水際で大規模なテロ計画を阻止
・密輸を水際で食い止める

「水際」が“境界線”という意味で使われています。
デジタル大辞泉では、
“上陸する直前”という意味を載せていました。

現在、「水際作戦」はいろんな意味で使われていますが、
元は、第二次大戦中戦った日本軍の作戦名からきているようです。
武器・人員・弾薬が底を突いた日本軍は最後の手段として、敵の防御体制が整わない上陸間際に攻撃を与える作戦をとりました。

辞書の説明は、
上陸してくる敵を水際で撃滅する作戦。
転じて、病原菌・害虫・麻薬などが国内にはいり込むのを防ぐこと。

2007年に問題になったのが、
福祉事務所の「水際作戦」。
生活保護を申請しようとする人に対し、福祉事務所の職員が申請書をすぐに渡さず、窓口での相談段階で対象者を振るい落とそうとしたものです。
生活保護問題に取り組む弁護士や福祉関係者らが批判の意を込めて付けました。




posted by 空凛 at 16:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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